第7話 デート.....?
☆矢川小春サイド☆
お兄ちゃんがお兄ちゃんで無くなっている。
私の大切なお兄ちゃんが。
全てを戻さなくてはならないだろうと思われる。
全てはあの女のせいだ。
どうしたものか、と思う。
私は逃げてしまったお兄ちゃんは追わず。
そのままお兄ちゃんの為に食事を用意していた。
大雨が降っているが大丈夫だろうか。
そんな事を考えながら。
お兄ちゃんは徐々に侵食していこう。
そして全てを私のものに。
そんな事を考えながらドアが開く音がしたのでお兄ちゃんを迎えに行く。
お兄ちゃんは私を見てから、.....小春。アイス買ってきたが.....食べるか、と聞く。
私はその言葉にアイスを受け取りながら笑みを浮かべる。
するとお兄ちゃんは予想外の言葉を発した。
「なあ。.....その.....小春は何か思い詰めているのか?」
「.....?.....何を?」
「.....お前.....どう考えても異常だと思う。お前の行動が」
「.....私の行動?いやいや。私よりもあの女.....じゃなかった。.....凪島先輩の方が異常でしょう?」
「.....まあそうなんだが.....でもなぁ.....」
俺としてはお前の行動もそこそこおかしくなっている気がするが、と一生懸命に語ってくるお兄ちゃん。
やはりこれは異常だ。
あの女のせいだな。
私はそんな濡れた頬に触る。
それから瞳孔を開いた。
何でそんな事を言うのだろう。
私はちっとも異常では無いのだが。
何処が異常なのか逆に知りたい。
「私は普通。そういうの全部.....凪島先輩にたらし込まれたんだね?絶対に許せない」
「.....い、いや。凪島さんは.....その.....異常じゃないよ?」
「大丈夫だよ。お兄。.....私が全て守ってあげるから。凪島先輩から」
「い、いや.....だから.....」
「私に任せれば大丈夫だって」
そうだ。
私の身も心も全部.....お兄ちゃんの為にある。
そもそもお兄ちゃんが居なければ私はこの場に居ない。
自殺していた可能性もある。
思いながら私は笑顔になってからお兄ちゃんを抱きしめる。
「.....大丈夫。お兄ちゃんは私だけを見ていれば良いの」
「.....小春.....」
「.....凪島さんが全部問題なの。.....だから凪島さんとはもう話さない方が良いよ。なんなら明日休んだら?頭を冷やす為に」
「明日.....でも.....」
「私もサボるから。.....ね?お兄」
そして私はお兄ちゃんを見る。
しかし、と言い淀むお兄ちゃんに、大丈夫だから、と言い聞かせる。
それからそのまま明日は休む事になった。
風邪を引いた、という事にしたのだ。
正直、皆勤賞を狙っていた私にとっては痛手だが。
だが私はお兄ちゃん以上に大切なものはない。
だから全てはこれで良い。
あの女が.....全てを狙う前にお兄ちゃんを落とすつもりだ。
このままキスでもエッチでも。
どっちでも良いがしたい。
まあエッチは早すぎるかもしれないが。
☆凪島胡蝶サイド☆
してやられた。
今日は.....学校を休むべきだった。
聞いた噂によると兄妹2人共に休みらしい。
この間に落とすつもりかあの女。
女狐め。
「.....」
早退したい。
私は考えながら外を見る。
だが.....親からの条件でそういう事は出来ない。
そもそも既にかなりの迷惑を掛けている。
これ以上の迷惑は掛けられない。
「.....クソ女が.....」
そんな事を呟きながら私は外を見る。
それからGPSを見る。
この機能を矢川くんに着けようと思ったが。
そんな事をして嫌われては意味が無い。
既に私の事は敵として見られている可能性がある。
「.....クソめ」
あまりに腹が立ち過ぎて気が狂いそうだ。
呟きつつ立ち上がる。
それから私は外を見る。
何も起こらなければ良いが。
このまま何か起こったら.....というか起こすかもしれない。
私はそんな最悪の事を思いながら外を見る。
そして盛大に溜息を吐く。
困ったものだな.....どうしたものか。
と思ったがその中でハッとした。
実家に親が帰って来ない日だ。
「.....まだまだ勝ち目はあるじゃん」
そんな事を呟きながら。
私は鞄を持ってから腹痛という事で早退した。
それから私は急いでから服屋に向かう。
そして着替えた。
何故こうするかといえば時間が早過ぎる。
「.....よし」
そして制服を鞄に詰め込んでから。
そのまま店の外に出る。
それからスマホで電話を掛ける。
一瞬でも繋がってくれればそれで勝ちだ。
何故なら。
『も、もしもし?』
「.....あ。矢川くん。げん.....」
だが直ぐにスマホが切れた。
どうやら側に小春が居る様だ。
あの女狐め。
私は考えながらGPSを起動させる。
今の履歴でスマホの位置情報を収得するのだ。
「.....成程ね。.....駅か」
そんな事を呟きながら。
私は偶然を装う為に駅に最短距離で先回りで向かう。
それから服装を整えてから.....矢川くんに会った。
矢川くんは酷く驚いており。
「.....」
小春は私を見ながら真顔になっていた。
怒りの目ではない。
死んでいる。
つまり.....予想外だった、という事だ。
「偶然だね」
「.....な、何で.....?」
「今日は病院帰りなの」
「.....あ、そ、そうなんだ」
小春は私に死神の様な目を向けてくる。
私はそんな事に構わずに矢川くんを見る。
矢川くんは慌てていた。
そして私を見ながら赤くなっている。
それはそうだ。
とっておきの可愛い服装だから.....である。
見惚れてほしい。
そこのクソアマより私が良い事を知ってほしい。
「.....凪島先輩。ここまでするんですね」
「?.....何の事かな?」
「.....私達の場所を知っているのがおかしいでしょう。.....何をしたんですか」
「偶然だけど?」
「.....」
小春は思いっきり私を睨むが。
私はすっとぼけた。
何も異常ではないのだ。
そう。
私は矢川くんが好きなだけだから。
貴方は私以外の場所に行ってはならない アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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