第2話

僕は、帰宅後スマホを手放せなくなっていた。

なぜなら、ほたるからの連絡が来ないかなぁと楽しみになっていたから。

彼女ができたのはこれが初めてだし、女子の連絡先を入れたのもこれが初めて。

浮かれても仕方ないよね。

う~ん、僕から送るべきかなぁ。

僕は、とりあえずメッセージを送ることにした。

「今日はありがとう。ほたるさんの想い嬉しかったよ」と送った。

う~ん、ドキドキする。

ピロンと通知音が鳴る。

メッセージには、『私の想い受け取ってくれてありがとう。聡佑くん。もうお家かな?』と書かれていた。

「うん、もう家にいるよ」

『もっと聡佑くんのこと知りたい』

「僕もほたるさんのこと知りたいよ」

『えへへ、お揃いだね(/// ///)』

僕、女の子とメッセージのやり取りしてるんだ。

やばい、顔がにやけちゃう。

「ほたるさんは、兄弟姉妹はいるの?」

『妹がいるよ、3つ年下なの』

「そうなんだね。

僕も3つ年下の妹がいるよ」と打ったその時だった。

「兄貴、顔きもい」

いつの間にか目の前にいた妹 朱音(あかね)にそんな悪態を吐かれた。

「きもいって、さすがに傷つくんだけど」

「すっごい、にやけてる。なに?彼女でもできた?」

「え、ああ。できたよ」

「はぁ?嘘!!こんな陰キャに彼女できるとか・・・ああ、ゲーム?」

「いや、違うよ。リアルだよ」

「物好きもいるんだね」

物好き、まあたしかにそうかもしれないけどなんかそれはそれで失礼だな。

まあ、ここまで口下手だと僕以上の陰キャの可能性もなくはないけど。

「で、なんてひとなの?」

「松本 ほたるさん」

「松本!!」

「どうした?」

「ううん、なんでもないよ。私、用事あるから部屋戻る」

そういって、朱音は自室に戻っていた。

一体何だったのだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る