ある日のおはなし

篠宮玲

ある日のお話。

「アンちゃん、フウちゃん、モモちゃん、行ってきま~す!」

そう言って部屋を出ていったのは、この部屋の主である、楓菜ふうな


「「「行ってらっしゃ~い!気をつけてね~」」」

楓菜が部屋から出ると同時に3人の声が聞こえた

3人というのは…


「今日は天気が良いね」

そう話したのは、窓際に飾られていたジャイアントパンダのぬいぐるみのアンちゃん

アンちゃんという名前は、この部屋の主である楓菜ふうなが付けた


「いや…少し曇っているよ。楓菜、傘持っていったかな?」

そう答えたのは、ベッドに置いてあるシャチのぬいぐるみのフウちゃん

「…持っていったんじゃない?」

フウちゃんに答えたのは、ワンちゃんのぬいぐるみのモモちゃん

楓菜の部屋で暮らしている3人は、毎日お話をしていて、大の仲良しなのだ

フウちゃん、モモちゃんももちろん楓菜が名付けた


「でもさ、たまにおっちょこちょいなとこあるよね。」

アンちゃんが外の景色を見ながら言うと

「たしかに…」

フウちゃん、モモちゃんも納得したように頷いた


しばらくすると…

ザーッ

っと、雨の音が聞こえてきた

「あ~やっぱり、降ったよね。」

モモちゃんが言った

「楓菜、大丈夫かな?」

フウちゃんが心配していると…

窓の外を見ていたアンちゃんが

「あれ?止んだよ。通り雨かな?

あっ!あれを見て!」

といった

アンちゃんが言った先をフウちゃん、モモちゃんも見ると

きれいな虹がかかっていた

「キレイだね!」

「うんうん!」

3人で虹を見ていると…


玄関の方から

「ただいま~」

と声がした


「今日は早いの?」

モモちゃんがいうと

「テストって言ってたよ!ほら!昨日も勉強してたじゃない!」

とアンちゃんが言った

(半分くらい、スマホ見てたよね?)

フウちゃんがボソッと言った

「なんか言った?」

アンちゃんが言うと

「ううん。なんでもないよ!」

とフウちゃん


「今日はテストのお話かな?」

とフウちゃん

「うん。きっと、そうだよ!」

モモちゃんが答える

「楓菜が来るから、またね!」

とアンちゃんがいうのと同時に

ガチャ

と部屋のドアが開き…

「アンちゃん、フウちゃん、モモちゃん、聞いて~」

と楓菜の声がするのであった


今日も3人は平和です

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ある日のおはなし 篠宮玲 @sora-rei

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