第9話 半分でバカな男ともう一人の仲間
俺は今日、
先ず口を開いたのは、特務課のリーダー、
「えー…オービアスの面々、今日は集まってくれてありがとう。君たちを今日呼んだのは他でもない…………」
長い沈黙が俺達を包み込む。身内であるはずの
全員が……正確には無表情のメイさんと基本人の話を聞いていない万丈の二人を除いた全員は六納指令の次の言葉を待っている。
「暫定化け物だった万丈君の精密検査の結果が出たので皆さんに共有したいと思いまーす!! はい拍手っっ!」
「「「「そんな事かよ!!!!」」」」
「六納指令! そんなクソどうでもいいこと朝から今まで隠してきたんですか!? 俺ァ今日話しかけてもずっと『ああ……そうだな……』しか言ってくれないからなんかすごく重い話があるのかと思ったじゃないですか!!」
どうやら、マジに何も聞かされていなかったようだ。今ならこの感覚を共有しつつ不破と仲良くなれそうだ。
「そうっすよ!!!! 指令のバカ!
「上司に向かってバカは言いすぎだぞ
「先輩すぐ殴らないでくださいよ!」
「そうだぞ不破ー、今回は私の方にも責はあるからな。二発までにしとけよ?」
「じゃあもう一発行かれるんですか……? あ! その手の形痛い奴! やっぱり痛い!」
「あの!……そろそろ本題に行きませんか?」
カオスな場を一瞬で沈めたのは店長だ。普段はボケタイプでも基本全員ボケの特務課メンバーと絡むとツッコミに回る様だ。
「ああ、そうだな···すまない。じゃあ本題に入るとして、万丈君の
そう六納さんは奥の扉に向かって言葉を放った。しかし一切の返事は無い。
「おーい······怖くないから出ておいでー······」
今度は猫撫で声で問いかける。······しかし返事は帰って来ない
「······後で1万円だけスマホゲームへの課金許してやるから······」
「ホントですか六納氏」
あ、課金を餌にしたらソッコー出てきた。
奥の部屋から現れたのはジャージを着た女性だ。例えるなら······牛乳瓶の底のような丸メガネをかけているハムスターの様な。そんな女性が出てきた。
「ほらっ! 自己紹介位は自分でしな!」
「あ······あの······自分、
「よろしくお願いします! ララさん!」
丁寧でありつつフレンドリーな感じでいってみよう。何やら緊張しているようだし···
「アガヒュルョバアッ!」
なんだ!? 急にぶっ倒れたぞ!?
「ララさん!? 大丈夫ですか!?」
「あー、空牙君気にしないでくれ。七羅輝は下の名前で呼ばれると『キラキラ☆青春コンプレックス☆』の影響で失神するんだ。しばらくすると起き上がるから、ちょっと待っててくれ」
また訳の分からん人が増えてしまった······このメンバーで特務課は大丈夫なのだろうか······
――――
15分程経ったら羅々さん······七羅輝さんは本当に何事も無かったかのように目を覚ました。
「す······すみません。私のせいで話を中断させてしまって······じ、じゃあ手早く話しちゃいますね······周年ガチャ今日までなので······」
「――――まずこちらが通常の人間の遺伝子です。まあ、至って普通の構造をしていますね。次にこちらは、先日空牙氏から提供頂いたXフェーズ2の遺伝子です。二重らせんになっていなかったり、塩基対を構成する物質が違ったり、配列も滅茶苦茶な事が見てわかると思います」
確かに。Xの方はなんかすごいまっすぐだったりうねうねしてたりしている。変態が役に立って良かった。
てかナナラキさん凄い饒舌になったな。本当にこういう分野が好きなんだな。
「······そしてこれが万丈氏の遺伝子です! 配列や形状は人間のそれと同じですが、塩基対を構成する物質がXと全く同じなのです!!」
それに続けて店長が話し始めた。
「つまり、万丈君は半分X、半分人間という事かい?」
「私も、その結論が正しいと考えています。その裏付けとして本来心臓がある位置に
万丈はXと人間のハーフって事か!? 開いた口が塞がらない。
六納さんや不破、緑馬さんも驚きを隠せない表情をしている。
「成程! だから我の心臓にクソ親父は何か力を込めていたのか!」
何が成程だったのかよく分からないが万丈はそう言い放つと自身の胸に手を突っ込んだ。
肉の音を立てながら取り出したのは一切の曇りのない
「力というのは恐らく
「マスター、承知いたしました。··················こちらは、憑依型、
凄いなメイさん······手をかざしただけでどんな能力か分かるのか······憑依型と言うのは、店長が使っているような特殊能力的なアレだろう。
万丈が武器使ってる所見た事無いし。
◇◇◇◇
少年が今日も窓の外を見ている······ここはいつも夜のようで、常に星や月が輝いている。
「僕の弟にまさか子供がいたなんてね······
ゲームが始まる······常に
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