不意打ち飽和

怪人が減った割にヒーローが多すぎる。需要と供給がおかしいことになっている。

そんな中でも私は、一部の強いのが出たときに呼び出されるだけまだ出番がある方である。


その私でも、本当に久々であった。



"ズガァァァアアアアアンン!!!!"


通学の途中に怪人集団がいて、なんかしようとしていた。

怪人の出現頻度が減っているので出番が少ないのだが、ストレスを溜め込む事が増えたので私が対応した。


で、威力調整を間違えたのか、なんか思ったより強力な一撃を放ってしまった。


魔法って精神面の影響が強く出るもので、このような時に放ったのは初めてだからまぁしょうがないのか。

住宅などに被害が出てないからまぁよし。




――小鳥ちゃーん、ありがとー

――オムツの方もがんばれー

――オモラシはやく治ると良いねぇー


……現実逃避していたのに、観客からの声援で呼び戻された。



学校の指定でスカートが履けず、オムツ丸出しで登校しており、しっかりオモラシサインは青くなっている。


軽く睨む程度で済まし、急いで学校に向かう。

今日はオモラシ一回分なのでオモラシポイントの減少がいつもより少なそうなのだ。


いや、オマルが使えるのでプラスマイナスゼロで済むかもしれない。

……言えるかなぁオマル使いたいって。


――すきありぃぃぃい!!


な!? まだ生きてるのが


"ジャバーン!!"



……え、何? こいつ何やったの?

水鉄砲……いや水大砲?


あ、逃げた。



いやまてこr


"ズルリ"



股間から履いている物がずり落ちるそんな感触に、思わず手で抑えてしまう。


思わず目を疑った。

私は胸が大きく、基本足元が見えない。


そんな私にも、今オムツが見えている。



あいつ……私のオムツに水のなんかしらを命中させやがった。

水が溢れて出てくる。 つまり、飽和状態にされてしまった。




テープは改良すると言っていたが、これは改良前のだった。


外側から水を受けて、テープがもう張り付かない。

そしてスカートも短パンも無い。



"クスクス"


どこからか笑い声が聞こえた気がした。



私は前と後ろからオムツを持ち、全速力で学校へ駆け込んだ。

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