排泄
あなたは糞臭い便所の穴から外界を操る
暗闇に暮らしながら行動を指示して
左に動かすのではなく右に
肯定ではなく否定しながら
夜が明けるのも知らずに済まし
陰惨な刑罰をひたすらに課する
いたいけな少女の嘆きをも後悔せず
食べるのはいつも馬肉だけ
ブルドーザーの告解を受け
制服のボタンを付け替えたのは昨日のことだ
いったい何が不満なのか?
あなたは闇に向かって誰何する
誰からも是認されぬ革命を企て
無名の詩人による詩の一節を朗読しては
雑踏の道端に茣蓙を敷く
甘い記憶に苦しめられる夜ごと
漆黒のカーテンで首を吊り
ダックスフントの散歩に出かける
酒を飲むなら黒ビール
隣人の死にも嘲笑で応え
行方も知れぬ旅路の果て
汚臭漂うごみ溜めに廃棄されて
きわめて孤独な屁を放つ
功を奏するのはシェリフ
女の子は人を見て対応を区別した
かつてあなたは星空に数式を重ねただろうか?
鰐の棲む湖に釣り船を浮かべ
サンスクリット語の不吉な呪文を唱えては
不具の女と優雅な交接を試みる
幾たびも脱糞
秋晴れの日没に恋をし
獣の姿で哲学を講ずる
アルファベットの欠けたタイプライターで書簡をしたためるには
誰しも強靭な意志の力が必要だ
安価な箒と塵取りを巧みに操り
硬直した腐乱死体を腑分けするのは毎度のこと
した覚えのない約束を破り
ねじくれた尿瓶に放尿する
あなたは暗黒の神となって
万人の排泄を支配した
この世の中の誰もが
あなたの規則から逸脱することは出来ない
中天の太陽が輝く以上
誰も深い夜からは逃れられぬのだから
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます