第11話 旅行者による目撃談

 あの日は確か、花見に向かう道中での出来事でした。


 自分は当時東京に住んでいたのですが、せっかく車も持っているので、休みの日にちょっと遠くの山まで羽を伸ばしに行ったんです。


 街からも離れ、山道に差し掛かった時でした。

 いきなり燃え盛る木が上から転がってきて、道を塞いでしまったんです。


 そりゃもうびっくりしましたよ!

 だって普通そんなこと予想出来ないじゃないですか。


 幸いブレーキが間に合って事なきを得ましたが、車を降りて山の上の方を見上げた時には言葉を失いましたね。

 燃えてたんですよ、山の上半分の木が全部。


 取り敢えず火事に巻き込まれないように車で離れたんです。

 それから携帯で消防署に連絡していたらね、遠目にだけど見えたんですよ。


 火炎放射器を片手に炎を振りまく少女の姿が。

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