第6話 勇者と魔法使いのショートコント1
※魔王と絡んでいる勇者とは別の勇者のお話です。
勇者
「ようやく念願の魔法使いを仲間にできたぞ!」
魔法使い
「よろしくお願いします」
勇者
「さっそくだけどそこにスライムがいるから倒してくれないか?」
魔法使い
「おら!」
勇者
「……」
魔法使い
「殺しましたよ」
勇者
「さっき殴ったよね」
魔法使い
「殴り殺しましたが」
勇者
「魔法は?」
魔法使い
「私は確かに魔法も使えます。でもこれくらいの敵に魔法なんてもったいないですよ」
勇者
「そ、そうなのか。ちなみにどんな魔法が使えるんだ?」
魔法使い
「まあトマホーク系とかニトロ系がありますね」
勇者
「なんか両方危ない臭いしかしないんだけど」
魔法使い
「魔法ですからね。魔法は兵器です。」
勇者
「えー……。あ! あんなところにゴーレムが!」
魔法使い
「私に任せてください。この魔法の杖で殺します」
勇者
「今度こそ魔法を使うのか!」
魔法使い
「フン!」
勇者
「……」
魔法使い
「殺しました」
勇者
「今殴ったよね」
魔法使い
「はい杖で殴り殺しました」
勇者
「魔法は?」
魔法使い
「しかし勇者さん、私の魔法は一番威力の低いものでも半径1㎞を灰に出来るんです。こんな近くで使ったら私たちまであの世行きですよアッハッハッハ!」
勇者
「怖えよ!」
魔法使い
「ねえ勇者さん! もっと面白い話しましょうよ! モンスターの殺し方とか拷問の器具についてとか!」
勇者
「何テンション上がってんだよ! お前魔法使いじゃねえだろ!」
魔法使い
「魔法使いですよ。だって私の魔法はあなたを笑顔にするためにあるのだから!」
勇者
「いやさっきから顔引きつりっぱなしだよ!」
魔法使い
「あ! あんなところに村人が居ますよ勇者さん!」
勇者
「殺すなよ! 絶対殺すなよ!」
魔法使い
「フリですか?」
勇者
「違うわ!」
魔法使い
「拷問は?」
勇者
「駄目に決まってんだろ! この変態サイコパスが!」
魔法使い
「じゃあ何ならいいんですか!」
勇者
「何でキレてんだよ! 挨拶くらいにしとけ!」
魔法使い
「あいさつ代わりに腹パンですか!?」
勇者
「ファック!(おちつけ、おちつけ俺)おい魔法使い」
魔法使い
「はい」
勇者
「お前、どうして魔王討伐に加わりたいと思ったんだ?」
魔法使い
「それはもちろん、大義名分(のもと私の殺りく魔法で暴れまわり、魔王軍を1匹残らず葬りたいと思ったからです」
勇者
「うわあ……」
魔法使い
「今ドン引きしましたね?」
勇者
「い、いや別に。じゃあ村人を殺すことに、お前の言う大義はあるか?」
魔法使い
「……無かとですね」
勇者
「なんでいきなり博多弁になった」
魔法使い
「すみません勇者さん。私久しぶりにモンスターと戦って興奮しすぎてました」
勇者
「いやもうビックリしたわ。でも魔王を倒すためにはお前の力が必要だ。これからもよろしく頼むぜ」
魔法使い
「そう言ってもらえると嬉(うれ)しいですね。……あ、勇者さんの頬にハエが」
勇者
「え?」
魔法使い
「動かないでください! 今この魔法の杖で勇者さんごと……!」
勇者
「俺も殺す気じゃねえか!!」
終わり
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