第5話
二人の逢瀬は字のごとく沢を挟んで沢の瀬で続いた。蛍に惹かれるがごとく、闇に誘われるがごとく二人は夜の逢引きを重ねた。とはいえ二人はほとんど言葉を交わすこともなく、蛍に煌めく水面を眺め時折互いを見つめあう、そんな清らかで可愛いらしいものであった。それでも二人は永遠にも似た幸せと満足を得ていた。
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