第7話 スキルリンク
7.スキルリンク
名前:神薙 響 年齢:15
レベル:4 → 5
STR:12 → 13
VIT:7 → 9
AGI:10 → 11
DEX:18 → 21
INT:8
MND:7
≪スキル≫
<ユニーク>【GunSHOP】Lv:1 → 2 ▽
「今回は盾を持って戦ったからかVIT値が上がってるな、そして相変わらず上がり続けるDEX値……どれだけ器用になっていくんだ?」
STRの数値が上がっていくと力が強くなるって言うのは目に見えて分かりやすいのに、器用値は実感しにくい。やっぱり射撃が当たりやすくなったりするのかな?
続いて【GunSHOP】を開いて確認してみる。
<ユニーク>【GunSHOP】LV:1 ▼
Lv:1 <GunSHOPを開いて売買が出来る> ▽
Lv:2 <GunSHOPが新しい商品を入荷>
「おぉ、新商品か。気になるけどここで確認するのは時間が無いな」
新商品については家に帰ってから確認しよう。次は巣に宝物が無いか確認だ。
「どうやって確認しようかな…流石に手を突っ込みたくは無いな」
『一角兎』の巣はそこまで大きくないので手を突っ込めば奥まで手が届きそうに見えるけど穴の中は真っ暗で何があるのか分からない恐怖があり、少し怖い。
「解体するか?」
取り合えず手で巣の上部をつかみ持ち上げてみる。
「よいしょっと……きり無いなこれ」
持ち上げてみたが、手で取れる木の数は巣の総量に比べるとかなり少ない。切り崩した方が早そうだ。
「何か棒状の物が欲しいなぁ……あ、剣があったな」
戦いの場では出番が無かった片手剣……本来の用途とは使い方が違うが他に使い道が無いので仕方ない。
腰から片手剣を鞘に納めたまま取り出し巣の解体をする。切り崩すたびに大きな音をたてるが気にしない。
「お?まじか!?スキルオーブだ!」
Gランクダンジョン踏破時に手に入れたあのスキルオーブと見た目が一緒ですぐにわかった。
一発目の巣から大当たりだ。
「まじかぁ、出るとは思わなかったな。運が上振れしたか?他の巣にも何かあったり……」
スキルオーブを誤って使わないようにすぐにカバンに入れて早速他の巣を切り崩す。
◇ ◇ ◇ ◇
「はぁ……そんな都合のいいことなんて無かった……まぁ一個だけでも大当たりがあればいい方か」
5つある全ての巣を破壊したが出てきたのはよくわからない木の実や、そもそも何もない事もあった。
巣を破壊するのはなかなか重労働で疲れた。
肉体的に疲れてるところに巣の中に何もないという精神的にもつかれるのでさらに疲れてる。
博打のようなわくわく感はあるが一日で何か所も巣を攻略するのは無理だな。
「取り合えず帰ろう」
スキルオーブの中身は気になるが疲れているので家に帰ってから確かめる事にする。
置いてあった『一角兎』を持てる分だけ背負い残りはGPに変えていく。ステータスが上がったからか持てる数が増えていた。前は5~6匹が限界だったが、今は8匹持てている。
『一角兎』は全部で13匹いたので残りの5匹をGPに変えて40GPになった。これで今あるGPは231になった。
森を歩き草原にでて、そのままダンジョン外へ出る。ちらほら他にも人がいてそれぞれ狩ってきたのか荷物を持っている。
『日本ダンジョン協会山野支部』に入り売却窓口を目指す。
カウンターには箱が置いてありそこへ冷却ジップロックに入れた『一角兎』をいれることにより自動的に状態などを確認し売却額を表示してくれる。
この箱には入れた物を自動的に鑑定する魔法が掛かっている魔道具と呼ばれる物だ。
小説やアニメなどの空想上でしかなかった魔道具、そしてそれらを作る新たな職業錬金術士これもダンジョンが現実になった影響で出来たものだ。
魔道具を作るのに役立つスキルなどもある。
ピッ『2400円』
「相変わらずやっすいなぁ」
一匹300円、それが『一角兎』の値段だ。血抜きをして冷却ジップロックに入れてこの値段なので、血抜きもせず買取にだすともっと値段がさがる。
これだけ安いのは『一角兎』の倒しやすさや食肉になるためFランクダンジョンだからなど色々な理由がある。
これがもっと高ランクのダンジョンになると魔物が一匹数万円から数十万で買い取られたりする。
指輪型のライセンスをかざして売却料金を自分の口座に入金する。これだけ安いとバイトをした方が稼げそうだが。たしかにお金を稼ぐだけならバイトする方が早いだろう。けどダンジョンに潜ってレベルを上げるのはお金に変えれない楽しさがある。
「よし、帰ってお楽しみのスキルオーブだ」
◇ ◇ ◇ ◇
「ドキドキするなぁ」
家に帰ってからお風呂に入り、銃の点検などをした後早速スキルオーブを使うためリビングのソファーへ座る。
手に入れたスキルオーブは透明でFランクダンジョンで手に入れたのと同じ見た目だ。
スキルオーブには色んな色があるらしいが今の所見たことあるのはこの透明のやつだけだ。
色があるスキルオーブだとその色によって手に入りやすいスキルがあったりするらしいが結局はランダムなので運次第だ。
ただそういったスキルが手に入りやすいっていう感じがするだけで統計なんて出すのはもっと何年も後になるだろう。
スキルオーブを手に取り眺める。
「よし、いくぞ!」
スキルオーブの使用を念じる。
『スキルを獲得しました』
名前:神薙 響 年齢:15
レベル:5
STR:13
VIT:9
AGI:11
DEX:21
INT:8
MND:7
≪スキル≫
<ユニーク>【GunSHOP】Lv:2 ▽
<上級>【空間庫】Lv:1
「おぉ!欲しかった【アイテムボックス】系のスキルだ!」
『スキル【GunSHOP】とスキル【空間庫】が共鳴し、スキルリンクが発生しました。スキル【野営地】を獲得しました』
「えっ!?」
名前:神薙 響 年齢:15
レベル:5
STR:13
VIT:9
AGI:11
DEX:21
INT:8
MND:7
≪スキル≫
<ユニーク>【GunSHOP】Lv:2 ▽
<上級>【空間庫】Lv:1
<スキルリンク>【野営地】Lv:1
「うぉぉぉぉ!スキルリンクだぁぁぁぁ!」
思わず立ち上がり叫んでしまった、それぐらい衝撃的な事だった。
スキルリンクとは異なるスキルが共鳴して新しいスキルが生まれる事だ。相性が良くないとスキルリンクしなかったりよくわからないスキルの組み合わせでリンクしたり。詳しい仕組みは分かっていない。
そんなスキルリンクにも有名な組み合わせがある。初級スキルの【剣術】と上級スキルの【縮地】がスキルリンクして獲得できる【一閃】スキルだ。
【一閃】スキルは動きが早く避けるのも困難で、さらに武器は刃がついていればどの武器種でも使えるという便利さで圧倒的人気がある。
しかもスキルリンク技を持っていると高ランク探索者になりやすいという話があるほどだ。
「おぉぉぉぉぉ……って【野営地】?ってなんだ?」
興奮から少し落ち着いてよく見ると手に入ったのは【野営地】というスキルだった、名前だけでは意味が分からないのでスキルの詳細を開いてみる。
<スキルリンク>【野営地】Lv:1
異空間に野営地を作る。スキルリンク効果により拡張することができるようになっている。
「異空間に野営地……?説明見てもよくわからないな、使ってみるか。たしかこういったスキルは魔法と一緒で意識すれば使えるんだったか?」
魔法や【縮地】など自分の意思で発動するスキルは多い。発動の仕方はスキルを手に入れた段階で理解するらしい、が……あ?これか?何か何となく使い方がわかる。
片手を前にだし【野営地】スキルの発動を意識すると足元に黒い円状のもやもやしたものが出てきた。
「うわっ何だこれ、底なし沼……?」
黒くもやもやしていて底がみえない。円の範囲は人が一人なら十分入れるぐらいの大きさがある。
「入るのに勇気がいるなこれは……」
海の底が見えなくて怖い、そんなぞわぞわとした恐怖を感じる。
「男は度胸!いくぞ!」
目を閉じて黒い渦に飛び込む。
「いてっ」
階段を数段飛ばしたような浮遊感があり、着地に失敗して尻もちをついてしまった。
転んだ拍子に開いてしまった目で周りを見てみる。
「すごい……何だこれ」
【野営地】スキルの異空間内には青空が広がっており太陽がさんさんと輝いている、地面はごつごつとしていてあまりいいとは言えないが。ただ異空間内は広いので、テントなどを持ち込めばここで野営することも可能に見える。
だから【野営地】って名前のスキルなのかな?
立ち上がり、後ろを振り返ってみると。そこには地面ではなく空中に浮かんだ黒い渦があった。
「ここから外にでるのか?渦は出っ放しなのか……?よくわからない渦だなぁこれ……あれ?何だこれ?透明な壁?」
渦を調べてみようと軽く触ると円のふちあたりから透明な壁でもあるのか手がそれ以上奥にいかない。さすがに見えてる範囲全てが【野営地】の土地だとは思ってなかったがやはりここはダンジョンにあるフィールドと同じような異空間になっているようだ。
透明な壁に手を付いて【野営地】スキルの土地の範囲を歩いて調べ始める。
数分か十数分、それなりに歩くともといた渦の所まで戻ってこれた。調べた感じ【野営地】スキルの異空間内は直径50メートルぐらいの円になっていることがわかった。
「結構広いし色々できそうだ」
【野営地】スキルの使い道ですぐに思いついたのは射撃訓練だ。今は家の庭で射撃訓練しているが多少なりとも他人に被害が行く可能性はぬぐえない。誰もいない事を確認してから訓練しているし〝訓練用非殺傷ハンドガン〟は攻撃力が無いとはいえ銃という見た目がよくない。自分が安全だと分かっていても相手にはそれが分からないからだ。
そういった理由全てから、ここなら問題を解決できる。少なくともここには多分俺以外の存在がいないし安心して訓練できる。
それに今後探索者を続けていく上で安全地帯があるのは大きなアドバンテージになる。
「後は気になるのはコレか」
異空間の広さを調べてたから触れてなかったが、渦の横にそこそこでかいディスプレイがついた機械っぽいのが地面から生えている。高さはちょうど胸のあたりぐらいで画面が斜めになっている、立ったまま操作できるようになっているみたいだ。
画面には何も表示されていないので取り合えずタッチしてみる。
ピッ
Lv:1【野営地】▼
環境:▼
〝現在所有している土地の指定された範囲を草原へ変更する〟30GP~▽
〝現在所有している土地の指定された範囲を荒野へ変更する〟30GP~▽
〝現在所有している土地の指定された場所へ池を追加する〟50GP~▽
〝現在所有している土地に山を追加する〟100GP~▽
〝異空間の天候を変更する〟20GP~▽
・
・
・
家:▽
表示のされかたは【GunSHOP】と同じだな、それにGP使うところも。
ちょっと高い気もするがまぁ高すぎず低すぎずいやらしい値段だ。
ってか家って、今後テントも必要なくなるのか?まぁ用意する前に分かったと思えばいいのかな?
「色々増えて楽しみだなぁ」
◇ ◇ ◇ ◇
【野営地】スキルの異空間から戻りリビングで【空間庫】のスキルも確認する。
【アイテムボックス】系の空間を操るスキルはその特異性と人気の高さからほとんどの情報がネットに転がっている。
【空間庫】スキルも例にもれず詳しい内容がネットに乗っていた。
例えば【アイテムボックス】のスキルは空間内が仕切られており種類や大きさにより入れられる数が決まる。
そして今回手に入れた【空間庫】は空間内に仕切りはなく、大きい部屋がひとつ。ぽつんとあるイメージだ。
簡単に言うと【アイテムボックス】はクローゼットいっぱいに隙間なく詰め込まれたボックスがあるイメージ。
【空間庫】は6畳一間がある感じだ。
小さい物なら【アイテムボックス】の方が多く入れられるが。一つの大きさが大きいものは【空間庫】のほうが入れやすい。
贅沢を言えば両方手に入れて使い分けたいが。空間系のスキルは持っているだけで大手のクランに誘われるぐらい有利なスキルなのでわがままは言えない。
今後スキルレベルが上がっていくと6畳一間だったのがどんどん大きくなっていくし【野営地】スキルと一緒で今後が楽しみだ。
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