「面白そう」と思わせよう

■最初から「面白そう」と思わせよう


 現在は、タイムパフォーマンスの時代。

 限られた時間に面倒な文字を読んでもらうのが小説という娯楽。

 たとえ無料でも、無駄なものは「損」なのです。


 あなたの作品のライバルは、小説掲載サイト内の小説だけではありません。

 コスパとタイパのあるクオリティーの高い映画や漫画、アニメ、YOUTUBE、Tiktok、小説投稿サイトの作品、ツイッターなどのSNS、ゲームなどなど。

 もちろん、出版されている小説もすべて、「自分の時間を消費して見る価値があるのか?」と判断されています。


 つまらない、無駄と判断されれば無視されます。

 現代を生きるわたしたちは、とにかく飽きっぽい。

 おぼえがあるでしょう。

 とくに小説は「つまらないから読むのをやめる」率は高いです。

 お金を出して購入した作品は、読んでくれる可能性があります。

 対価を払った分、損をしたくないから。

 ですが、ネットを介して作品を無料で見れるものは、読む理由がなければ、さっさと離脱します。

 だからこそ、作品のタイトル、冒頭から「面白そう」とおもわせなくてはなりません。

 最初の六行で、読むかどうかを決めます。

 ネット小説は、タイトルで決めます。

 ですから、タイトルと最初の数行に、読者が「面白そう」と思えるツカミを書く必要があります。

 事件を起こす必要はないけれども(起こしてもいい)、主人王が誰で何をしているのかを描いたり、きれいな描写を見せるなど、何かしらの方法で読者の気を引く書き方をしなくてはいけません。


■面白い話を書くには


 謎と解答のある話を書きましょう。

「謎があれば答えを知りたくなる」人の習性を利用するのです。

 ミステリーはもちろん、サスペンスやアクション、恋愛ものにも謎と解答が盛り込まれています。

 殺人事件ならば、「目の前にいる人は、いつ、誰に、どうして、どうやって殺された?」という謎に対して、「犯行時間と殺害動機、手口と犯人」の解答があります。

「目の前にいる人は誰が好きで、どうしたら落とせるのか?」という謎に対しては、「こうすると落とせます」と解答があるのです。

 謎を解くときに、色々なタイプのキャラクターが意見を出すことで個性を描きわけ、出された意見では謎が解けなくとも面白い展開となるのも謎解きの面白さである。

 解答にたどり着くのは大事だけれども、面白さは謎を解いている過程にあるのです。

 ゲームを思い出せばわかるでしょう。

 シューティングでもアクションでも、夢中になって困難をくぐり抜ける場面を経て、ゲームクリアするから達成感が得られて「面白い」となるのです。

 

 みんなが楽しめるよう、クイズには選択肢を用意されています。

 答えは選択肢の中にあるので、難しい知識を知らなくとも参加でき、楽しむことができるのです。

 同じように、謎に対しても選択肢を提示することで、読者をお話に参加させ、楽しませることができます。

 飽きっぽい読者でも楽しめるよう、選択数を絞ります。

 AとB、どちらか一つを選ぶことは誰でもできるでしょう。

 問題に答えなければならない状況を作り出し、制限時間を設けて相手を焦らせ、選択肢は二択以外にないと思い込ませる。

 緊迫感が高まるなか、第三の選択肢を選んで解決すると、出題した人物さえ思いもしなかった答えに、読者も驚かすことができる。

 ギャンブルものやデスゲームなどでは、「誰もが予想しなかった方法で勝つ」展開が何度もくり返される。

 どんでん返しのくり返しは、読者を楽しめせることができます。

 作者は手品師のように、勝ち筋や攻略方法を読者に気づかせないよう、さりげなく他に目をそらさせる必要があります。


 ストーリー全体の展開では、「このあとどうなる?」「どう勝つ?」「どう逃げる?」など絶体絶命や新展開の場面も謎になります。

 状況が困難であればあるほど、読者を強く引き付けます。

 とくに各話の終わりで、主人公が絶体絶命に陥ったところで「つづく」という展開は、読者の吸引力を高めるので、次を読んでもらうためにも利用しよう。

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