第12話 鴨肉は高級品

 肉串を食べたあとは沸かしたお湯でタオルを絞り、身体を拭きトラックの中で一晩明かした。キャビンの中は俺でショートキャブと呼ばれる運転席の上の部分にある寝床でミィルは寝た。夜、車の外から車体に体当たりするような音がしていたが「不壊」のスキルが付与されている勇車のトラックには何も問題無かった。

「おはよう」

 太陽の日差しが眩しくて目が覚めるとフロントガラスが真っ赤だった……。

 状況が全く分からないのでとりあえずワイパーで視界を確保するとフロントガラスが真っ赤だったのは鳥の魔獣が特攻してきた残骸だった。

「おはよう……。うわぁ、なんか凄いことになってるね……。あぁ〜ナイトダックの突撃の音だったんだ」

 ショートキャブから降りてきたミィルが何故か嬉しそうにフロントガラスの向こう側にある、鳥の死骸を見て微笑んでいる。

「ナイトダックは乱獲が禁止されているくらい個体数が少なくて、尚且つ世界5大高級食材で野生のナイトダックは肉が引き締まっていて、かなり高額な買取額だという。

「だったら売るよりもストックして良いことがあったら自分たちで食べるように確保しとこう」

そういって車外に転がるナイトダックの死骸を回収して羽をむしっていく。


 むしり終わったら本命の鉱山に行こう!

 そんなことを考えながら羽をむしって鴨肉を冷凍の荷台に積み込み保存する。


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