第7話

          夕焼け

デートの最後はいつもの公園で

おしゃべりするのがお約束

だから今日もお気に入りのブランコに座って

観てきたばかりの映画の話をしてた

周りには、子供達が元気に遊んでて

そしたら私の側で男の子が転んで泣き出した

とっさに駆け寄って

抱き起こして服についた砂を払ってあげると

涙を拭きながら小さな声でお礼を言う姿が可愛くて

ばんそうこうとキャンディを渡すと

パァっと無邪気な笑顔を見せてくれた

お母さんと手をつなぎ

帰って行く際大きく手を振ってくれた男の子

見えなくなるまで手を振り返し

彼の元に戻ろうと振り返ったら

さっきの男の子とおんなじ笑顔だったから

思わずドキッと胸が高鳴ったよ

まさかそんな顔で見ていたなんて

思ってもいなかった

恥ずかしい様な照れくさい様な

くすぐったい気持ちで

しばらく隣に座る彼の顔が見れずにうつむいてた

ふと会話が途切れて辺りを見ると

いつの間にか子供達の姿がどこにも見えなくて

彼と二人っきり

みんな、おうちに帰ったのかな

そしたら綺麗な夕焼けが二人を包んでた

思わず立ち上がり、夕焼け空に手を伸ばす

オレンジ色に染まる指先と

彼が誕生日にくれた指輪が

キラキラ輝くのが楽しくて、嬉しくて

いつまでも見ていたいと

もっと高く腕を伸ばしてみる

いつも彼が横に居て

一緒にこんな綺麗な風景を見れたら良いなと

心の底から願ってる

そして彼も同じ気持ちでありますように

祈ってる

そう考えながら夕焼け空を眺め続ける

私の肩を軽く叩く

不思議に思って後ろを振り返った私に

いつしか立っていた

夕焼けの色に包まれた彼が

優しく微笑んで

そっと

3回目の

キスをした




































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