第4話 歪んでいる愛情共に
「何をしに来たんだ?小春」
「.....別に。来て悪いの」
小春が喋らないので4時限目の休み時間にそのままなってから俺達は場所を変えて話してみる。
屋上にやって来たのだが。
それから小春を見る。
小春は真顔のまま俺を見てくる。
俺は汗を噴き出した。
「.....いや。何の用事かと.....」
「.....お弁当忘れていたから届けに来た」
「.....あ.....成程な。.....有難う」
「別に。これぐらいは兄妹だから」
「.....兄妹とはいえまあ.....持って来てくれて嬉しいよ」
「.....」
小春は、じゃあそれだけだから、と踵を返す。
それから去って行こうとする。
その姿に、小春。有難うな、と笑みを浮かべて反応する。
するとボソッと何か言った.....。
小春に聞き返そうとしたがそのまま去って行く小春。
「.....???.....何だったんだ?」
俺は思いながらそのまま弁当を見ていると。
ガチャッとドアが開いた。
それから凪島さんが顔を見せる。
手を振りながら俺に挨拶をしてくる。
すると凪島さんが上目遣いで見てくる。
「何の話だったの?」
「.....な、何の話って言っても.....兄妹の話だよ?」
「.....そう。兄妹の話だったんだ」
ドキドキしながら凪島さんを見てみる。
凪島さんは納得しながら俺に向く。
それからニコッと笑顔を浮かべてからこう聞いてくる。
ねえ。義妹ちゃんだよね?.....好きなの?、と。
俺は、え!!!!?いや!?、と否定する。
「.....そうなんだ?でも怪しいなぁ」
「.....いやいや!兄妹だし!無い無い!」
そんな感じで否定していると凪島さんの目が.....笑わなくなった。
でも凪島さんは笑顔を見せる。
な、何だ.....?、と思いながらだったが凪島さんは、まあそう言わないで。本音を言って?、と聞いてくる。
俺は青ざめながら、本音も義妹だから、と答えると。
ホッとした様に凪島さんは離れた。
「.....良かった」
「.....な、何が?」
「ううん。何でもない」
それから凪島さんは、じゃあお昼ご飯一緒に食べよう、と切り出してくる。
俺は、え!!!!?、と思いながら凪島さんを見る。
嫌なの?、と凪島さんは不愉快そうな目をする。
俺は、い、いや!?そういうのじゃ無いけど!、と慌てる。
何で俺なんかと?
「私は君と一緒が楽しいから。好きだから」
「.....そ、そうなんだ。でも俺なんかを好きになっても意味無いよ?楽しく無いよきっと」
「良いの。私は貴方が好きだから」
「.....え.....ええ.....」
まあそれならそれでも良いけど.....、と思いながら俺は頬を掻く。
話が噛み合ってない気がするがもう良いや。
何だか幸せな感じがするし。
思いながら俺は凪島さんと食事した。
☆矢川小春サイド☆
恐らくあの女は.....あのクソ女狐は。
私のお兄ちゃんが好きだ。
だが私はどうだろうか。
お兄ちゃんが好きだが.....手出しが出来ない。
そんな根性が無いから。
悔しいものだ。
正直.....私が好きな人を取られるとぶち殺したくなる。
あの女狐。
私は思いながら感情を苛立たせつつ廊下を歩いていた。
こんな感情しか出せない私を妬ましく思う。
お兄ちゃんが私だって好きなのに。
思いながら.....私は歩く。
お兄ちゃんを好いているからこそ。
より完全に抹殺したくなる。
恐らくだがあの女狐もきっと私と同じ様な性格だ。
多分.....ヤンデレというヤツだろう。
私の場合は少しだけサイコパスかもしれない。
「.....こうなったらどんな手段でも手に入れてやる。私が.....何故この学校を選んだのか全部分からせてやる」
私は全てを屈服させても好きな人を手に入れてやる。
お兄ちゃんという存在を.....そしてお兄ちゃんの世界を。
私に溺れさせてあげるのだ。
この私という魅力的な女が側に居る事を分からせてあげないと。
その全ては私の手中になる為にある。
「.....どうしたものか」
そんな事を言いながら私は顎に手を添える。
先ずはこの性格をどうにかしないと。
あまりにも卑屈すぎる。
そして全てが全然ダメダメだ。
このままでは取られて当然だと思う。
「あの女から奪い返さないと.....」
私は考えながらそのまま1年生の教室に歩いてくる。
それから私は友人達と会話を始める。
そして屋上を睨んだ。
この程度で出し抜けると思うな。
あの女狐め。
今はぐうの音も出ないかもしれないが。
私は必ず全てを反転させる。
180度回転させる。
この状況を、だ。
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