断続的

Rotten flower

第1話

人に永続的に断続的な記憶情報を組み込ませると狂い始める。という研究成果が出たのはつい最近だ。

そもそもそんな、被験者の人権を無視する「マッドサイエンティスト」は現れないだろう。

と社会が話し続けていたことも今では鮮明に思い出せる。モニターを見ると真っ暗な三つの部屋に男が三人。壁には「31、83、13、51、91」が瞬間的に映し出される。そうフラッシュ暗算だ。

彼にはそれを永久的にやらせる。


報酬だってある。三問解くごとに家族に10円が送られる。もちろん銀行にだ。

この研究室には謎の単位、「ガルル」が存在する。被験者はそのガルルを1~100程度使い生活している。食料だってそうだ。

もちろん外出できる権利もある。100ガルルで交換でき過去に15回購入された。観察者がついていくが基本何しても自由だ。家族にあってもいいし、リラックスに競馬を行ってもいい。

1ガルルは一問と交換されるため非常に効率がいいことも被験者にとっては嬉しいだろう。




28、56、128。こんなこともうしたくない。

そう思うと俺は背中から地面に倒れた。きっと睡眠を厳かにしていたのだろう。窓からの光もない。昼か、夜か。

一回答えたらすぐに忘れる。それの繰り返し。みなさんがこの文章をずっと読み続けると飽きてくる。でも、僕らには生存権がかかってるんだ。たとえ飽きてもやらなければならないんだ。

間違えても特に何もなく時間が過ぎていく。沈黙を破り、また機械音が流れ始める。僕の人生はあの「甘い言葉ことのは」で終わるのだ。

機械音は俺の鼓動と共鳴し、その後、目覚めもしない眠りを過ごした。

母親に感謝する時間もなく。

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断続的 Rotten flower @Rotten_flower

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