第13話 まるでGの様な繁殖力
「灯りになるものとか携帯食は持った?」
そういって彼女は鍛冶屋から支給されていたピッケルをリュックサックに差し込み、それを背負う。
「重いですよね? とりあえずコレに乗っけて持っていきましょうよ」
2人とも荷物を持って車を降り、車に積載されている商品を納品する時に使っている台車に荷物を乗せて荷崩れ防止用の荷締機を使って括り付ける。
「何この機械! 凄い便利じゃん!」
荷締機を物珍しそうにキョロキョロと見つめて彼女は目を輝かせている。
「これは荷物をしっかり固定する為のロープだよ。ただロープを縛ると弛みが出来るけどこの道具を使うとしっかり縛れて弛みが無くなるからしっかり固定出来るんだよ」
そういって荷物を固定した台車を逆さにして持ち上げる。
「うわっ! スゴイスゴイ!! 本当にしっかり固定されてるんだ」
そういって驚きながらも、しっかりと周りを警戒しているのか俺の背後に向かって【ウェントゥス】と呟き、5歳児くらいの大きさの灰色の何かを次々に倒していく。
「どうやらゴブリンに気づかれたっぽい」
そう言いながら、こちらに向かってくるゴブリンを見えない何かで次々と屠っていく。
「スゴイな……。そんなに倒すのはいいけど生態系とか大丈夫なのか? 」
と尋ねると彼女は指をワサワサっとおどろおどろしく捩せながら
「ゴブリンは1匹みたら1万匹居ると思えって言われてるほど繁殖が早くて害悪な魔物だからいくら倒しても生態系に影響はほぼ皆無だと思って平気だよ。むしろ退治しない方が影響が広がるかも……。ここみたいに……」
そういって彼女が指差す方を見たら暗い坑道の奥から幾つもの目玉がこちらを睨みつけている……。
『『『グギャァァァァァァッ!!』』』
耳を劈くような叫び声と同時に俺たちは車に戻ることにした。
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