第2話 教会で思ったこと

 慈善活動をするために、マリーは教会にいた。

 食事を配ったり、教会に隣接されている宿泊所の準備を手伝ったりしていた。

 かなり寒くなり、もうすぐ厳しい冬になる。


 ひとりの老人が祭壇の所で、神父様と話している。

 マリーは、この老人をよく知っていた。

 フィリップさんという老人は、ほとんど教会に住んでいると同じだったからだ。


 食事を配り終え、叔父が神父との挨拶すませた所でマリーは帰ることになった。


「この冬は、大分雪が降りそうだ。教会に隣接する宿泊所の修復や、増設を急いでいるが中々進まないらしい。」

 叔父がため息をついている。

「どこも手一杯でね。寝床を確保出来ずに死者も増えるだろうと神父が嘆いていたよ。」


 流行り病による人手不足や資材の運搬の滞りなど、問題は多いようだ。


「叔父様、魔法学校で何か取り組めないかしら。」


「そうだね。マリー達が困っている人達の手助けをすることで学びにもなるだろうし、君のお父さんと話して学校に相談をしてみよう。」


「ありがとう。叔父様!」


 マリーは、家に着くと父、母、弟二人、妹と叔父に囲まれ食事を済ませた。

 父と叔父が、話をするために書斎にこもってしまったので、マリーには、細かなことは分からなかったが、二人の大人に任せて、自分の部屋に戻ることにした。


 マリーは、明日、学校に行ったらジャックと話して、一緒に図書館で役に立ちそうな魔法をたくさん探そうと思った。

 これで少しは、ジャックとの距離も縮まりそうな気がした。



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