描くのは、覗き込む暗闇の海。過去に囚われた深い余韻を残す心の旅路。

この作品は、おどろおどろしい世界観が非常に独創的である一方で、海の底をえぐるような深い心理描写が印象的です。頭蓋を開けるという奇抜な比喩を使って、心の奥底にある秘密やトラウマを他者に見せることの脆さと勇気を象徴しています。

読み進むにつれ、彼と主人公の対話を通じて、過去の痛みや混乱が浮かび上がり、共感と理解が深まる様子がわかります。

特に、エンディングで彼が「君の頭の中も過去に囚われていて、ぐちゃぐちゃだ」と言うシーンは、ふたりの間に共通の痛みがあることが感じられ、その深い絆に胸が締め付けられます。

今後とも、ふたりは内面の探索と、過去の影を抱えながら、愛の旅路を続けていくのでしょうか……。恐ろしいながらも、素敵な作品をありがとうございました。