あとがき【ネタバレ注意!】

 この度は「ユーコとトモヤの妖怪退治」を読んでいただきありがとうございました。


 今作は前作「私の天使」と違い、よりいっそう「シュールで理不尽」なテイストを目指したので、キャラクター一人一人の扱いは軽く(そうは言っても割と重かったかも?)、滑稽にも見えるよう描いたつもりです。ちゃんとその通りに表現できていたでしょうか?登場人物たちの人間模様は、あなたにはどのように感じられたでしょうか。感想・ご意見等お聞かせください! 


 一方で、今作は前作と同じ世界観であることもあり、「優子と智也の関係」・「司と叶多の関係」がどことなく対になっています。(前作をまだ読んでいない方も、よろしければ是非……。)

 智也君はヒーローとしての優子さんに憧れていましたが、結局は彼女の正義とは相容れずに袂を分かつことになりました。優子さんは彼の気持ちが結局わからないまま(あるいは無視して)大人になり(前作参照)、智也君自身の物語は始まらないまま終わってしまう。


 また、私はこの「現観虚」と言うコンテンツ活動全体で、「人間の旅」を一つのテーマにしていますが、今作はそのコンセプトからは外れています。敢えて言うなら、智也君は自身を「人間」とみなしつつも旅を止めた人……と言う位置づけになるでしょう。


 ちなみに、一番コンセプトにこだわって書いた「キャラクター」は(お分かりかと思いますが)「小さな皇帝スローエンペラー」です。優子さんがいなければ彼が主役と言ってもいいくらいですね。言わずもがな、みんな大好き「少年の日の思い出」(に対する生徒たちのイメージ)がモチーフになっております。


 当初は優子さんを精神的に追い詰めるだけの出番のはずでしたが、せっかくなのでクライマックスに派手なことをしてもらうことにしました。……そしてその結果、派手にボコボコにされる役回りになってしまいました(これがこの世界観のパワーバランスです)。

 でも、その方が結果的に彼らしかったと思います。……ところで、あなたはどの怪異が一番好き/嫌いだったでしょうか?


 最後に、今後の活動についてです。


 忙しくなってきたのでしばらく長編を書くことはありませんが、「あのにます:怪奇幻想断片集」は引き続き不定期更新となります。

 そちらも含めて、今後もまた機会があればお会いしましょう。



 改めまして、最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

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