第77話 オークションの誘いとスキルオーブ
77.オークションの誘いとスキルオーブ
「あー、疲れた………」
【魔のサファリパーク】で金さん銀さんを倒してから2週間が過ぎた、レベルが74から86へと一気に上がって気をよくした俺はもう一度倒せないかと金さん銀さんを探していた。
しかしその努力もむなしく2週間が過ぎても見つける事は出来ず流石に飽きたので探すのを今日で辞めにした。
探すのを辞めはしたが、そういえば出現率みたいなのってあるんだろうかと気になりネットで調べたのだがどうやら金さん銀さんはそう滅多に見つかるものではないらしく前回見つかったのも何十年も前の事らしかった。
【魔のサファリパーク】で一生を遂げるぐらいの時間を過ごしてなお一度出会えるかどうかのレア度らしく俺が出会えたのは途轍もなく運が良かったみたいだ。
なぜ、こういう話をしたかというと。
金さん銀さんを倒してその素材をGPは潤沢にあるし、レアな魔物っぽいしダンジョン協会に売却して貢献度みたいなものでも稼ごうかなと気楽に考えて持ち込んだのだが大きな騒ぎになったのだ。
どれぐらい大きな騒ぎになったかと言うと今まで見たこともないお偉いさんと会う事になったぐらいには騒ぎになった。
お偉いさんと会って色々と話をしたのだが取り合えず売却する事は決定しているのでその話をした際に買い取れないと言われてしまった。
金さん銀さんは前回討伐された時にもダンジョン協会では買い取る事は出来なかったらしく、じゃぁどうするんだって話しになりそこで出たのがオークションの話しだ。
ダンジョン協会主催のスポンサーが国という大規模なオークションが存在する。
ダンジョンで取れる素材や宝箱からでる装備や道具などは高価な物だ、低ランクの物はそうでもないが高ランクになるとその素材や装備の値段というのは桁が違ってくる。
噂程度にしか知らないがAランクになると身に着けている装備の一つ一つが億越えになるとも聞いたことがある。
そういった高価な装備や素材はダンジョン協会が買い取れたとしても買い手がすぐに見つかるような物ではない。
単純に値段が高いからというのもあるが、そもそもこういった物の買い手となる人達はそんな頻繁にダンジョン協会が何を売り出しているかなんて調べたりしない。
なのでオークションにしてこの日だけ、この日だけ調べてくれたらいい物買えますよ、という感じにしているみたいだ。
もちろんダンジョン協会主催のスポンサーが国なんていう大きなオークションにもなると参加する権利を手に入れるだけでもそれなりの何かが無いといけない。
出品者になるだけなら、たまたまいい物を手に入れたという理由だけでなれるが買い手となると色んな条件がある。
お金を持っていることもそうだが後ろ暗い事がないかとか厳しい身辺調査もあるみたいだ。
そんなオークションだが今回俺は出品者と同時に買い手としても参加していいよと許可を貰った。
なんで?って思った。そんな金持ちなわけじゃないし身辺調査とかもされた覚えないしとか思ってたら話しをしていたダンジョン協会のお偉いさんに君の事は調べてあると言われた。
いつの間に調べられていたんだろと話していると、どうやらBランク試験の際にはそういった身辺調査などがされるらしくその時の情報があるとのことだ。
次にお金に関してだが、そもそも探索者として行動する前から生活していくだけのお金は持っていたがそれの他に今までの探索者としてダンジョン協会へと売却していった素材のお金が丸々銀行口座に残っていた。
その金額なんと3億。
細かくいうと3億ちょっとあるのだがまぁ3億という事にしておく。
普段使っているお金の口座と探索者の時の口座を分けていたので今まで特に見ていなかったのだが意外とお金が貯まっていたようだ。
特にここ最近の【アルミーシュ】での『機械種:マギア』の素材や【魔のサファリパーク】での素材が結構高かったみたいで稼げていた。
もちろんダンジョン協会は俺から売られた側なので、俺がどれだけ稼いでいるかを把握していて身辺調査も済んでいて、買い手としても参加していいよって事だった。
そんなこんながあり、1ヵ月後にオークションに参加する事が決まった。
◇ ◇ ◇ ◇
金さん銀さんの素材をどうするかの話しはお終いにしてレベルがどれだけ上がったかの話しをしよう。
まず、金さん銀さんを倒したことで74から86にレベルが上がった。そこから2週間さらに狩りを続けたことで最終的にレベルは88になった。
86レベルから2週間も狩り続けたのに2つしかレベル上がらなかったの?って思うかもしれないが、何故か知らないがレベルが物凄く上がりにくかった。
恐らく必要経験値的な物が多くなってきているのでレベルが上がりづらいんだと思う。
ひとまず現在のステータスを見て行こう。
名前:神薙 響 年齢:15
レベル:74 → 88
STR:181 → 220
VIT:130 → 176
AGI:190 → 231
DEX:795 → 935
INT:8
MND:7
≪スキル≫
<ユニーク>【GunSHOP】Lv:6 → 7
<上級>【空間庫】Lv:6 → 7
<スキルリンク>【野営地】Lv:3
<特級>【射撃】Lv:4 → 6
<中級>【銃術】Lv:10 → <上級>【銃術】Lv:2
<上級>【堅忍不抜】Lv:─
<上級>【気配感知】Lv:4 → 5
<中級>【遠目】Lv:─
<スキルリンク>【イーグルアイ】Lv:9 → 10
<ユニーク>【風読み】Lv:─
<中級>【計算】Lv:9 → <上級>【計算】Lv:1
<中級>【体術】Lv:5 → 8
<ユニーク>【制御:機械種マギア】Lv:─
<スキルリンク>【格納庫】Lv:─
レベルが14も一気に上がると、それに合わせてスキルレベルも色々上がっている。ステータスについては特にいう事は無いので、スキルの話しをしていくのだがメインである【GunSHOP】スキルは置いておいて先に他のを見て行こう。
まず【空間庫】、これについては容量が大きくなっていくだけだが今現在は学校などにある体育館の半分ほどの容量がある。
大きな魔物の素材などはあまり運べないが自分が普段使う手荷物などを入れておくには十分だ。それに今まで思い付いていなかったのだが【野営地】にも荷物が置けるので一時的な【空間庫】みたいな扱いが出来る。運ぶのはヘレナに任せればいいしね。
そんな【野営地】のレベルは上がらず次。
【射撃】スキルは6になってまたDEXの数値が伸びた、そろそろ4桁を越えそうだ。
【銃術】は<上級>スキルレベル2となり新しいスキルアーツを覚えた。
新しく覚えたのは【追跡弾】という技だ。
【追跡弾】
<対象にあたると追跡信号を発信する、使用者の視界に目標が表示される>
今のところ倒しきれず追いかけるという場面はないが今後役に立つかもしれないアーツスキルだと思う。
次に【気配感知】と【イーグルアイ】については単純に強くなった、【計算】についてはよくわからないがレベルが上がってることで何かしらが強化されているんだろうとは思う。
さて、最後に本命の【GunSHOP】だがレベルが7になった事でまず、銃に〝Golf〟シリーズが増えたのでそれを一式そろえた。メインに使うであろうハンドガンにアサルトライフルにスナイパーライフルの3種類だ、全部で450万GPもかかった。
GPについては今までの探索でたまりにたまって2000万を超えていたのでちょうどいい消費になったと思う。
他には防具も増えていたが今は困っていないので今回はスルーだ。
後は車両が買えるようになっていた、といっても戦車などが買えるようになったわけでは無くよく見るトラックやジープなどの車両だ。
多分今後レベルがあがると戦車とかも買えるかもしれないが、買えたとしても買うか微妙だ。ヘレナがいるからね………まぁその辺は追々考えよう。
他にも買える物は増えていたがケミカルライトなどの消耗品の効果が上がったやつだったり特に注目する物は無かったので紹介はしない。
レベルとスキルについてはこの辺で確認はお終いかな?
「さてと、これを使うか」
そう言って取り出したのは白い不透明の丸い水晶のような物、スキルオーブだ。
金さん銀さんを倒した時に拾ったものになる。
オークションがあるしそれに売りに出してもいいなって一瞬思ったがやっぱり自分で使う事にした。
今のところスキルオーブでは有用なスキルばかり手に入れていて期待していないといえばウソになるが楽しみだ。
「よし、スキルオーブを手に持ってっとよっこいしょー!」
スキルオーブを右手に持ち天に掲げて使用する。
『スキルを獲得しました』
名前:神薙 響 年齢:15
レベル:88
STR:220
VIT:176
AGI:231
DEX:935
INT:8
MND:7
≪スキル≫
<ユニーク>【GunSHOP】Lv:7
<上級>【空間庫】Lv:7
<スキルリンク>【野営地】Lv:3
<特級>【射撃】Lv:6
<上級>【銃術】Lv:2
<上級>【堅忍不抜】Lv:─
<上級>【気配感知】Lv:5
<中級>【遠目】Lv:─
<スキルリンク>【イーグルアイ】Lv:10
<ユニーク>【風読み】Lv:─
<上級>【計算】Lv:1
<中級>【体術】Lv:8
<ユニーク>【制御:機械種マギア】Lv:─
<スキルリンク>【格納庫】Lv:─
New<上級>【水中呼吸】Lv:1
「【水中呼吸】………?また微妙なのがきたなぁ」
使えない事は無いが使いどころが限定的すぎる。
【水中呼吸】
<水中内で一定時間呼吸が可能になる、スキルレベルにより呼吸できる時間が伸びていく>
一応水中がメインのダンジョンは存在するのだが俺の扱う銃とは相性が悪い気がする、水中では銃が使えないのは有名な話だからだ。
「どうするか………」
いつか使う時がくるのかな?【水中呼吸】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます