第4話 その身に備わっていた情報 違和感がパネェ
俺は宿を出て村を見て回ることにした。
情報収集、情報収集。
何においても情報収集が大事だ。
先程の食事からしてもあまり発展していないのはわかるだろうが、それでも今自分がどこにいるのか、何処に行けば大きな街があるのか、この世界には魔物とか魔法があるのか、身分制度はどんな塩梅なのかとか、色々調べなければならない。
お金のことに関しては先程意味のわからない力で理解はできたから問題ないけどね・・・・・・ただ、できることならお金以外の一般常識を授けてくれてもいいじゃないかと思うよ。
「ん? これはピンポポ草だ。すげぇ珍しいな。こんなところに生えているな・・・ん・・・・・・」
何気なく道端に生えていた草に手を伸ばす俺。
まるで道端のタンポポが生えていると、認識しているように。
いや、流石に自分でも可笑しいと思うわ。
なんだよピンポポ草って。
こんなピンク色のタンポポみたいなの見た事ねぇよ。
「・・・これはあれか? 女神様?が簡単な野草の見分け方や基本的な狩猟の知識うんたらかんたらを授けるって言っていたから、その影響か?」
先程の様に頭に痛みが伴うことなく、自分の中に元々あった感じでスゲェ不気味。
まぁタダで貰った力なので、文句は言うまいよ。
ただね。
やっぱりね。
「ありがたい事なんだけど・・・欲を言えばやっぱり一般常識が欲しかった」
常識があれば、これからどうすればいいのか、もっと簡単に思いついたと考えてしまう。
「・・いやいや、せっかくの厚意を無下に扱うような言動はするべきではないな。何事も求めすぎては失礼にあたる。普通に感謝しなければ」
元々俺が死んだ理由はあの女神様? にあるのだが、だからと言っていつまでも文句を言っても仕方が無い。
できれば無理やりにでも天国に放り込んでもらったり、転生させてもらえればと思わないでもないが、空きが無かったのだから仕方が無い。
そもそも何の力も授からずに転生するよりマシなのだから・・・多分。
「さてと、一人考えに耽るのはこのくらいにして、情報収集を再開しなければね。まずは酒場へ・・・は怖いので、普通に雑貨屋とか八百屋とかそう言うお店でお話を聞きに行きますか」
旅の準備・・・は一応用意されている? と思うが、自分には何が足りないのか、この世界には何が売っているのかまだまだわからない状況だ。
資金に限りがあるので買い過ぎないように気を付けつつ、有益な情報や、今後金稼ぎに使える情報などを優先的に探そう。
「冒険者ギルドや商業ギルドといった、ド定番の設定があるといいんだけどなぁ~」
そう思いながら情報収集がてらド定番のギルドを探して歩いた。
まぁ、結果は「ギルド? そんなもんはデカイ街にしかないよ!」と言うことになったが。
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