第一章「殺人魔女とドブネズミ」

(冒頭の殺戮場面にふさわしいBGM Venom「Witching Hour」)


 つばの広いとんがり帽子に、長袖の上着の上にかぶるだぶっとしたローブと、膝うえの長さのスカート、それに先のとがった革靴など、そのすべてが黒づくめ。白いのは露出した太ももとふくらはぎ、それに健康的なつやつやした赤ら顔と、ウェーブのかかった豊富な空色の髪くらいである。


 今年で十七歳になるこの若い魔女は、名をジェノスといい、旅行が趣味で、魔女らしく愛用の箒にまたがって大空を飛び回り、町から町、国から国と渡り飛んでいた。世界は、そろそろ蒸気機関が現れようとする進歩発展の時代を向かえつつあったが、魔女や魔法使いのたぐいは健在で、中世の影をまだまだ引きずっていた。





 ジェノスは十代でありながら、水、火、風、土など自然のあらゆる力を使った、広範囲にわたるさまざまな魔法をこなすやり手で、普段はその吊りあがるドヤ目を猛獣のごとく光らせ、魔法の杖のみならず、ときには素手からさえも魔法の光を発することが出来た。


 たとえば攻撃魔法に反撃用魔力封じ、防御バリアと結界の張設、さらには傷や病気を治す回復魔法なども難なくこなし、かつては祖国で一時在籍していた魔法学校の教師や先輩たちに嫌われたものである。

 理由は才能への嫉妬だけではない。彼女の場合、ある特徴のせいで、嫌われても仕方がなかったのである。


 馬車や徒歩で旅をする普通の旅人たちは、たいてい観光や各地の名産、珍味などが目的であるが、このジェノスの旅行の仕方は、かなり変わっていた。





 今日も緑なす山並みを箒で飛ぶ若い魔女。ひらけた場所に小高い丘があり、小屋の前に二人の小さな子供がいて、追いかけっこをして無邪気に遊んでいる。ジェノスはそれを見るや杖を取り出し、下降すると、杖から白い光を発した。光は二人の首をすぱっと見事にちょん切り、目をむく二つの頭が丘の下までころころと転がっていった。ジェノスは眺めながら邪悪にニヤつき、そのまま飛び去った。


 さらに進むと、山間の川岸に、並んで洗濯をしている数人の女性たちがいた。ジェノスは見るや、端の一人に手から青い光を発して魔法をかけた。たちまち女の頭が縦にまっぷたつに割れ、女は「うんぎゃああああ!!」と絶叫しながら、無残に脳みそをたらして川へうつぶせに倒れた。川の中にどろどろと垂れ広がる赤い体液と緑の脳。

 驚くほかの女たちも、ジェノスの魔法で手足をバラバラにされたり、上半身が爆発して肉片が飛び散ったりして、皆殺しにされた。ジェノスは口元を吊り上げて「うっひゃっひゃ」と楽しげに笑いながら飛び去った。



 その先に集落があり、今度は脇の大木に斧を入れる木こりに魔法をかける。斧が彼の手を離れて宙をひょいと舞い、そのでかい刃を顔面にくるりと打ち込んだ。「ぎょはあああ!!」と木こりは両目がぽんと飛び出し、縦に大きく裂けた悲惨な顔で、血まみれであおむけに倒れ、けいれんしながら死んだ。

 叫びを聞いて小屋から出てきた父親にも魔法をかけてヒグマにし、続いて出てきた太った女房を襲わせた。「うんぎゃあああ!!」と喉元を食いちぎられ、死んだところで旦那を元に戻す。彼は、自分が女の喉に食らいついているのに気づいて驚がくし、愛する妻を食い殺してしまったことに絶望して、近くの木にズボンのベルトを引っかけ、首を吊った。


 ジェノスは続いて飛び上がり、集落の小屋という小屋に指先から火を放った。赤々と燃えあがる家の中で「お前らだけでも早く逃げろ!」という大人の声がしたので、右手のそろえた指先から溶けた鉄を発射して、家の扉とすべての窓の隙間に流し込み、すぐに左手から冷気を出して一瞬で冷やして固めた。

「と、とうちゃん、あかないよおおー!」

「ぎゃあああ! ママー! あついよおおー!」

 中から子供らの悲痛な叫びが聞こえ、窓の中で空しくガラスを叩きながら炎上する二つの人影が見えた。たぶん兄妹だろう。ジェノスは集落が大火で全滅するのを確認してから、元気よく飛び上がって去った。





 なぜこんなことをしているのかというと、楽しいからである。魔女の彼女からすれば、人間などただの虫けらなので、目につくと、今のように暇つぶしに殺しまくることがよくあった。

 実は彼女も元は人間なのだが、竹を割ったようなさわやかな性格なので、そんな細かいことはいちいち気にしなかった。


 ジェノスは人間殺しが何より好きだった。殺人は彼女にとって心身の健康のために欠かせないスポーツであり、趣味であり、生活になくてはならない最高の娯楽だった。

 また、人間がひざまずいて許しをこうとか、特に親が悲痛な顔で「お願いします、この子だけは、どうかお助けを!」などと子供の命乞いをしたりすると、「言うとおりにしたら助けてやる」と言ってヒホヒホ猿の真似をさせたり、手拍子を打って間抜けにタコ踊りなどをさせて赤っ恥をかかせ、それを鑑賞して笑ってバカにしまくったりする。それで、さんざん楽しんで堪能し終わると、結局、親子ともども無残に殺した。いったん助けると約束して騙すほうが、相手があとで顔色を変えて絶望するので、見てて面白いのである。


 ジェノスは人間が苦しめば苦しむほど、無残に死ねば死ぬほど、「楽しいなぁ、けけけけけ」と口が耳まで裂けそうなほど吊りあがって邪悪に笑い、命令どおりに醜態をさらせば、「ざまあ、うっひゃっひゃっひゃ」と腹抱えて面白がって笑った。


 この大虐殺が、ジェノスの旅の目的である。彼女は魔法が使えるのをいいことに、諸国の住民たちをやりたい放題殺して楽しんでいた。ジェノスにとって殺人は、ただの遊びにすぎない。


 だがこれは、そう昔からやっているわけではない。十五歳で魔女見習いになり、最初の二年はわりとおとなしくしていたが、師匠がことのほか厳しい人で、修行がきつかったせいで日に日にストレスがたまった。

 だが、それでも我慢して耐えた。魔法を完璧にマスターし、それを使って好き放題に生きることだけが、人生の目標だったからである。




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 しかし毎度のことだが、この国にも今の警察にあたる組織があり、このような大量殺人という凶悪犯罪には断固として対処してくる。

 このアランポラン公国にある国家直属の近衛隊がそれだが、その中でも雇われ魔法使いの魔道士による魔道近衛隊マジカルアーミー、通称「マジカラミー(さらに略してラミーとも言われる)」は、国内の魔法使いや魔女の犯罪者を逮捕し、専用の結界つき監獄に入れるために組織された、特殊公安部隊である。



「そこの魔女、止まりなさーい!」

 背後の男の声に振り向けば、五、六人の白づくめローブに身を包む、いかにも正義の集団という見た目の連中が箒で追いかけていた。いつものことなので、ジェノスはあまり気にせず前を向いた。

「我々はマジカラミー! アランポラン国直属の魔道近衛隊であーる! これ以上、罪を重ねるなー!」


(この国の保安隊か、めんどくさー)

 とは思ったが、追いかけっこもそれなりに面白いので、片手でお尻ぺんぺんしたあと、スピードを一気に上げた。後ろの声が、心なしかむっとする響きを帯びた。

「降りなさーい! 投降すれば、悪いようにはしない!」


 悪いようにしない、と言った奴が、しなかったためしはない。さっさとまこうと、いきなりきりもみ急降下するジェノス。丘の土手に箒の柄が当たる寸前でさっと真上に上昇、追っ手の二名がそのまま地面に激突して自爆した。

 無数の細長い岩柱が迷路のように林立する隙間に逃げ込み、岩をあざやかな飛行テクでひょいひょいすり抜けると、後ろで残りの追っ手が柱にぶちあたって落ちる音がした。あんまり愉快なので、ジェノスは岩場を出るや、天に届くほど高らかに笑った。

「きゃはははは! ざまーみろー!」


 これで敵はリーダーらしい男、一人だけ。

 彼は仲間をやられてキレたのか、「きさまあ、もう許さんぞー! ふんづかまえて、ぶっとばしてやるうう!」と、追いすがりながらチンピラのようにわめきちらしている。ジェノスはおもろいので、さらに怒らせようと、後ろを向いて舌だして、舐めくさった笑みであっかんべーした。思惑どおり、男は「てめえええー! なめんなああー!」と理性が完全に消し飛び、それでまた、大口あけて笑うジェノス。

 怒るほどに相手を喜ばすだけなので、怒らなければいいのだが、この隊長はまだ若くて血気盛んなので、心ならずも、この凶悪犯にご奉仕するしかないのであった。



(さて、ここいらで殺しちゃおっかなー)

 周囲に崖が増えて海が近くなると、ジェノスはあたりを見回して殺人現場を物色した。が、男をぶつけ殺して絵になりそうな形の岩が、なかなか見つからない。あれもこれも平凡、平凡、つまらん。

 それとも、いっそ街まで引っ張ってから殺るか。ギャラリーが多いほうが、こいつがさらし者になって笑えるし、残酷に殺せば、見物人もショックで心に深い傷を負うから、さぞかし楽しいぞ。よしそうしよう、判決っ。


 ところが街の方角へターンしかけたとき、崖の向こうから箒に乗った魔道士の集団が、わらわらとわいて出た。目の前で人壁をつくり、虚空でゆれながら通せんぼしているこいつらは、ざっと見て三十人はいそうだ。

 追っ手の男が背後にまわり、すり抜けて逃げるのがめんどくなったので、ジェノスはおとなしく投降した。





 べつに死刑でよかった。

 やりたい放題してきたので、人生に悔いはなかった。


 ジェノスは、あまりにも前代未聞の凶悪犯すぎて、国民感情を抜きにしてそのまま裁判、というわけにいかず、国王じきじきの裁きが下ることになり、城へつれていかれた。剣を持った近衛兵が両側に立ち並ぶものものしい警戒のなか、巨大な伽藍を思わせる薄暗い城内の廊下を進むジェノスの両脇と背後も、やはり近衛が囲んでいたが、もちろんこっちは王国各省勤務のマジカラミーたちである(部隊のみならず、個々の兵士もこの名称で呼ばれる)。魔法の杖を、さながら現代の拳銃かライフルのごとく、容疑者とは名ばかりの真犯人に険しい顔で突きつけて護送している、こいつらのしんがりが、最初に現場に急行した部隊で、ただ一人生き残った、あの若いリーダーであった。


 リーダー、リーダーではわずらわしいので、今後は彼をビジョップと呼ぶ。作者がいま何も考えずにホイとつけたのは言うまでもない。

 のちに名を聞いたジェノスは、「美女が屁えこいたような名前だな」と、日本語と英語がメチャクチャな、気のきいた発言をしている。



(ふふん、よその国ではまぬがれてきたんだろうが)

(このアランポランでは、そうはいかんぞ……)

 ビジョップは、黒いローブをすらりとまとったジェノスの背中をながめて、ほくそえんだ。

(なんせここには、最高位の魔法使いの集まるヨーロッパいちのオカルト最高機関、マジカラリヤがあるのだからな……)


 べつに、そのうちアニメ化でもされたときに脚本を書きやすいようにと、今から気を使ってそうしたわけではないが、彼は胸のうちで、やたら説明的にほくそえんでいた。しかし、実際このアランポラン公国の魔法協会であるマジカラリヤには、優秀な魔女や魔道士が、ずるいくらいに集まっていた。ちなみに近衛であるこのビジョップも、マジカラリヤの会員である。


 彼はいつしか、この世でもっとも尊敬する恩師の姿を思い出し、感慨に顔をほころばせていた。

(そういえばもう、かれこれ一年もお会いしていないが)(お元気だろうか……) 



 そのとき、不思議な縁とでもいおうか、廊下のわき道から誰かが歩いてきた。そっちを見るや、彼の目は輝いた。それはまさにいま、この心中に思い描いていたお方、その人ではないか。

「せ、先生!」

 思わず叫ぶ声を向いたその顔は、まごうことなき、かつて彼に魔法を伝授した、あの偉大な女性であった。

「あっ……ひ、ひさしぶりですね……」

「ご無沙汰しております、ティロットン先生」

 ビジョップが頭を下げると、相手も軽く一礼した。



 長い黒髪を胸の下までさらりとたらし、つばの広い濃い紫のとんがり帽子をかぶって、その下は同じく濃い紫のローブに身を包むこの女性は、この国のオカルト関係者のあいだでは名を知らぬ者のない最高位の魔女、ティロットンである。

 彼女に師事された者は、世に二人とない素晴らしい魔法使いになると言われるが、このビジョップは近衛隊の隊長クラスにしかなっていないので、「当たり外れもある」などと口さがない者がくさすこともある。しかし彼は、今に自分も出世して、やがてはラミーの長官に必ずなれると息巻き、よせばいいのに言いふらしさえしており、今回の史上最悪の凶悪犯逮捕は、必ずや、それへの強固ないしずえになるはずだ、と確信していた。



 だが彼は、恩師のさっきから妙に元気がないのに気づいた。いや元気がないというより、蒼白い顔で終始うつむき、それでいて視線がともすればあちこちに泳ぎ、なにかにおびえているような雰囲気なのだ。修行中の先生は明るく快活で時に厳しく、こんなことはまったくなかった。こんな姿は初めて見た。

 かなり驚いたビジョップは、どうしたのかと聞こうとしたが、聞くまえにわかってしまった。

 それは彼に、驚がくをはるかに超えるトラウマ級のショックを与えた。


「……ジェノス」

 集団の先頭で、どう見ても人気者が取り巻きを従えているわけではなく、たんに悪さして連行されているその少女を見て、ティロットンはぽつりと言った。すると少女も彼女を向き、目を細めてニヤリと皮肉に笑った。

「先生――こんなとこで、なにしてんの?」


「せ、せんせえ、だってえええ――?!」

 あまりのショックに目が飛び出かけたビジョップが叫ぶと、彼の恩師はすまなそうに言った。

「ええビジョップ、この子は私の教え子のジェノスよ」

 そして、つらそうにハンカチを目にあてて続ける。

「認めたくないだろうけど、こいつはあなたと同じ、私の弟子。本当に申し訳ないわ、ううう……」


「なによ、ひどいなあ」

 嫌そうに口をとがらすジェノス。

「まるで私が先生の汚点みたいじゃない」

「あなたは私の汚点であり恥であり、黒歴史よ」と、かつての弟子のザマをじろじろ見る。「ふん、どうせ犯罪でもやったんでしょ」

「たいしたことしてない。虫けらをたかが百人ほど殺して遊んだだけだよ」

 頭痛がして額に手をあてる先生。

「こんなのを魔女にした私の責任だわ。教える前に破門すればよかったのよ。そうよ、あんなことが起きる前に――」

「あんなこと?」


「私が悪いのに、自分のせいとかさぁ」

 ビジョップの発した疑問を無視して続ける凶悪犯。

「完全に無視じゃない。私の人格を尊重してよ。人権侵害だよ」

「尊い命を大量に奪っておいて、どの口がそんなことを言えるのかしら」

「なによ、嫌なこと言うなあ」

 かちんときてにらむと、とたんに「ひいっ!」と蒼くなってしりぞく先生。そして、すぐにまたうつむいて、暗く悲しい女に戻ってしまった。

 それを見てビジョップは(先生は、こいつに何か弱みを握られているにちがいない)と確信、この凶悪犯に対し、怒髪天を衝くほどのすさまじい怒りが燃えあがった。

 ――よくも、よくも先生を。殺人鬼のぶんざいで……!

 ――こ、こんな、この世に二人とおられぬほどの良い方を脅すとは……!


 思わず指さして怒鳴る。

「この人殺しが、お前は絶対に死刑だ! 覚悟しておけ!」

 ビビると思いきや、あくびしそうなほどつまんなそうに言うジェノス。

「死ぬのもいいけどぉ、めんどくさー」

「死刑が怖くないのか?!」

「だって、たかが死ぬだけでしょ。それより殺すほうがいいや」と薄笑い。「ねえ、人間十匹くらいつれてきてよ。ここで殺すから」

「できるかっ! なぜそうも殺したがるんだ。人間に、なにか恨みでもあるのか?」

「だって楽しいじゃん、人殺すの」

 にこにこと無邪気に笑って言うので、近衛隊長もさすがにぞっとしたが、ここは気合いれて冷徹に対応せにゃならん、と思い直した。


 そうだ、俺までビビってどうする。師匠の前じゃないか(と彼女を見て、)ああこの人、このケダモノを前に、あんなにおびえてしまって。

 そうだ、師匠を助けるのだ。いま彼女を守れるのは俺しかいないんだぞ。今こそ、かつて受けた多大なご恩をお返しするときなのだ……!

 かつて勘違いだと封印していた彼女への恋心が、胸のうちの戒めを破って外へ飛び出し、見る見る心を満たした。


 しかし彼女のためにすべきことは、すでに終わっている。こいつの処分は、裁きをくだす国王陛下と、死刑執行人の手にゆだねればいい。

 そうだ、まずは陛下のもとへ――。


 そのとき、背後から聞きなれた声が響いた。

「これはこれは!」

 そして、またも耳を疑った。

「いついらしたのですか、師匠!」



 伽藍のような宮殿中に、神の御声のごとく満ちたのは、国王の野太い声だった。ティロットンは王の前に出ると、ひざまづこうとした。

「いや先生、お顔をあげてください」と苦笑して手で制するオッサン。「国王にはなりましたが、私は今でもあなたの教え子ですよ」

「へ、陛下のお師匠さまなのですか?!」


 身分も忘れて叫ぶビジョップに、王はあごひげを触りつつ、機嫌よく言った。

「そうだ、このお方のおかげで今の私がある。まだ第一王子のころは、ずいぶんと世話になったものだ。先生に魔法を教わる者は、世に二人といない使い手になるというが……」とにっこり笑う。「私のザマを見ると、当たり外れもあるようだな」

「ご謙遜を」と一礼のままで言うティロットン。



 そのとき、王はやっとジェノスに気づいた。

「で、これが例の凶悪犯かな?」

「こんちはー」

 右手をあげて明るく挨拶するジェノスに、うさんくさい目を向ける王。

「礼儀作法もなっとらんな。極悪人としては完璧だ」

「完璧だって」とうれしそうにティロットンを向く。「聞いた? 先生。国王にほめられたよ。私ってどこまでも優秀な魔女だよねー」

「せ、先生だと?!」


 とつじょ目をひんむいて大口あいて驚がくする国王。あわててティロットンに聞く。

「それはまことですか、師匠?!」

「え、ええと――」

 一瞬返答にこまったが、ジェノスがにらむと、たちまちおびえきって叫んだ。

「ひいいい! そ、そうですうう! 言いたかないけど、私の教え子ですうう! ま、間違いありませんんんっ!」と、しゃがんで頭を抱える。


 聞くや、険しい顔になる王。

「ううむ、先生のお弟子をむげに扱うわけにはいかん。なにをしておる近衛! 杖をどかして離れんかっ! このお方は釈放する!」


 これにはビジョップも仰天した。

「ええっ、大量殺人犯ですよ?! 我が国のなんの罪もない市民が、合計百人以上も、こいつによって無残に殺され――」

「たとえ極悪人でも、先生のお弟子さまだ!」

 腕組みし、ガンとして聞き入れぬ王様。

「ま、弟子でもないお前には、わからんだろうがな……」


(弟子です!)

(でも、わかりません!)

 と思ったが、言えなかった。





 死刑をまぬがれたジェノスは、拍子抜けした顔で豪華な部屋に案内され、国王がじきじきに用意する、無罪を言い渡す書類とかにサインすることになった。待つあいだ、高級料理が出てたらふく食い、その晩はベッドでグースカ高いびきで寝た。


 だが翌朝、目を覚ますと、勝手に大浴場で顔を洗って鼻歌で朝風呂につかり、部屋のクロゼットから引っ張り出した優雅なバスローブを着て、安楽椅子でゆったりした。完全にホテル気分で、手を叩いてメイドを呼び、「なんでもいいから朝飯もってこい。ステーキがいい」と命じた。すると入れ替わりに国王が飛び込んできて、こぶしを振り上げ「バッカもーん!」とカンカンになった。


「べつに、きさまを賓客として招待したわけではないわ! 贅沢するな!」

「なによ、王様のくせにケチだなぁ」と右手で持つグラスをまわしてワインをゆらす。「私はもう無罪なんだし、ファーストクラスの扱いうけて当然でしょ」

「いや、それはだな」


 急に困り、口に手をそえて内緒話のように続ける。

「やはり国民感情を考えた結果、無罪放免というわけにはいかんのだ……」

「国民感情って、そんなん、そっちの都合じゃん」

「お前のせいだろうが!」と襟を正す。「そういうわけで、ジェノス殿には城下のドブ掃除を命ずる」

 とたんに眉をひそめる少女。

「えー? やだー」

「わがまま言うな! これでも精一杯、譲歩したのだぞ。わが国の住民のほぼ百パーセントが、お前の死を望んでおるのだ。それに比べれば、どれほど軽い刑であることか」


「はいはい、わかりましたよ」と肩をすくめる少女。「じゃ、魔法でささっと片付け――」

「魔法は禁止だ」とテーブルに地図を広げ、該当箇所を指さす。「この部分全体のゴミ掃除だ。一日で終えること」


「こんな広いところを……」

 ジェノスが目を細めて地図をにらむと、国王は妙に意地の悪い目で言った。

「そのゴミは特殊でな。サイズが犬や猫ほどもあり、そこらじゅうを動きまわって、邪魔する者には噛みついてくる」

「ちょっと待って」とにらむ。「それ、私にドブネズミの駆除をしろっていうこと?」

「まったくそのとおりだ」

「魔法なしで? 素手で?」

「魔法なしだ。素手だ」


 真顔で腕組みする国王。

「そして、もし一日で終わらぬ場合は――」と、びしっと指さす。「そなたを死刑に処す!」

「ちょっ、なにそれ」

 さすがに、むくれるジェノス。

「刑罰の結果いかんで死刑とか、法律違反でしょ」

「殺人鬼がなに言っとるか。これでも精一杯、譲歩したのだ」

「ちっ、しょうがないなぁ」



 ほぼ悩むことなく刑を受け入れたので、王は助かったと思う反面、後ろめたさも感じた。刑罰の成績いかんで死刑にするのは確かにやりすぎだが、彼女を逮捕した近衛隊長の進言を採用した結果である。


 この国のドブネズミは、サイズがえらくでかい。セントバーナードクラスもザラである。魔法なしで駆除しようとすれば、まず噛み殺される。だがこれなら師匠も、どんなにかわいい弟子の死であっても、事故ということならあきらめてくれるだろうし、もちろん国民は大納得だ。

 王はそのような腹づもりであった。





 執行当日、マジカラミーの岸にずらり立ち並び監視する前で、ジェノスはドブ掃除を開始した。その排水溝は市街のはずれ、長城のような石造りの仕切りの裏側にあり、街の東西をまっすぐ横断している。場所が限定とはいえ、広いところでは幅二メートルはあり、本気で掃除したら人手がいくつあっても足りないが、今回はネズミ駆除だけなので、殺りくのプロなら、なんとかなるレベルだ。

 だがこの場合、従事するのは魔法なしのただの少女である。


「ま、瞬殺だな」

 岸に立つ兵士の数人が意地悪く笑いあった。が、ビジョップは笑わなかった。最低の悪党とはいえ、無力なガキが無残に殺されるのを見るのは、やはり気持ちのいいものではない。が、責任者の立場上、見届けなくてはならない。そうだ、国民の、犠牲者の遺族のためにも……。


 彼の中で、にがい罪悪感を押しのけるように、鋼の正義感がむくむくと膨れ上がった。

(悪だ!)(この悪を殺せ!)(滅ぼせ……!)

 目がぎらんぎらんに輝く隊長。正義のはずなのに、なぜかアブないような気がしないでもない。だが、こうなるのも彼の人の良さゆえである。それだけ犠牲者と遺族たちのことを思ってのことなのだ。

 たとえ、どんなに見た目が危険で、飛び出そうな目で鼻の穴おっぴろげ、歯をカンナの刃のごとくにょきにょきむき出し、興奮で鼻息ふんふんの変態の域に達していても、愛と正義の怒りに燃えているからだから、許してやろうではないか。よしよし、うんうん、わかっとる、わかっとる。

 しかし結果的に、彼ら正義の使者たちの目論見は水泡に帰した。




 ローブを脱ぎ、紺の作業ズボンと上着だけになって腕まくりしたジェノスは、とりあえず排水溝へ降りた。フタもなにもないから、実質ただのでかいドブ川である。石の塀につかまりながらつたなく降りる姿は、見ているものに「本当にこれが大量殺人を犯した怪物なのだろうか?」という疑問を起こさせたが、魔法を使えば赤子でも怪物になれる事実を思い出し、身を引き締めた。今までこんな感情が人に起きなかったのは、この国の国民性が穏やかで、そんな非道なことをする者がいなかったからである。


 兵士たちは降りる女を、かぶりつくように、食い入るように見ていた。べつにエロい意味ではなく、相手が魔法を使ったら即、処刑しなければならないからだ。立ち並ぶ全員が片手に杖を握っている。ぱっと見、これから新体操でもするようである。罪人が変なまねをすれば、隊長の号令により、この杖から斬首魔法「四つ裂き光輪」を発して首チョンパである。


 なぜ一般的な「八つ裂き」でないかというと、べつにウルトラマンの必殺技だから円谷プロになんか言われたらやだ、とかいう大人の事情ではなく、死刑に使うような場合は、あまり切れ味がいいと楽に死んでしまうため、このような凶悪犯になるほど、わざと刃を劣化させて飛ばすのである。罪人は半分だけ切れた首をぶら下げ、しばらくのたうちまわってから死ぬ。悪人になればなるほど厳罰にし、長く苦しめて殺すのは国民の総意である。

 もっとも、刑の執行は今のように一般公開されないので、遺族すら遺恨の仇敵の最期を堪能することは出来ない。勝手に見ようとすると逮捕である。




 さて、小学生なら長靴と呼ぶであろう黒のブーツでジェノスが底へ着くと、狭い足場のすぐ先に広がる構内を、誰かが吐いたような、きったねえくせえ黄色い下水がとうとうと流れている。だが彼女は顔をしかめるどころか、目がきらきらと星のように輝いた。深くはなく、水深は三十センチもないので、入ってもきったなくてきめえだけで問題はないが、上流の数メートル先に、なにかの黒い頭が出ては引っ込みして近づいてくるのが見えたのだ。どれもかなりでかい。

 これこそが、このアランポラン公国最悪の害獣、犬ほどもある凶暴なドブネズミ、ヂュウヂュウ・ベインボフである。


 かつてはふつうサイズで体にカラフルな縞模様があったため、チュウチュウ・レインボーというかわいい名前がついていたが、駆除のために放った毒魔法のエキスが体内に蓄積し、徐々に巨大化して縞が消え、毛並みがタールを浴びたようにどす黒くなり、とうとうこのサイズにまでなってしまうと、とてもかわいいとか言ってらんねえってんで、今のようなグロくなまった呼び方をされるようになった。

 そして性質もやはり毒で凶暴化、見たものは即座に仲間でも噛み殺す、通り魔よりひどい破滅的生き方を送るようになってしまったのである。レミングの集団自殺をそっくり他殺に置き換えてみれば、この獣の性質がいかに危ないかがわかるだろう。


 市民の犠牲者は年間一、二人、少ないときはゼロ人におよび、駆除で毒魔法を使った魔道士は責任を問われて死罪になったが、今も的確な措置ができず、野放しの状態である。ただ汚物が好きでドブの外に出てこないので、人がめったに襲われない利点はあるが、排水溝に危険動物がいるというだけでもなんかやだし、数も徐々に増えているので、そのうち厄介なことになろう。


 そんなわけで、この凶悪犯に駆除を押し付けるのは最良の判断ではあったものの、関係者の誰もそれが成功するとは、つゆほども思っていなかった。一頭目でもう瞬時に食われて終わり、は確実だから、実質ただの死刑執行である。ラミーたちは、いちおうまじめに監視はしていたが、心中は気楽なものだった。


 だが隊長のビジョップだけは、妙な胸騒ぎがしていた。最初はこの少女に憐れみすら感じたのに、いざ完全に下水へ降りて小さくなると、とたんに黒雲が降りてきたように不安に襲われた。

 最初に見たときから、こいつにはなにか不穏なものを感じた。得たいの知れない嫌な感じ、大昔に人間が魔女や悪魔に感じていた不安、なにをしてくるか見当がつかない怖さは、案外こんなものだったかもしれない、と思った。


 今だって魔法に縁がない人間には、それを使う連中は、仕事上で付き合いがあったり、実際に友達であっても、完全には信用できない相手だろう。強大な権力を持つ富豪と貧民のようなものだ。どんなに親しくても、たとえそれが家族であろうが、敵にまわせば完全に不利である。だからこそ自分らのような魔道専門の近衛隊があり、それに絡んだ犯罪を取り締まっているわけだが。




 ネズミどもが来る数メートル前に、すでにジェノスはじゃぶんと下水に降り立っていた。そして背中からするっと抜き出した刃物は長さ三十センチほど、上からの陽光をギラリと照り返してサーベルのように見えた。

(あれひとつで殺す気かよ?!)

 あきれたラミーたちから、わずかに笑いが漏れた。が、大笑いするものはなかった。なにか雰囲気が尋常でない。ビジョップは(まさか)と思ったが、その目を見ひらき、あわててこする事態はすぐに起きた。


 少女は最前列のヂュウヂュウ・ベインボフにずんずん近づき、いきなり左手で頭をわっしとつかんで水から引き出すや、右手に持つ剣の刃をその喉笛にドスリとたたきこんだ。かつてはチュウウーだったネズミの声も、今ではグギュルルウウ! というどす低い断末魔で、それは左右の石壁に反響しあい、驚くラミーらの耳を襲った。ジェノスはそのまま真横にズザッと絹を引きちぎるように刃を引き、断ち切られた皮膚の裂け目からまっかな血が滝のようにだぼだぼと出た。


 絶命したネズミを放ると、ジェノスは危険を察して飛びかかってくる猛獣たちを次々に叩き斬って、返り討ちにした。剣をぶんぶん振りまわし、大ネズミの目をえぐり、喉をつらぬき、太い首をもろにすぱっと切断すらした。何匹も一度に飛びかかればふつうは一匹くらいは噛み付けそうだが、刃の速さが尋常でなく、襲う五匹のうち端から喉、顔面、鼻、目、そして胸(心臓)と、あっというまに切られて順番に血をぶしゃあああと派手に吹き出し、さながら花火大会の様相を呈している。ほとんど「子連れ狼」みたいな昔のスプラッタ時代劇だ。

 しかもジェノスの顔は、殺すたびに心底から楽しそうに生き生きと輝き、十匹めにいたっては、うれしさに大口をあけて「ぎゃはははは!」とけたたましく哄笑し、見ているビジョップらは、その抜けるような血まみれの笑顔に背筋が凍りついた。


 冷静に考えれば、魔法なしでこのきゃしゃな十七の少女が、これだけ殺しまくれること自体がおかしいのだが、そのときはあまりの恐ろしさに誰も気づかなかった。彼女は殺りくを本当に心から楽しんでいた。「きゃははは! たーのしー!」とエキサイトしてネズミどもをぶった切る姿はまさに鬼神であり、「るんるんるーん♪」とご機嫌な顔でネズ公の腹をえぐり、内臓をチューブのようににゅるにゅる引き出してはぶん投げて捨てる鬼畜行為を楽しむ、その血染めの満面の笑みから、一種の聖なるオーラすら感じられるほどの、冒涜的ひどさであった。ビジョップにはそれが、人外すら超えた本物の「悪」そのものに見えた。魔女どころではない、悪魔どころか、ただの悪である。


 汚れた川は鮮やかな血の色に染まり、黄色い水は深紅に塗り替えられる。ゴミのにおいに鋼鉄の香りが加わり、誰もかいだこともないおぞましい異臭になる。

 三十匹ほど殺すと、ほかは逃げて、死体は下流に流され、深紅の川は元通りの黄色になった。



 決められた区間を「掃除」したジェノスは岸にあがり、口があいたままのラミーたちに笑いかけた。人間以外とはいえ、多くの命を奪えたことで、とてもご満悦らしい。

 ビジョップがあわあわと何か言おうとすると手で制し、

「おっと、私に近づくと腐るよ」と、まるでカッコいいかのように目を閉じて薄笑いした。

 そして袖に鼻を近づけ、「うっひゃー! くっさ! くっさ! 風呂、風呂ー!」と楽しそうに王宮へ走っていった。一日の終わり、重労働を完遂した人のさわやかさであった。

 その晩、大浴場がドロの海になっていて、大騒ぎになった。



 こうして大量殺人鬼の見下げ果てた糞野郎は、罰にもならぬむしろご褒美でしかない刑罰を科せられただけで、ほぼ無罪放免で国をあとにした。またべつの国で、ただの暇つぶしの娯楽のためだけに、無数の罪もない人命を奪いまくるために……。





 国王は、ふがいなさを国民に糾弾されて失脚したあげく、逆恨みした遺族の一人に刺されて死んだ。なにか理不尽な気がしないでもないが、そんないい人でもないし、いいかべつに。


 その同時刻、下宿先で荷物をまとめるビジョップがいた。彼は退職し、あのにっくき人殺し魔女を殺すことを、生涯の目的にすると心に決めたのである。

 遺族の何人かも同じ理由で出発した。というか、ジェノスが旅行に出てからというもの、すでに百人以上の遺族が復讐の旅に出て、彼女を追いかけている。






 最後にひとつ、アランポラン公国で持ち上がった、あるうわさについて記しておこう。


 ジェノスが勤めを果たしている最中、下水の清掃範囲すれすれのある分岐点に、熊ほどもある巨大なヂュウヂュウ・ベインボフがいて、しかもあのティロットンを飲み込んでいた、というのである。「バカでかいヂュウヂュウが下水から顔を出してて、大きくあいた口の中に、先生の顔が見えた」と目撃者は証言したが、後日、当人がぴんぴんして宮廷に現れたので、誤認であるとわかった。

 その目撃者である近所の八百屋のオヤジは、あれは絶対に先生だった、あのおびえた目は間違いねえ、と最後まで言い張ったが、そもそも食われたはずの本人が否定したので、結局引き下がるしかなかった。

 そればかりか、賞金目当てのデマを飛ばしたとまで言われ、「あそこの大根も人参も、どうせ原価の百倍で売ってるぞ。ひでえぼったくりだ」などと風評被害も起きてしまった。売り上げはガタ落ち、借金がかさみ、八百屋は一家心中寸前にまで追い込まれた。



 ところがある日、彼の証言を裏付けるんだかつけないんだか、というような奇妙な証拠があがった。

 数ヶ月前に、仕事で王宮に滞在していたティロットンの部屋から、大ネズミの着ぐるみが発見されたのである。床下に隠されていたのを偶然メイドが発見したのだが、それはかなり劣化して腐ってはいたが、あきらかにヂュウヂュウ・ベインボフのそれであり、彼らの住みかである下水の悪臭が漂っていた。

 それだけなら、たんにリアリティの追求でにおいをつけたんでしょ、で済む話だが、それに付け加わるもうひとつの事柄が、偶然にも八百屋一家の命を救った。その着ぐるみには下水のほかに、あの場所にいなければつくはずのない鋼鉄のにおい――血のにおいが染み付いていたのである。



 ラミーが状況証拠から引き出した結論は、「当時ジェノスの殺りくが行われた現場近くに、ティロットンがネズミの着ぐるみをきてネズミたちに混じっていた」という驚くべきものだった。彼女ほどの使い手なら、まわりに結界を張り、ラミーたちに気づかれぬようにして、ひそかに魔法でジェノスを手助けすることも可能である。そして、終わって例の分岐点で着ぐるみを脱ごうとしたとき、偶然八百屋のオヤジに見られてしまい、あわてて逃げた。


 この一連の行為が事実なら完全に犯罪であり、公国はティロットンを国際指名手配したが、彼女はそれ以降、行方をくらましている。

 のちに、北の国にいたビジョップへ連絡が行き、「ジェノス殺害ののち、ティロットン殺害もお願いしたい」との文言を見て、彼があきれたとかあきれないとか。



 だが、このことで八百屋の証言が嘘でないとわかり、誹謗中傷したものたちは謝罪して賠償金を払った。また多くの同情者から義援金がきて、店に客が戻り、前より繁盛してチェーン展開し、今では国一番の八百屋として、国外にも知られるほどになった。




  xxxxxx




「いやほんと、なにが幸いするかわからんね」

 大社長になったオヤジは、新聞のインタビューで答えた。

「とりあえず、あの人殺しの魔女さんに感謝かな。あいつがこの国へ来たおかげで、今の俺があるんだし」

 などとうっかり口をすべらせたせいで、その後、また客足を減らしている。彼は目下、女房に「また離婚、考えるわよ」と脅されるのが、一番怖いそうな。

(第一章「殺人魔女とドブネズミ」終)

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