SIDE : B
大丈夫だよ――
そこは、オープンキャンパスや受験で何度も聞いた、とても素敵な処。
そこは、愛衣ちゃんが勉強したい事がいっぱいあって、将来に繋がる、とても素敵な処。
愛衣ちゃん、今までいっぱいありがとう。
小さい時に君に選ばれた牛のぬいぐるみ。
何故僕なのか、当時の両親も今の君も忘れているけれど。
でも、僕を大切にしてくれた素敵な女の子。
怖い夢を見た話。
学校が怖くて落ち着けない話。
とても寒いと抱きしめながらしてくれた話。
友達とケンカした話。
両親がケンカして怖かった話。
テストが上手く行かなくて将来が不安になった話。
素敵な人に出逢った話。
素敵な人とお話した話。
素敵な人に彼女がいた話。
いっぱいいっぱい、お話してくれた愛衣ちゃん。
今ではすっかりボロボロで、毛並みもはげてきた僕だけど。
目を縫い直したり、綿を詰め替えたり、何度も治してくれた愛衣ちゃん。
今までいっぱいありがとう。
だから――
大丈夫だよ――
東京で大変でも、強く成長したから、君は大丈夫だよ。
東京での環境ががらりと変わっても、君は大丈夫だよ。
とても素敵な君だから、素敵な処でも君は大丈夫だよ。
僕も――
大丈夫だよ――
バイバイ——
送る言葉 @Pz5
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます