第10話 断章1
以上が、最初に《すぎゃめつこ》杉山滅子が始めてその異常性を《あらわ》顕にした、最初で最大の事例である。
この後、異常性の消失を我々は確認し、確保する事に成功。
後に詳細は記録するが、異常性を持たない彼女は一般の十代女子と変わらぬ性質を有するため、一般の拘置所に送る事となった。
日本の危機となり得た戦争の中止。
その出来事を加味し、奇跡的な減刑となった彼女ではあるが、事情聴取の結果、犯行動機はスギ花粉に対する怒りである事が判明。
政府は世界各国にこの出来事を隠蔽し、早急に対応を迫られることとなるのだが、今でもその問題は解決に至っていない。
さて、ヤツに出会ったことのない人々に、その恐怖を伝えるのは難しい。
実際に遭遇した者にとっては、語ることさえ困難な恐怖なのだから。
そのため私に出来るのは、証言の断片を集めることだけである。
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