第25話 女子高生に囲まれて
「え、えへへ……ハジメくんのお
マリアは俺の片腕にぎゅっと抱き着き、片時も離れないまま隣を歩く。
……今、俺たちは下校の最中。
周囲には普通に人通りがあるのだが、そんなの気にするかとばかりに彼女は俺にベッタリだ。
当然、道行く人たちの視線を集めまくりである。
「え~っと……マリアさん? やっぱりちょっと離れない?」
「……ハ、ハジメくんは、マリアのこと、嫌い……?」
「うっ……」
――かわいい。
かわいいが過ぎる。
しかも絶妙な身長差のせいで上目遣いで見てくる。
こんなん卑怯だろ。
突き放せるワケないじゃん……。
「き、嫌いなはずないよ。マリアさんはとってもいい子だし」
「う、嬉しい……! ハジメくん、だ、大好き……!」
さっきにも増してむぎゅ~っ!と抱き着くマリア。
うぅ……誰か、誰か助けて……。
このままじゃ俺ロリコンになっちゃう……。
いや、世間一般からすれば俺もショタだが……。
「と、ところでさ、マリアさんはどうして
「……? あ、遊びじゃ、ない……。これは、ハジメくんの将来に、必要な
「しょ、将来……? 条件って?」
「ハジメくんにとって、大事なこと……。じょ、
……答えが答えになってない。
というか会話が成り立たないというか……。
本当に不思議な子なんだよな。
いや電波ちゃんというべきか。
口下手なこともあるだろうけど、彼女の発言がなにを意図してるのかイマイチ伝わってこない。
でも少なくても悪意がある様子はないし、悪戯とか悪ふざけって感じでもない。
彼女なりの善意ってのは明確に伝わってくるんだよな。
だから邪険にもしづらいのだが――
「……あっ、ハ、ハジメくん、止まって……」
「? どうしたの?」
「も、もうすぐ、ここを通る……」
「通るって――」
誰が? なにが?
そう聞き返そうとした矢先、
「――あ! ハジメくん、おーい!」
遠方から手を振る女子高生の姿。
帰宅時間が
彼女の周りには友人らしき女子高生たちもいる。
「奇遇じゃん! ハジメくんも今帰りなの?」
「うん。先生たちのお話しが長引いちゃって――」
「ちょっと
「ヤッバ、超かわいいじゃん!」
「お姉ちゃんたちと握手しよ、握手! う~ん、お肌スベスベ~!」
ま、まさかこの俺がJKにチヤホヤされる日が来ようとは……。
これも有名になった10歳児の特権だとでもいうのか……?
嬉しいし照れ臭いけど、罪悪感凄いから勘弁して……。
俺の中身は子供じゃないんだ……。
そんな友人たちを見た
「ちょっと、ハジメくんにベタベタすんのやめて。犯罪だよ、は・ん・ざ・い!」
「な~に? ジェラってんの
「同じ学生同士だからいいじゃん、ね~ハジメきゅん?」
「え、えっと、その~……」
返答に困っていると――俺の背中の裾、マリアがきゅっと掴んでくる。
「ダ、ダメ……。ハ、ハジメくんは、マリアの、お婿さん……!」
「お、この子もかわいい~」
「もしかして付き合ってたり? 大丈夫、お姉ちゃんたちハジメくんを取ったりしないから」
「う、うぅ……」
人見知りを発動して、女子高生たちと目を合わせられないマリア。
助け出してくれるのはありがたいけど、お婿さん発言は誤解を招くだろ……。
「もう、アンタらいい加減ハジメくんから離れろって――って、あれ?」
マリアに視線を向けた
どうやら気付いたようだ。
「ハジメくん、その子……」
「うん、彼女も魔力保持者なんだ。僕のクラスメイトで、
「へぇ~、同クラに魔力保持者がいたんだ! よろしくね、マリアちゃん!」
「……」
マリアは恥ずかしそうに俺の背中へと隠れる。
――と同時に、コショコショと俺に耳打ちした。
「え……?
「? どしたの?」
「えっと……
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近況ノートで『督姫マリア(10歳)』のキャライラストを公開しております。
https://kakuyomu.jp/users/mesopo_tamia/news/16817330654425480515
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