あぁ、素晴らしき日本語の世界『ぐちゃぐちゃ』編
ろくろわ
言葉の語源
皆さんこんにちは。
あぁ、素晴らしき日本語の世界の時間です。
今やぐちゃぐちゃと聞くとその状況が浮かびますよね?本日はそんなぐちゃぐちゃの語源を再現ドラマで見ていきましょう。
時は昭和五年四月十日。
銀座三越は開店の準備に追われていた。開店の目玉は海外ブランドの展示会。会場は多くの社員で溢れていた。
開店まで後二時間。
その時会場近くの倉庫では大きな問題が起きていた。
当然ブランド品はブランド毎に展示する。
皆、慌てて目利きの出来る職員の前にブランド品を持って行き仕分けていった。
「これは」
「それは
「これは」
「それは
「これは」
「それは
倉庫では慌ただしく仕分けを行っていた。
そんな中一人の職員が会場にブランド品が来ない為、倉庫の状況を確認し再び会場に戻っていた。
「倉庫の様子はどうだった?」
「それがブランド品が混ざったようでずっと
「何?混ざった事をぐちゃ、ぐちゃって言うんか?」
その時、
更に新たな言葉は連鎖する。
上司はぐちゃぐちゃになったブランドの様子を聞くと再び職員に指示を出した。
「倉庫に人手が要りそうか?」
「確認して参ります」
職員は再び倉庫に向かい様子を伺った。
倉庫内で沢山の職員が品物を抱え、指示を待っていた。
「これは」
「それは、アッチや」
「これは」
「それはコッチやコッチや」
その様子を確認した職員は再び戻り上司に報告する。
「職員の様子はどうだ」
「それが多くの人がコッチやコッチや言うてました」
「何?混んでいる事をごちゃごちゃって言うんか」
その時、また新たな日本語が生まれた。
こうして音で状況の分かる日本語が生まれたのだった。
了
あぁ、素晴らしき日本語の世界『ぐちゃぐちゃ』編 ろくろわ @sakiyomiroku
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