第115話 【月面】 リザルト

115.【月面】 リザルト








黒いモノリスが起動して出てきた沢山の魔物とひときわでかい魔物を倒し終わった後、貸し出されていた収納袋では全て持ち帰ることが出来ないのでダンジョン協会に連絡をとり回収班を呼んでもらった。


やって来たのはダンジョン協会の職員が1人にそのお供のロボットが30体ほど、普通なら全員生身の人間がくるのだがここが【月面】ダンジョンだからなのか生身の人手っていうのがそこまでいないようだ。


ダンジョン協会の職員が魔物を回収しているのを手伝っていると部屋の中に宝箱を見つけた、開けてみると中に入っていたのは何やら瓶に入った液体だった。

正直かなりあやしい液体だ、見た感じポーションやそういった類の物にも見えないしその場では何かわからずこれもダンジョン協会へと預ける事となった。


その後は順調に魔物の回収を進めていき、俺が道中で集めた魔物を入れた収納袋も職員へと渡しついでに持ち帰ってもらう事にした。




その後は特に何も起きることなく時間が過ぎて行って気がつけば滞在期間である1ヵ月が経ち地球へと帰る日になっていた。


来た時と同様に帰りも転移陣を使い地球へと帰還した。


地球に戻って最初に感じたのは重力の重さ、違和感がすごかった。たった1ヵ月しか月で過ごしていないというのにいつの間にか体は月の重力に慣れきっていたようだ。


体が重いと気分も落ち込み、憂鬱な気分で数日を過ごし地球の重力へとやっと体が慣れてきた頃に【月面】ダンジョンでの報酬がやってきた。


まず調査依頼での基本報酬である6000万と道中で手に入れた魔物の素材をダンジョン協会へと売却したのでプラス5000万、それにボスっぽい大きな奴は1体で2000万という事になった。


そして宝箱からでた何やら怪しい液体の入った瓶は1億での買い取りとなった。

あの液体が何だったのか詳細は教えてもらってないがこの金額から何やらいい物だったっぽい事はわかる。


宝箱からでた液体について詳しく教えてもらえないのはあれが調査依頼中に手に入ったもので俺が権利を手放しダンジョン協会へと渡したからだ。

あんな如何にも怪しい液体はいらなかったっていうのが大きな理由だが、今考えると別に鑑定結果聞いてからでもよかったなって思わなくもない。

まぁもう過ぎた事は仕方ない。


そういうわけで今回の【月面】ダンジョンでは合計2億3000万の稼ぎになった。

GPについては今のところ1億ちょっとというところだ。



次にレベルについてだが、今はこんな感じだ。






名前:神薙 響   年齢:16


レベル:112 → 117


STR:292 → 313

VIT:245 → 264

AGI:306 → 320

DEX:1210 → 1350

INT:8 

MND:23


≪スキル≫

<ユニーク>【GunSHOP】Lv:9

<上級>【空間庫】Lv:9

<スキルリンク>【野営地】Lv:7

<極級>【射撃】Lv:5 → 6

<上級>【銃術】Lv:9

<上級>【堅忍不抜】Lv:─

<上級>【気配感知】Lv:10

<中級>【遠目】Lv:─

<スキルリンク>【イーグルアイ】Lv:10

<ユニーク>【風読み】Lv:─

<上級>【計算】Lv:8

<上級>【体術】Lv:7 → 8

<ユニーク>【制御:機械種マギア】Lv:─

<スキルリンク>【格納庫】Lv:─

<上級>【水中呼吸】Lv:3

<上級>【整備技術】Lv:1 → 5





そこまで大きな変化はない。


かなりの数の魔物を倒してたと思うけれどやはりこのレベルになると上がりにくくなっているようだ。


ステータス面でもそこまで変化はなく、スキルについてもちょこちょこあがった程度だが【整備技術】だけ一気に5まで上がっている。

これは俺もヘレナの機械いじりに参加するようになったからだ。


折角そういう方面で役立つスキルがあるのだからと試しにやってみたのだがこれが意外と楽しかった。


月にいた時から地球に帰ってきても【格納庫】でヘレナと一緒にあれこれ機械いじりをした結果出来上がったものがある。

それが【月面】ダンジョンで宇宙船を解析して出来た新しい技術を使った防具の素材だ


「それじゃぁ撃つぞ?」


「はい、いつでもどうぞ」


【野営地】内、いつも射撃練習している場所の的が置いてある場所に新しい技術で作った素材の板を固定してある。

今からそれに向かって試し打ちを行う。


「まずは通常弾」


「はい」


アサルトライフルを構えて撃つ。


放たれた弾丸は真っすぐと狙い通りに飛んで行き的へ括りつけた板へと当たる、すると当たったはずの弾がチュインと音を出して消えた。

銃を置いて的へと近づく。


「小さな傷もないな」


「どうやら上手く機能しているようですね」


今回新しくできたこの素材はいわばリアクティブアーマーのようなものだ、衝撃を受けるとそれに反応して現象を起こし攻撃を消す。

何でもかんでも無効化できるわけでは無いが銃などの小さな飛来物なら装備者に衝撃を与える事も無く攻撃を消せるという予想だ。まだこの素材で防具を作って試していないのであくまでそうなったらいいなぐらい。


この素材を防具の一番表に使い、その下にはさらに別の素材の物を使い、さらにその下には別の物といった感じで多重構造にするつもりだ。

こう聞くと完成品の防具が重くなりそうにも聞こえるが実際はかなり薄い多重構造になるらしく今使っている防具とほぼ重さは変わらないとのことだ。

宇宙船のあの素材からどうなったらこんな新しい技術が生み出されるのかまったくの謎だがそれを可能にしてしまうのがヘレナなのだろう。



後は頭防具内のディスプレイでのシステム面も色々と更新するらしい、ヘレナ曰く大型アップデートって言っていたので何かしら変わるんだろう………。


【赤雷】シリーズや【不壊】と【砲懐】も改修していくつもりだ。防御面を伸ばしさらに盾としての性能を伸ばすつもりだ。


今の戦闘スタイル的にそうしたほうがいいだろうと、ヘレナと相談した結果そうなった。


これから色々と製作期間へと入るわけだけれど、その間探索はお休みする事にした。

単純に俺の中で機械いじりブームが来たのでやりたいだけだ。


ヘレナの予想では3週間もあれば全部作れるだろうとのことだ。

たった3週間で、って思うかもしれないが俺とヘレナには【格納庫】という特別な場所があり、作業員ロボットという人手があり素材なども買う資金があるからそれだけの期間で作れてしまう。



それに個人的にちょっと作ってみたい物があったりなかったり、ちゃんと出来上がるか分からないがヘレナにも聞いてやってみるつもりだ。



「【格納庫】に行こうか」


「はい」








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