第15話 採掘とカモシカとそれから解体

「鉱脈って、こんなに簡単に見つかるのかな?」

 ミィルはそう言いながら手にした麻袋の中に俺が掘り進めたアパラチア鉱を拾い集めている。

「まさかこんな下層の入り口の地面に鉱脈があるなんて思いもしなかったな! しかもこの1箇所だけじゃなく、この階層に同じような鉱脈が複数箇所あるなんてね! 必要な分だけ採掘して残りは必要ないし残しておこう」

 そう言いながらピッケルを振り下ろすこと1日半、ようやく麻袋1つ分確保出来たので2人でトラックの荷台に詰め込み今日も車中泊をすることにする。


「まさか下層に降りるまでに2日、掘るのに1日半、帰り道に2日。合計で5日半ダンジョンに潜るだけで済むなんて驚きだよ!」

 そういってミィルはトラックで轢き倒した魔物【スパイラルディアー】という爆発する捻れた角を持ったカモシカの魔石を取り出す。

「この魔物の死骸ってどうするの? まさか食べるの?」

そういってミィルが捌いたカモシカを見つめていると魔石が取り終わったと同時に死骸が溶けてダンジョンに吸収されて行く。

「魔石を取るとダンジョン内の魔物は吸収されて行くんだよ! さっきのゴブリン達も魔石を取れば消えるんだけど、いくら魔物とはいえ人型の生物を解体するのは抵抗があって無理だから、もし気にしないなら今度から任せる」

 そういってミィルは解体用の小刀を渡してきたが俺は丁重にお断りした。

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異世界なんでも配達員 兎神 入鹿 @Destiny

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