オーマイゴット!!
QR
おぉ、神よ!!
ここは、とある辺境に建てられた教会
その教会は、いつ・誰が・何のために建てたか不明だった
しかし、その教会はいつ訪ねても埃一つなくとてもきれいであった
その教会に1人の男が人生に迷い訪ねていた
「神様・・・この哀れな子羊にお教えください・・・生きるとはなんですか・・・人生の意味とはなんですか?」
男が誰もいない教会でひざまずき祭壇に向かって尋ねる
「そんなの知るわけねぇじゃん」
「!?」
男の後ろから声が聞こえ、男は後ろを振り返るが誰もいない
気のせいか・・・男がそう思い、前を向くと
「よぉ!」
「わぁ!?」
男の目の前には俗にいうチャラ男が手を上げて、浮かんでいた
「お前は・・・誰だ・・・?」
「誰だって・・・さっき呼んでたじゃんよ・・俺が神だよ」
「かぁみぃ?!」
「そう」
「あなたが?」
「うん」
「GOD?」
「yes!」
「オーマイゴット・・・」
男はそうつぶやく
「よんだ?」
「いや、呼んでません・・・呼んではいるけど呼んでません・・・」
「なに、ややこしいこと言ってんだ?お前・・・まぁ、良いや・・・」
そう言うと、神は男を椅子に座らせると横に座る
「じゃぁまず、お前の名前を聞かせてくれないか?」
「はぁ・・・私の名前は加藤・エイジ・ロンギウヌス・レイウス・ビック・ヨドバシュ・クマダ・ノイア・エンヴァ・清正・ウラジミール・ケーズ・ネポムセーノ・マリーア・ヤマダ・ヒロシ・デ・ロス・レメディオス・ゼイウス・マサシです」
「おkじゃぁ、ケーズの悩みを改めて聞かせてくれ」
「はい・・・実は、私には20の頃から10年間勤務していた会社があったのですが、その会社に社長の息子が新卒で入ってきまして・・・その息子が勤務初日にやらかしまして・・・」
「へぇ・・・どんな風に?」
「教育係の私の指示を無視して、お客様に製品を強引に売りつけようとして・・・」
「あちゃー、やっちゃったねぇ~その子」
「それで、取引先の方がひどくお怒りになられて契約を切られてしまって・・・」
「で、君はそのドラ息子の責任を取ってクビになった」
「そんな感じです・・・」
「それで、路頭に迷ってうちに来たと・・・」
「はい・・・趣味も恋人も人生も何もかも投げうって会社に尽くしてきたのに・・・こんな仕打ち・・・」
「んー・・・」
「神様!生きるってなんですか!?人生に意味はあるんですか!?」
男は神の両肩を掴み力任せに神をブンブンする
「ケーズは勘違いしてるみたいだけど、人生に意味なんてないよー」
「えっ・・・意味なんてない?」
「そう、ない」
神は少し気持ち悪そうにしながら答える
「どういうことですか?」
「まず俺たち神は、ケーズ達人間の人生に意味なんて与えてない・・・与えてないもんを聞かれても困るのよ」
「じゃぁ、私の人生は無意味ってことに・・・」
「あぁ、そこで勘違いしないでほしいんだけど俺たちは意味を与えていないだけで、意味を見つけるのはケーズ達自身だからケーズの人生が絶対的に無意味ってわけじゃないよ」
「え?」
「人生の意味ってのはね・・・ケーズが生きていく中で培ってきたもの感じてきたものから、何をして何を成し遂げたいか・・・そしてそれを見つけて取り組んでいくことが生きるってこと」
「じゃぁ、これから私は自分が何をしたいかを見つけていけば良いんですか?」
「そ、そんな感じ」
「自分の人生の意味探してみます・・・」
「あぁ・・・そのことなんだけど」
「はい?」
「ケーズ、うちで働かない?」
「うちってこの教会でですか?」
「そう・・・ケーズどうせ無職でしょ?」
「そうですけど・・・それはハロワにでもいこうかと・・・」
ケーズがそう言うと
「お願いだよ~、うちに来てよ~」
神がケーズの裾を掴み引っ張る
「なんでそんなに引き止めるんですか!?」
「寂しいの~」
そう言うと神は半泣きになる
「はぁ!?寂しい!?」
「だって、みんなの拠り所になればいいなって教会作ったのは良いけどさ・・・建てる位置ミスって、こんな辺境建てちゃって人なんてほとんど来ないし、来たとしても野盗の類しか来ないし・・・・・まぁ、もれなく天罰与えて改心させたけど・・・」
ここまでで神は完全にダダをこねる子供のようになっている
「君みたいな人は初めてなの~・・・だから、うちに来てよ~う・・・」
神が床に寝転んで徹底抗戦の姿勢を始めようとした時
「はぁ・・・わかりました・・・働きますよ・・・」
「え!?ほんと?」
神は情けない姿勢でケーズの方を見る
「神様にそんな事させてたら、バチが当たりますよ・・・」
「やったー!!ありがとう!!よろしくね!!」
そう言うと神がケーズに抱きつく
「よろしくお願いします・・・あれ神様、なんか背丈変わりました?」
「あっ、さっき泣きじゃくりすぎて変身が・・・」
神がそういいかけると同時に神の変化が解け、そこにはこの世のものとは思えないほどの美女が立っていた
「え・・・神・・・様?」
「えっとね?さっき野盗とかくるって言ってたでしょ?」
「はい」
「その時にこの姿だと襲われて怖かったから、さっきみたいな姿になってたの・・・」
神はなぜか恥ずかしそうにしながら下を向く
「はぁ、分かりました・・・」
ケーズは細かいことはもうどうでも良くなっていた
「とりあえずこれからよろしくね!」
「はい、よろしくお願いします」
ここは、とある辺境に建てられた教会
その教会は、昔・神が・みんなの憩いの場にするために建てた(建てる位置をミスりすぎてほとんど誰も来ない)教会
その教会はいつ訪ねても埃一つなくとてもきれいであった
その教会に1人の男が人生に迷い訪ね
そして、なんやかんやあり女神と男の奇妙なコンビが生まれた
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