第3話 アハハ.....。

凪島さんの事は好きには今はならない。

何を言っているのかと思うがこれは簡単に言うと凪島さんと俺では釣り合わない。

そういう意味で言っている。

つまり俺は凪島さんを好きになる事は無いという事だ。


だがその天空の上の様な彼女に告白された。

俺は!?と思いながら凪島さんを見る。

凪島さんは俺に熱中するかの様な愛の告白をしてきた。

何故こんな俺を好きになっているのか全く分からないのだが。


「.....」


俺は部屋でラノベを読む。

そしてアニメ鑑賞をしていた。

これは俺にとっては仕事の様なものだから全く苦痛ではないが今日はまあ何だか複雑な思いだ。

つまり凪島さんの事である。


俺は凪島さんの事を思いながら目の前のアニメを観る。

しかし全く頭に入ってこない。

困ったもんだな、とは思う。

女子から告白されるとこういう.....、とそこまで考えた時だ。


プルルルル!


「うわ!?」


いきなり何か.....電話が掛かってきた。

俺はそんな電話にひっくり返るぐらいビックリしながらスマホを落としながら手に持ってみる。

すると.....その相手は凪島さんだった事が分かった。

俺は直ぐに凪島さんに繋ぐ。


「も、もしもし?」


『もしもし?矢川くん?私だよ。胡蝶』


「う、うん。凪島さんだよね?ど、どうしたの?」


『それは勿論。矢川くんと話したかったからだよ』


「話したかった?俺と?」


『そうだよ。だって告白した相手だから』


その言葉に赤くなってしまう俺。

それから、ま、まあそうだね、と返事をする。

そして、君も魅力的だよ、と返した。


何というか曖昧になってしまう。

だけどそれでも一生懸命に返事をしたつもりだ。

そして俺は凪島さんの返事を待ってみる。


『.....アハハ。矢川くん。やっぱり君は魅力的だね.....』


「み、魅力あるかな?」


『あるよ。だって.....私が魅力があるって言っているんだから』


「.....そ、そうだね」


『.....で。良かったらだけど私の家に来ない?今度』


「え!?.....い、いきなりだね.....家の人が許すの?」


私の家はアパートなの。

だから私の家はフリーだよ、と笑顔を浮かべた様に返事をする。

俺はその言葉を聞きながらまた赤くなる。

それから、で、でも、と困惑する。

するとその困惑している中で、ねえ。女の子の家に来てみたくない?、と艶かしく誘惑する様な事を言ってくる。


「行ってみようかな.....じゃあ」


『うん。来て来て!絶対に後悔はしないから!』


電話はそれから、じゃあまた今度、という感じで切れた。

その言葉に俺は胸が弾む。

凪島さんも胸が弾んでいる様だが.....。

まあこれなら良いかな。


考えながら俺は思っていたが。

そういえば、と考える。

何故.....女の子を一人暮らしさせているのか。

俺は思いながら顎に手を添える。


「何でかなぁ」


そんな事を言葉にしながらそのまま俺はスマホを置きながら。

アニメも止めてから考える。

そして置いてあったラノベを見ながら窓から外を見る。

そこには.....綺麗な三日月があった。

ふむ、と思いながら俺は考える。



因みに俺には義妹が居る。

何というかあまり仲良くない。

まあ義妹というものはそんなものだろう。

そう考えながら俺は翌朝になって起き上がる。


「ふあ.....」


そしてそのまま洗面所に向かう為に下に降りる。

それから洗面所に入って準備をしてから。

リビングに向かう。

そこに俺の義妹の小春(こはる)朝食を準備している姿があった。


「.....おはよう。小春」


「.....おはよう」


俺はその言葉を受けながら椅子に腰掛ける。

そう一言だけ言ってからロボットの様に黙々と準備をする。

相変わらず必要最低限の事はしない様だ。

俺は横から完璧な美少女を見る。


清楚かつ.....笑顔を一切浮かべない少女。

昔の服なら何でも似合うと思う少女である。

まあ今の服もそうだけど。


「今日も朝食.....有難うな」


「.....」


相変わらずだが何も言わない。

そして真顔のまま準備をする小春。

それからトーストサンド?の様な朝食を持ってくる。

俺はその姿を見ながら欠伸をする。

そうしてからいつもの様に食べようとした時。


「お兄」


「.....はい?」


「.....彼女.....出来たの」


「.....え?.....い、いや?告白はされた。.....でも彼女じゃないよ?」


「.....そう」


その会話は短い時間で終わってしまった。

俺は???を浮かべながらそのまま小春を見る。

小春は真顔のままだった。


そんな姿を見ながら俺は首を傾げる。

何が起こっているんだ?

あの小春がこんなに喋るとは、と思う。


「小春。どうした?」


「.....」


それでも無言.....か。

俺はそう思いながら小春を見る。

すると小春は遅れながら、どうもしてないから、と言ってから。


そのまま何時もの様に先に学校に登校をして行った。

生徒会をやっているのだが.....。

俺はその姿を見送ってから顎に手を添える。

ふむ、と思いながら。



「おはよう。矢川くん」


「お、おはよう御座います。凪島さん」


「今日も元気そうで何より」


「そうだね.....有難う」


クラスで会話をする俺達。

ニコニコする凪島さんを見ながら俺は赤くなる。

それから俯いていると。

クラスメイトが、恋人みたいだねぇ、とツッコミを入れてくる。

俺はクラスメイトに、そうかな、と返事をする。


「恋人っていうか.....夫婦になりたい気分だよ」


「.....ちょ、ちょっと.....」


俺は汗をかきながら凪島さんを見る。

凪島さんは、分かってる。今は秘密だから、と笑顔になる。

俺はその姿を見ながらホッとする。

すると.....教室のドアが開いた。

それから1年生が現れる。


「.....って.....」


「.....」


小春!!!!?

何しに来たのか小春が立っている。

俺は驚愕して思いながら見てみる.....すると。

何か.....凪島さんの目が変わった。

そして笑顔になる。


「ど、どうしたの.....凪島さん.....?」


「?.....どうもしてないよ?.....アハハ」


その姿を見ながら真顔のまま反応する小春。

初めまして。凪島先輩。私は矢川小春です、と挨拶する。

それから顔を上げて少しだけ顔を顰める。

な、何だ.....何が起こっている。

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