第5話 「いや、これは呪いだ!!!」

「師匠より早く来てしまった・・・」


冒険者ギルドを出た後、俺は師匠と出会った草原に戻ってきた。

何故かと言うと、師匠と別れる前に言われていたのだ。

冒険者登録が終わったら草原に来いと、だから俺は来た早かったらしいが。


「まぁ、準備運動でもしとくか」


◇◇◇


「早かったなレイト」


「はい、思ったよりも早く終わりましたよ」


「まぁ、そんな事はどうでもいい。早速始めるぞ」


「よろしくお願いします」


と言い頭を下げた。


「最初にお主、魔力がどのような物かわかるか?」


「全ての生き物の体内にある物としか・・・」


「まぁ、大体合っとると思う」


と師匠は曖昧な返事をする。

俺はそれが気になり聞いてみた。


「師匠、もしかして魔力がどうゆう物かよく分かってない?」


「そうだ、研究化達が調べておるがよくわかってないそうだ」


俺は、ジト目で師匠を見ながら、ならなんで聞いたんだよ・・・と思った。


「そんな目で見るんじゃない・・・次に魔法は分かるか?」


「体内にある魔力で魔法陣を構築しながら魔法に合った詠唱をして魔法を発動するだったっけ?」


「そうじゃな、まぁ我ぐらいになればイメージがしっかりしとるから指を鳴らすだけで発動できる」


そう言った師匠は指を鳴らしファイヤーボールを出しドヤ顔をした。

見た目14歳身長は146cmぐらいの少女のせいで親に褒めて貰いたい様に見える。

なので俺は、無言で師匠の頭をなでなでした。


「・・・お主何をしておる?」


「師匠の頭を撫でてる、多分呪いだよ」


「お主に呪いはかかってないぞ?」


「いや、これは呪いだ!!!」


「お、おう、わかった」


◇◇◇


俺はあれから10分ほど師匠を膝の上に乗せてなでなでし続ける。

途中から、師匠は俺のなでなでが気持ちよくなったらしく笑顔になっていた。


「それでなんの話しをしてたっけ?」


「魔法についてです」


「そうじゃった、少し手を出せ」


俺は言われるがまま右手を出した。

すると師匠は俺の右手を握り何かを流してきた。


「これが何かわかるか?」


「魔力でしょうか?暖かいです」


「それを、我の補助無しで自分で感じ取り体内に巡らせろ」


「了解です」


◇◇◇


それから俺は、2時間程かけてラノベ知識を活用しながら体内の魔力を感じ取った。

途中で師匠に助言をして貰ったから行けた感じもするが・・・


それからは簡単だった、血が体内を巡るのをイメージしながら魔力を動かした、そしたら出来た。


「師匠出来ました」


「合格だな。次に魔法の発動だ」


「ようやく俺も使えるんですね!」


「魔法の発動には詠唱がいると、お主言ったな」


「はい、言いました。それで師匠が最初に使ったファイヤーボールの詠唱ってなんですか?」


「確か・・・『体内に巡りし魔力よ我の前に居る敵を焼き尽くす炎の玉を顕現せよファイヤー』だった気がする」


師匠が、そう詠唱すると目の前に炎の玉が現れた。


「これがファイヤーボールの元、ファイヤーだ。今は、見せる為に打つ詠唱をしていない。」


「そんな事も出来るんですね・・・ん?ファイヤーボールの元?」


「あぁ、そうだったそれを説明してなかったな。本当は人に教える為にとかでしか教えられないからな」


魔法学校ってもんがあんのかよ・・・

それから師匠は説明してくれた。


「ファイヤーボールって言うのは敵に投げつけて初めてファイヤーボールって言うんだよ。だから打つ前の物をファイヤーって言うだよ。たまに炎の玉って言う人が居るがまぁどっちでもいい」


「へぇ、そう言う事か」


「次に、出したファイヤーをファイヤーボールにする詠唱だ。どっかにスライムは・・・」


と言い師匠は辺りを見回しスライムを探す。

前方7m程の所にスライムは居た。


「あのスライムにこのファイヤーを打つから見ておけ」


『顕現せし炎の玉ファイヤーよあのスライムを燃やし尽くせファイヤーボール』


そう詠唱した後、炎の玉は真っ直ぐ飛んでいきスライムに当たり燃やし尽くし紫色の魔石を落とす。


「これが魔法の発射詠唱だ」

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