第17話 断章2

 ここまで記録した通り、基本的にヤツは人類に敵意は持たない。

 傷付けられるのはあくまでもヤツの近辺に存在する物か、ヤツの行動を妨害しようとした場合に限られる。


 ならば放っておけば良いのではないか?

 どうせ被害を受けるのはスギやヒノキなのだから。


 そう言った意見も最もであり、過去に世間の声を受けて放っておいていた時期もある。

 だが、我々は認識を誤っていた。


 先述したように、人工林を短期間の間に撤廃する事は事態の二次被害を招く事に直結する。


 それ故、我々は動かざるを得ないのだ。

 どれだけヤツが強大であろうと。


 以下に纏めた記録は《すぎやまめつこ》杉山滅子による二次被害と、それに《ともな》伴う我が国の変化である。

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