第5話

とある部屋。

棚には、様々な木彫りグッズが置かれている。

ドアが開く。

おばちゃんと女性が入って来る。


おばちゃん

「どうぞ。」

女性

「お邪魔しまーす。」


女性、部屋を見回す。


女性

「わぁー!可愛いオーナメントがいっぱい!」


照れ臭そうにするおばちゃん。


女性

「もしかして、これ全部手作りですか〜?」

おばちゃん

「そうなの。……趣味で。」

女性

「凄いですよぉ!私にくれたのもですか?」

おばちゃん

「……えぇ。」


嬉しそうな女性。


おばちゃん

「今、お茶、淹れますから。ゆっくりしていてください。」


おばちゃん、女性の後ろの台所へ行く。

女性、座ってキョロキョロする。

1つの棚が目に止まる。

そこには動物のモチーフ。


女性

「鼠、牛、虎……。もしかして、この棚は干支がモチーフなんですか?」

おばちゃん

「よく分かりましたね〜。この棚は特別なんです。」

女性

「へー。」

おばちゃん

「一年に一度、彫れればば良い像なんです。」

女性

「そうなんですかぁ。凝ってますねー。」

おばちゃん

「貴女には兎が合うと思って、お渡ししました。」

女性

「そんな大切な物、良いんですか?」

おばちゃん

「……貴女は特別ですから。」

女性

「……友達、って事ですかね?」

おばちゃん

「嫌ですよね、すみません。」

女性

「そんな事ないです!嬉しいです。」


おばちゃん、お茶を持って来る。

女性とおばちゃん、はにかみ合う。


おばちゃん

「ちょっと手作りのお菓子、持って来ます。」


キッチンへ戻るおばちゃん。

何かを混ぜる音。


女性

「手伝いましょうか?」

おばちゃん

「大丈夫です。直ぐに出来ますから。」


女性、また棚を見る。

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