第32話

「古文書には目が無い。確かにこの奥には700年前の館がそのままあると書かれているところがあった。きっと見たこともないものがたくさんあって、私の研究をずいぶんと進めてくれることだろう」

 グッテンが同意した。


 賢いグッテンのことだから、この奥には何があるのかだいたい予測をしているのだろう。

「私は初めてよ。でも、興味が湧いてくるし、きっと、大勢の病気が治る薬になる薬草がたくさんあるんでしょ。ヨルダン、ねえ、きっとそうよね」

 ロッテはくりくりしている目を輝かせた。

 僕は黄金の至宝を何とかして、探さないといけない気持ちが湧きだした。


 そう……キャサリンおばさんのために……。


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