動物について

「はぁーい、皆さん、こんばんみ~」

「こんばんみ~」

「こんばんは」

「どうも」

「はいはい、闇鍋座談会も、これで三回目! 前回が一年半空いての開催だったけど、今回は一週間くらいでお呼びがかかったよ!」

「メンバーも変わらずだな」

「そうだね。司会も、また僕、冬月雪兎が担当するよ」

「で、今回のテーマは何なん?」

「動物についてだって」

「何か漠然としてるね」

「最初は評論として真面目に書こうと思ったけど、こう座談会方式にした方が楽しんでもらえるかなっていう話だよ」

「論文みたいな文章苦手やもんなあ」

「じゃあ、まず手始めにこの質問から。皆、ペット飼ったことある? 僕は小熊をペットにしようとしたけど、何か許可とか面倒臭そうなので止めました~」

「わいはないな」

「俺もない」

「僕もない。ていうか、僕の場合、僕が狐の物の怪だからなあ」

「そっか。雨月君はお狐様だもんね。動物が動物を飼うことはしないか」

「皆ないんだな」

「そだね。じゃあペットショップについて、どう思う?」

「可愛い犬、猫、小動物が見れるところやね」

「俺は命をお金で買うことは反対だな」

「おっ、社会派だねぇ、そういう意見待ってた」

「確かに他の先進国ではペットショップで生体販売をしなくなったところもあるな」

「ブリーダーから直接譲り受けたり、保護犬や保護猫の選択肢もあるよね」

「作者の飼ってる猫も繁殖引退猫で保護猫だよ」

「官兵衛可愛いよな」

「まあ官兵衛のことは絵本を参照してもらって」

「固定ツイート見てね~」

「突然の宣伝」

「ペットを飼うこと自体はいいと思うよ、俺は。何か幸せになれるらしいじゃん」

「確か幸せホルモンであるオキシトシンが分泌されるんだっけ」

「せやで。わいは飼うなら犬かなあ。一緒に散歩すれば運動不足も解消できそうやし」

「僕は許可とかそういうのいらないなら熊かなぁ、やっぱり。芸とか仕込みたいじゃん」

「おい、犬猫二元論じゃないのかよ」

「じゃないね」

「なら、そうそう『エンジェルデイズ』だと天使のパートナーに喋る動物が付くんだぜ。うちはモモンガだった。まあ今は人間の姿になってるけど」

「動物姿も人間姿も楽しめて二度オトクだね」

「逢坂さんは犬、僕は熊。じゃあ雨月君とノインさんはパートナーにする動物なら何がいい?」

「う~ん、僕は同じイヌ科でカッコいい狼とか」

「俺は鳥とかがいいかな。飛べるし。葉月が天使なのに数センチしか浮かないの」

「葉月ちゃんは、その内成長するんじゃないかな」

「まあ、これから楽しみにしといてくれ」

「じゃあ、話題を変えて次はアニマルセラピーについて。実はアニマルセラピーって古代ギリシアの時代からあったって知ってた?」

「そりゃ知らへんかったわ」

「心が疲れた時とかアニマルセラピーがあるといいなって思うよ」

「僕は自分の尻尾で充電できるし」

「ええなあ、雨月君」

「アニマルセラピーしかり盲導犬や聴導犬みたいに働くワンちゃんもいるよね。本当賢いよ」

「俺は実際には見たことないんだが、偉いよな、きちんと働いていて」

「親の遺産を食い潰してる僕とは大違い」

「え、何、雪兎君、働いてないの?」

「ハンター業が1割、残り9割は親の遺産」

「雪兎君の親の遺産食い潰してる発言は、今回の議題の趣旨とは異なるから目を瞑るとしようや。というか、ハンター業やってるなら、動物の命と一番密接に関わってるの雪兎君やん。どうなん、ハンター業?」

「うん。命を頂くってことを肌に染みて感じるよ。自分で命を奪って、毛皮をもらったり、お肉として食べたり」

「俺も今はインスタント食品とかに逃げてるが、ハンターやってみようかと思った時期あるんだよ。命を頂くってことを葉月達に教えるのもいいかもしれねえな」

「僕も最近、命について考えさせられる事件があったよ。雄ヒヨコの怨念の集合体が農場で大暴れしたんだ」

「確か、雄ヒヨコって食べられもせずにすぐ殺されるんだっけ」

「そう」

「酷えな」

「わいらの所に卵が届けられるまでに、そんな悲しいことがあったんやな。やっぱり食育の授業って大事やな。わいも今度、職員会議で提案してみるわ」

「そうだね。僕も吉野や春ちゃんとかに話してみようかな。じゃあ、食や動物に対して教育的アプローチをしていくってことで、今回の座談会はお開き! またいつか~」


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闇鍋 夢水 四季 @shiki-yumemizu

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