D・D・Jは投銭したい！ ～ダウナー系ゲーム配信者と外資系強火ファン～

番外編お礼SS『 ノースホットグリーンのモンスターパニック』

【前書き】

Twitterで親しくさせていただいている方にD・D・Jのイラストを描いていただいた時に、はしゃいで書いたSSです。

　その方にお聞きして、思い出に残っているゲームを題材にしてみました。テキストとしてこちらに残しておこうかと思います。

【本編】

「あ～憧れの～ぽっぽマァストゥァ～に～」

　はっいけないいけない。

　つい、『めざせぽっぽマスター！』を口ずさんでしまった！

　今日の配信は、海外のチャンネルでも放送されていたぽっぽモンスター……ぽっぽと呼ばれるモンスターたちを捕まえて、鍛えてライバルと勝負し、マスターオブぽっぽを目指すというゲームの派生系シリーズなのだ！

　そう、その名は『ぽっぽスタジアム！』

　迫力ある戦闘が醍醐味で、本編ゲームで鍛えたぽっぽたちが使えるとあって、大変人気だったという。

　さぁ、いつもの２２時ジャスト。

　ろーわんの配信が始まる！

『うす。今日はこのゲームやるっす。まずは、えーとオンラインとかわからないから、適当でいいのかな。まぁ、ええと、モンスターを選んで……』

　このゲームはスタジアム2ということもあり、以前よりも使えるぽっぽが増えているのだ。

　だがふと不安になる。このゲームの前提である「鍛えたぽっぽで勝負をする」というものなのだが……。

『あ、俺ぽっぽモンスター本編やってねーから使えるモンスターいねーわ』

　ですよねーー！

　そうじゃないかと一瞬不安だったんだ！

　ネットで攻略を見れば、一応ゲームに登録されているモンスターで対戦できると書いてあるが……。

『お、ミニゲームあるんだ。それやろ』

「ぽっぽスタジアムにしてスタジアムに入らないだと！？」

　さ、さすがろーわんだ。視聴者の期待の裏を行く！！

『えーと、ベロロンのばくばく寿司、へぇやってみるか』

　どうやらろーわんはピンク色のベロロンが回転寿司を食べてどれだけ高得点を取れるかというミニゲームをプレイするみたいだ。

　ルールは簡単、より多くの高い寿司を食べたものが勝つというもの。

　かっぱ巻きは五十円、玉子は百五十円。トロやうになどは六百円、千円など。

　高級食材の寿司の方がレートが高いのか。

　代わりに気を付けないといけないのは、高級食材には稀にWASABIが入っていて、当たると一定時間『じたばた』というバッドステータスで寿司を食べられなくなるみたいだ。

　同じくあがり……調べたら日本茶だ。

　あがりをとると熱くて火傷し、同じように一定時間じたばた状態となる。

「なるほど、戦略的には高級食材を食べればよいのだろうが、WASABIを食べる危険性があると。じたばたの時間ロスを避けながらというのがなかなか興味深いな」

　さぁ、ろーわん操るベロロン含む四体のベロロンの寿司勝負が始まる！

「あがり(じたばた)、あがり(じたばた)、あがりを避けようとして別のあがり(じたばた)！！」

　ノーー！　何故そこまでお茶を取るんだ！

　ほとんどタイムロスしている！！

　他のベロロンたちがトロやらいくらを食べているというのに！

　もちろん圧倒的敗北。

『え、動く標的食べるのむずくね？』

　あちゃー……ろーわんにはまだ早かったか……。

　いや、闘志はまだ消えていない。

　無駄に持久力だけはあるぞろーわん！

　次の勝負の幕が上がる！

「かっぱ巻き(五十円)、かっぱ巻き(五十円)、あがり(じたばた)最後に玉子(百五十円)でフィニッシュ！！　もっと高い寿司食べてくれーー！！」

『おっといけね、いつも食べてるのをつい選んだな』

「お高い寿司も食べてーー！　くそ、なんでUber Eatで送れないんだ！！」

　いつも食べているのがかっぱ巻きか玉子なんて、回らない寿司屋の高級食材を食べさせてあげたいのに！！

　はぁはぁ、いけない。興奮してしまった。ひとまず落ち着こう。

『うーん、お茶は避けられたけどレートが低いな……よし、気合い入れるか』

　さすがろーわん、闘志は失っていない！

　さぁ、次の勝負で決めるんだ！！

「トロ(WASABI)トロ(WASABI)、いくら(WASABI)、トロ(WASABI)、あがり(じたばた)、いくら(WASABI)フィニッシュ！　なんで全部入っているやつ当たるんだ！！　逆に奇跡起こしすぎだろう！！」

　稀にしか入ってないはずのWASABIを全部当てるだと！？

『まぁ、三位か。わりと楽しかったな。じゃ今日はここまで』　

　すかさずいいね、高評価、Botじゃないよと顔文字を送る。

　今日も、神だった……。

「明日の夜は回転寿司に行ってみよう」

　なんて、思う夜の事だった。

※ぽっぽ…ふところ。懐中。