第14話 修復作業


 屋根では、ジャックが作業する場所を分担し、風が少し強いなか、それぞれが修復に取りかかる。


 マリーは、教会の後ろ、神父様達が使う応接室や団らん室などがある辺りの屋根を修復し始める。

 そこには、今日は使用禁止にしている煙突があり、風避けにしながら作業ができるので楽だった。


 ジャックとケニーは、教会の正面にあたる屋根で、風と格闘しながら修復している。

 マリーは、しばらくジャックを見ていたが、我に帰って、修復に集中する。


 修復は、まず汚れをすべて取り除くことから始まる。

 魔法で汚れを取り除くと、穴や亀裂が目立つようになった。

 汚れは、慎重に魔法を使えば楽だが、そのあとの修復には、慎重さと技術が必要だ。

 亀裂に魔法を慎重にかけていく。

 綺麗な青白い光りが亀裂を埋めていく。

 ゆっくり、ゆっくりと青白い光りが伸び、汚れが溜まっていた穴も埋めていく。

 もうこれ以上無理なとこまで伸ばすと、青白い光りは、外壁と同じ色になり、亀裂や穴など無かったように、綺麗になった。

 マリーは、ホッとしたが、この魔法をまだまだ続けなければならない。

 もう一度、集中。

 今度は、もっと広範囲に魔法をかけ始めた。


 マリー達は、風と戦いながら、屋根の素材を構築していく。





 ソウザ先生が、屋根に着地した。


 マリー達の魔法を確認して、大きくうなずく。

 この風のなか、彼らの頑張りに満足していた。

 もっと楽に魔法を使うには、経験が必要だろう。

 でも、この頑張っている姿を見るかぎり、心配はいらないはずだ。

 彼らは、どんどん経験を積んで頼もしい魔法使いになるだろう。



 先生が来たことにも、気づかないほど、マリー達は集中していた。


 

 マリーは、この修復を提案して良かったと思った。


 みんな頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃ!


 絶対、みんなで成功させてみせる!

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