3日目
眠りこけている三人。
強い日差しで目覚める。
ゆうき
「あれ?もう昼かも……。」
井ノ上
「えぇ!?」
健一郎
「キツいっすね。」
暫く、ボーッとする三人。
のそのそ起き上がり、各々準備をする。
健一郎、遠藤が使う予定だったバスタオルセットの中から、二つ折りのメモを見付ける。
確認するとポケットにしまう。
各々、朝食を取る。
ミッションを探し始める。
井ノ上
「なかなか見付かりませんね〜。」
ゆうき
「そうだね。」
健一郎
「まだ探します?」
井ノ上
「え?」
ゆうき
「だって、ミッションクリアしないと出られないよ。」
健一郎
「もう出る事が目的じゃ無くなってるでしょ?」
ゆうき
「……そんな事ないよ。」
健一郎
「だったら、自分を解放すれば良いじゃないですか。」
ゆうき
「……。」
井ノ上
「……何か俺、もう良いや。これ以上ギスギスするくらいなら十万要らない。
バイトあるし。」
ゆうき
「……。」
健一郎
「俺、こんなの見付けたの。」
健一郎、二つ折りの紙を開く。
そこには『解放してあげる券』と書いてある。
驚く一同。
健一郎
「これで、井ノ上君を解放してあげる。」
井ノ上
「ありがとう。」
井ノ上、仮面の二人組と共に出て行く。
とても軽やかな足取り。
健一郎
「あれから、やっぱり十万円欲しくなって……。
これ見付けた時、どう出し抜いてやろうか考えてたんですけど……。
なーんか、バカバカしい気持ちも強くなったんですよね。
ゆうきさん、もう俺しか居ません。どうしますか?」
ゆうき
「……。」
健一郎
「俺はどっちでも良いです。」
ゆうき、解放権を発動する。
扉が開く音。
健一郎、出て行く。
ゆうき、立ちすくむ。
ゆうきの後ろをを下から撮るアングル。
ゆうきの背中に隠れて外が見えない。
声が聞こえる。
女
「あっ、ゆうきさん。おはようございます!」
遠藤
「おはようございます。あれからどうなりました?」
扉の鍵が掛かる音。
(終わり)
バージンゲーム @yuzu_dora
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