第2話 大好き.....♡
何かがおかしいと思うけど実際何がおかしいかは分からない。
俺は考えながら質問攻めの日を終えてそのまま帰宅の途に着く。
すると校門に凪島さんが居た。
俺に手を振りながら立っている.....え?
「さっきぶりだね」
「う、うん。そうだね.....どうしたの?凪島さん」
「そうだねぇ。一緒に帰ろう」
「.....え!?」
俺は!?と思いながら凪島さんを見る。
すると凪島さんは、何だか一緒に帰りたい気分だから、と俺に寄って来る。
その姿に赤くなってしまう俺。
それから凪島さんと一緒に帰る羽目になってしまった。
凪島さんは心底嬉しそうだが。
俺なんかと一緒に帰って嬉しいか?普通。
「凪島さん。俺なんかと一緒に帰って楽しい?」
「楽しいよ。君には非常に興味があるから」
「.....きょ、興味?」
「そう。興味。.....それは.....貴方だから」
赤くなる凪島さん。
俺は???を浮かべながら凪島さんを見る。
凪島さんは頬を紅潮させながら見上げてくる。
君は私に興味はない?、と言いながら。
俺は凪島さんを再度見た。
「.....興味っていう.....か。次元が違うから.....俺にはそんな資格は無いよ」
「.....次元が違うっていうのは?そんな事言わないで。寂しいから」
「.....寂しいって.....え?」
「あ。そんな事よりアドレス交換しない?」
「.....え!?ぶっ飛んでる.....」
「良いから。ね?もし学校が休みだったりしての連絡とか、ね?」
俺は顎に手を添えて、それもそうか、と思いながら凪島さんと連絡先を交換した。
それからまた凪島さんを見る。
凪島さんは本当に嬉しそうな顔をしている。
そして俺を見上げてくる。
「有難う」
「.....お礼を言われる筋合いはないよ。.....そもそも俺が有難うって思ってる。女子と連絡先を交換したのは.....久々だから」
「え?久々なの?もしかして私以外の女.....じゃなくて女子が居たの?」
「まあ彼女じゃ無いけどね。.....居た事は居たよ」
「へえ.....そうなんだ」
何か.....かなり変貌した様な笑みを浮かべる凪島さん。
暗黒の様な笑みだ。
俺は首を傾げながら凪島さんを見る。
すると凪島さんは、その女子はどんな人なの?、と聞いてくる。
思い出しながら、そうだね。不思議な魅力的な人だった、と答えた。
「.....そうなんだ。名前は?住所は?」
「え?.....いや.....それはもう分からない。中学生の時の話だから」
「そうなんだ。.....へえ.....」
「.....な、凪島さん?」
「私は.....その女よりも魅力的だと思うけどなぁ?」
言いながら俺を見てくる凪島さん。
そしてちょっと怖い笑顔を向けてくる。
な、凪島さん?
俺は思いながら凪島さんを見る。
凪島さんはニコニコしていたが何か物騒な笑みだ。
「.....えと.....」
「私は.....そもそも君が好きだから」
「はい!?.....え!?好き!?」
「好きだよ?大好きだからこの場所に来たの。.....貴方の為に」
「え?好きだから.....前の学校を捨てたの?」
ちょっと変わり者だな。
俺は考えながら凪島さんを見る。
オレンジ色の夕日が当たる中。
分かれ道に来た。
そして凪島さんは、こっちだから、と笑みを浮かべる。
「あ、じゃあまた明日.....」
「そうだね。また明日ね。明日.....うん」
「.....?」
俺は恥ずかしがる凪島さんを見る。
そしてそのまま駆け出して行く。
その姿に、そういえば家が近所だ.....?、と思ってしまった。
この辺りに俺も引っ越して来たから、と思う。
「.....偶然かな?」
そんな事を呟きながら俺は空を見上げる。
今日も良い感じの天気だな、と思える。
そして俺は凪島さんと一緒に帰った、告白された、という喜びを抑えながら。
そのまま帰宅した。
☆凪島胡蝶サイド☆
正直だが彼に女が昔、付いているとは思わなかった。
ソイツは多分、ゴキブリの様な女だったのだろう。
ああ。愛しの矢川くん。
私は考えながらアパートに帰って来る。
それから部屋の中に入る。
「.....エヘヘ。アドレス交換もしたし.....天下無双ね」
そんな事を思いながら私は目の前のポスターの裏に隠されている矢川くんの写真立てを見る。
決して誰にも渡さない。
私は.....全てを捨ててでも矢川くんが好き。
大好きであり宇宙一好きだ。
そもそも彼が学校から居なくなってはあの学校も藻屑だ。
意味が無い存在となる。
友人も居たが.....そんなものより。
私は矢川くんが居なくなるのが.....困る。
「.....私の愛しの矢川くん.....絶対にその女より幸せにしてみせる」
そんな事を考えながら私はアドレスをずっと眺めていた。
私以外の女の子と付き合わない様に虫ケラは排除しなくてはならないだろう。
矢川くんが私以外の女の子と付き合うと考えるだけで虫唾が走る。
絶対にあり得ないし気持ちが悪い。
殺したくなる。
「.....えへえ.....エヘヘ.....ウヘ.....」
結局私は1時間アドレスを観ていた。
これは異常じゃない。
純愛だ。
ただ単に矢川くんの為に私は居る。
だからこそ矢川くんには好きになってもらわなくては。
私を.....私の身体も心も全部。
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