第2話

           雨

中学の時から幼なじみのアイツ

ずっと好きなアイツ

高校に入学してまで同じクラス

「腐れ縁もここまでくると、運命を感じるよなぁ」

笑いながらアイツはこう言った。

「そりゃこっちの台詞だわ」

負けじと溜め息を吐いて「運命であっては欲しくないけど」

良く言えばムードメーカー、どう見たってお調子者

こうやって、ずっとふざけ合ってても心の中である程度の距離を保ちながら

好きな事がバレたらもうアウト

全ての関係が変わっちゃうのが嫌だから、とても怖いから


ある日の帰り道、偶然帰りが一緒になったアイツが言った。

「俺好きな娘がいるんだけどどうしたら良い?」

何故そんな事を聞くの?

どうして私に言うの?


そうこうしている内にポツポツと雨が降ってきた。

作り笑いさながら、強がって

「好きなら好きって告っちゃえば?告白しない限り

 何も始まらないよ」


雨がどんどん強くなる


「告白してダメだったら、とことん話を聞くから

 ドーンと行って来い!」


お礼を言って走り去るアイツの背中を見続ける


良かった、雨が降ってて

泣いても気付かれないから

ねぇ、神様  一つだけお願いしても良いですか?

この雨と一緒にせめて今だけでも

自分の為に泣かせて下さい










         隣りの席

どうしてなんだろう?どうしちゃったんだろう?

プリントを渡す時ちょっぴり指が触れただけなのに

何故か急にドキドキが止まらない

なんでドキドキするの?

クジを引いて決めた席替えで

まさか

あなたが隣りの席になるなんて、想定外

ドキドキ  ドキドキ

「よぉ、隣りの席ってお前かぁ。よろしくな」

顔中、真っ赤でうつむきながら

「うん…」

そう返事するのがいっぱいで、変に思われたかな?

おそる おそる 隣りの席を見ると

また

胸がドキドキでいっぱい

だって

君が思い切りの笑顔で、私を見てたから
















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