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『ジリリリリリリ!』

 けたたましく店内で警報が鳴る。

「伏せろ!」

 マスターの声が店内に響いた後に入り口の扉が開き、カランコロンと金属音が鳴る。店内の中央あたりに転がった球体から破裂音が発せられ、夥しい量の煙が吐き出される。

(スモークか)

 店内に煙が充満し、視界が遮られると同時に、自動小銃を撃ちながら、次々と人間が入り込む。

「店をめちゃくちゃにしやがって!」

 煙に満たされた空間の中、銃口から放たれる光に向かってマスターがカウンター裏の銃を手に取り応戦しているようだ。テーブルを盾にし伏せていた四人もデバイスを起動し応戦しようとする。しかし、ナノマシンが起動しない。

「なんでや!?」

 恵吾は焦ってデバイスの調子を確認している。

「ナノマシンキャンセラーだ! ただの煙じゃ無い!」

 綱吉はスマートコンタクトで煙を分析し、恵吾に伝える。

「ぐぅっ……」

 戦闘体制に入らないまま、カウンターから悲鳴が聞こえた。

(マスターが撃たれたんか?)

「これしか無いか! 祥ちゃん、これ正当防衛やからな」

「当然だ!」

 恵吾はホルスターから拳銃を抜き、銃声のなっている方へ狙いもつけずに乱射する。刑事である祥貴も支給された拳銃をテーブル越しに撃つ。何人かに当たったようだが、銃声の勢いは収まらない。

「マスター! 大丈夫なんか!?」

 恵吾はマスターの安否を確認するが、返事がない。襲撃者の姿がうっすらと見える。

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