佐久美家という名家

それは、代々受け継がれてきた

とある幼いお姫様のお話である。


大きな窓から太陽の光が降り注ぐ

大きく欠伸をし眠気眼を擦り

1日がはじまる。

桃「よいしょっと」

お金もちが来てるようなパジャマを脱ぎ

制服に袖を通す。髪を整え

リビングへと足を運ぶ。

桃「おはようございます。」

母「おはよう、桃」

桃「お母様!」

母「もう、ご飯できてるから先にお食べなさい。」

桃「分かりました。」

お父様の姿が見当たらない

きっと、業務に励んでるのであろう。

桃「ご馳走様です。」

再び部屋に戻ると

鞄を手に持ち

桃「行ってきます。」

母「行ってらしゃい。」

微笑み返し

外にある車へと乗り込む。

桃「おはようございます、執事さん。」

執事「おはようございます、お嬢様。」

あの日、約束を破ってから

お父様が心配だからと

登校時、下校時は送り迎えすることになった。

学校までの時間

他愛もないごく普通の会話を繰り返す。

執事「そういや、友達とは仲良く」

桃「え、あ、、うん!真とすうはさんとは仲良くしてもらってますよ。」

執事「それはそれは良いことです。」

普段は一切

真とすうはさんのことを聞いてこない執事さん

桃「なんで、ふたりのことを?」 

執事さんは、数秒口を閉じ

改めて口を開ける

執事「私は、お嬢様が幼い頃からお嬢様の側におりましたが、、、、あんな風に笑うお嬢様を見たのは初めてでしたので。」

桃「、、、、、そうでしようか?」

執事「はい、心から笑ってらっしゃるお嬢様はのようで」

桃「私は、、」

執事「着きましたよ」

桃「あ、、ありがとうございます!行ってきますね!」

執事「いってらっしゃいませ。」

急いで校門を通り

教室へと向かう

桃「おはようございます!」

ただ

恥じぬように

汚さぬように

佐久家の娘として

振る舞う人形である。


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