第130話 閑話 ルシウスの休暇
「東部のポタラ領から帝国軍が離脱! 北部へと進路を変えた模様です!」
机に突っ伏して寝ていたルシウスが「はっ」と起きた。
窓から見える中庭には、朝日が降り注いでいる。
――ああ、寝落ちしてた
今、ルシウスがいる場所は王都ブラッドフォードの王城である。
帝国軍による挟撃侵攻に対抗するべく、作戦室で指揮にあたっていたのだ。
昨晩も夜遅く――明け方近く――まで、軍議に明け暮れていた。
結果、作戦室は
その
「ポタラ領から……離脱……だって?」
「やったぞッ!」
「東部戦線は維持できた!」
ポタラ領とは東部の東にある領で、帝国と面している。当然、今回の侵攻の矢面に立った場所の1つでもある。
そこから帝国軍が撤退したという知らせ。
つまり戦況は一気に王国側に傾いたことを意味していた。
作戦室の淀んだ空気が急に明るくなる。
横で寝落ちしていた青年シリルも目を覚ました様子で、メガネを掛けながらルシウスへと話しかける。
「や、やりましたね! 千竜卿」
「ええ、まだ予断を許さない状況ですが、王国側有利と見ていいと思います」
ほころぶ2人の背後から首をゴキッゴキッと鳴らしながら、40代の男が近寄った。
近衛師団長マルクである。
「今日くらいは皆を休ませましょう」
「そうですね。戦いが始まって9日間、まともに休めていないですから」
ルシウスは同意した後、声を張り上げる。
「皆さん、今日は夜まで休みにします。家に帰れていない方も多いでしょう」
作戦室の中は、更に歓喜の声で満たされた。
その中で近衛騎士団長マルクも、ルシウスへと促す。
「千竜卿もご
「いや、自分はここに残ります。誰かが残らないと。それに、今このときも戦線にいる貴族や騎士たちは戦っています」
「気を張りすぎです」
近衛師団長マルクの顔が曇る。
シリルも同意するように首を縦に振った。
「【塔】で何があったのかは存じ上げませんが、少しは息を抜きましょう。いくら特級魔術師でも、あなたは人です」
残った周囲の家臣たちも強く
「……わかりました」
ルシウスは仕方なく席を立ち、作戦室を後にした。
徐々に平時を取り戻しつつある王都を歩く。
不思議なことに、その足取りは軽くはない。
――なんて言おうか
理由はルシウスが【塔】の中で経験したことにある。
精神の牢獄に4年間、幽閉されたのだ。
その中で両親、恋人、幼馴染、戦友、すべてを失った。
それは幻覚ではなく、もう一つの現実であった。
今は帝国と戦争状態にある。
優勢ではあるが、気を抜ける状況にない。今この時も最前線では、自分の命令により多くの兵が命を落とし、帝国の魔道具の材料として連れ去られている。
総司令である自分が、気を抜いてはいけない。
だからこそ、家族に会うことで、その緊張感が緩んでしまうことを避けていたのだ。
「……いつも通り、いつも通りだ」
ルシウス以外は精神世界に幽閉されていたことなど知らない。
他の人からすれば、10日程度離れていただけ。
「よし」
ルシウスは大きく3度ほど深呼吸した。
「ただいま」
滞在している下宿の扉を開ける。
「イーリス、スプーンを持っていかないで。料理が出せないでしょ?」
「ははっ。やだー、こであそぶのぉ」
母エミリーが、妹イーリスのいたずらを
「エミリー様、私が取ってきますね。イーリスさんもお母さんを困らせないであげてください」
精神世界で愛し合ったローレンが、妹イーリスを困った顔で見つめていた。
「エミリー様。ご飯はまだでしょうか? 僕、お腹ペコペコです」
「こら! 領主様の奥様なんだぞ? なんで領民のポールが料理を
「だって、エミリー様のご飯、すっごい美味しんだよ。早く食べたいから」
「だったら、手伝うんだ!」
いつも通りの幼馴染である双子の兄弟。
たまらなく嬉しかった。
視界が、うるうると
「あ、兄にだ! やっと帰ってきた!」
まだ幼い妹のイーリスがいち早く気づき、駆け寄ってくる。
――生きてる……笑ってる
何一つ変わってなどいない。
変わっているなど、あるものか。
「兄に? 泣いてるの?」
「えっ」
ルシウスは自分の溢れそうになる涙を、素早く
「こけちゃったの?」
心配そうに覗き込むイーリス。
「ルシウスッ!」
抱きついてきたのは双子の弟ポール。
豊満な肉体でルシウスへと擦り付ける。
「ポール、重いって」
「許してやってくれ。王都に帝国軍が流れ込んだときに、ルシウスの術式で作られた竜騎士団が助けてくれたんだ。本当、あともう少しで殺されそうだった」
「ルシウスの式は怖いと思ってたけど、あの時はすごく心強いんだって」
「わかった、わかった」
ルシウスは双子の弟ポールを引き剥がした。
「ルシウス。もうお仕事は大丈夫なの?」
手をエプロンで拭きながら母エミリーが近づいてくる。
「母さん、ただいま。ちょっと休憩で寄っただけだからすぐに戻らないと」
「……無理しすぎないようにね。ご飯くらいは食べていける?」
「少しなら」
ルシウスは下宿へと入る。
「おかえりなさい、ルシウスさん」
ローレンが控えめに微笑む。そのすぐ横には家に待機させていた傀儡ソルがいる。
「……ただいま、ローレン」
とっさに、その姿を抱きしめたくなり、手が少しだけ開いた。
が、それを咄嗟に握りつぶした。
――違う、あのローレンじゃない
ルシウスが精神世界で過ごしたときに、愛し合ったローレンではない。
抱きしめるわけにはいかない。
「どうしたんですか? ルシウス」
「な、なんでもないよ。ほんとに」
慌ててて否定したルシウス。
「やっぱり疲れてるじゃないいの? 責任は重大かもしれないけど無理しすぎないようにね」
母が席へと座るよう促すと、すぐにご飯が出てきた。
「いただきます」
席に着いて、ゆっくりご飯を食べるなど何日かぶりだ。
さっそくスープを口に流し込む。
――母さんの味だ
胸の底がじんわりと温かい。
久しぶりの味を楽しんでいると、母エミリーが不安そうに尋ねてきた。
「ルシウス、戦況はどうなの?」
この戦いに関心のない貴族などいない。
特に母にとっては、関係者には父ローベルや村人たちも含まれているのだから。
「気を抜けないけど、悪くはないよ」
作戦や具体的な状況は家族であっても、口外できないため、曖昧な返事となってしまう。
その事を十分に理解している母エミリーもそれ以上、追求しない。
「そうね。東部も大変そうだし、北部や南部にも戦火は広がるのでしょうね」
すでに拡がっているのだが、ルシウスは口を横一文字に閉ざしたまま。
「ねぇねぇ、お母さん。お父さんにも何かあったの?」
「大丈夫よ。何でもないわ」
妹イーリスも幼いながらに察したのだろう。
母エミリーが心配そうな顔を浮かべるのは、家族か村のことであることを、よく理解しているのだ。
「……お父さんに会いたいよ。村のみんなにも」
イーリスが悲しそうにうつむいた。
故郷の村を離れ、慣れない王都へと連れてこられたが、村に帰りたいなどと口にしたことはなかった。まだ4才のイーリスなりに、気を使っていたのだろう。
暗い会話により、不安が限界を超えてしまったに違いない。
「あと少ししたら会いに行こうね」
母エミーが
「嫌。今から行く。お父さん、さみしくて泣いてるがも……うぅ……じれない」
イーリスの瞳から涙がこぼれ落ちた。
今は戦争状態である。気軽に州をまたぐ移動などできはしない。
困った顔を浮かべる母エミリー。
――会いたい……か
精神世界で過ごした時、父はすでに殺されていた。
救えなかったことをずっと後悔し続けていたのは、他ならぬルシウス自身だ。
「イーリス。父さんが泣いてないか、俺が見てくるよ」
「兄にが?」
「そう。だからイーリスも泣かないで。父さんがもっと悲しくなるから」
「……うん」
ルシウスは妹の頭を
反応したのは、母エミリー。
戦争がある方向へ向かおうとしている、息子を思ってだろう。
「まさか……竜に乗っていくの?」
「いや、それだと時間がかかりすぎる。写し身で行くよ」
ルシウスはご飯を口へかっ込むと、立ち上がった。
「ルシウスさん。もう戻られるのですか?」
ローレンも分かれを惜しむように立ち上がった。
「うん、元気が出てきた。城に帰るよ」
「あんまり仕事を詰めすぎないようにしてくださいね」
「わかってる」
家族や友達に見送られ、家を後にしたルシウス。
城へ戻るとすぐに千竜卿の権限により、貴重なドッペルゲンガーの契約者を手配してもらった。
そして王の一室で、ソファーベッドへ腰掛けるルシウス。
「いきますよ、千竜卿」
「お願いします」
ドッペルゲンガーの契約者が背中へと右手を当てる。
「お気を確かに」
契約者が背後から魔力を込めて式を放つ。
砲魔の一種ドッペルゲンガーは意識だけを飛ばす術式を持っている。
すぐさま景色が変わり、王都の上空へと舞い上がった。
そのまま大空を飛ぶルシウス。
意識だけで飛ぶ速度は、邪竜の飛翔速度を遥かに超える。
まるで電波にでも乗っているかのような速度だ。
いくつもの山や丘、いくつもの村や畑を飛び越えて、目に入ったのは、雲を貫く山々だ。
――クーロン山
あの山のどこかにユウの式であった
そう思うと胸が締め付けられる。
着いた場所はタクト領。
かつてルシウスが2年間滞在していた領だ。
巨大な山々の下に見えるのは麓町。
広大なお茶畑の中に、ひっそりとある小さな町だ。
東部を発って2年以上だが、あの時が遠い過去のように感じる。
だが、昔の記憶には無いものが1つだけ目についた。
――砦だ
麓町とクーロン山を分つように作られた
レンガの高い城壁が設置された重厚な砦だ。
そこが最初の目的地である。
砦の中庭へと降り立ったルシウス。
そこは殺伐とした雰囲気であった。
騎士の制服を着た者達と、真っ白なレース付きの鎧を着た少女が整列している。
皆、一様に険しい表情だ。
その眼の前に降り立つ形となった半透明のルシウスへと視線が集まる。
一番最初に反応したのは、騎士の最前列に立つ2人。
カラン師団長とシャオリア旅団長だ。
この砦の責任者でもある。
「ルシウス卿」
「ルシウス殿」
直近で見た2人は死に顔であったが、今は血色よく覇気もある表情だ。
そのことが嬉しくて、たまらない。
「久しぶりです、本当に」
最期のその時まで一緒にいた存在。苦しくも辛い日常をともに過ごした。
ルシウスは思わず2人を抱きしめてしまった。
先程は実体であるため、思い留まることができたが、写し身であることで気が緩んでしまったのだろう。
「おやおや、どうしたんだい?」
「え、ちょ、ちょっと、どうしたの!?」
戸惑う2人。
写し身は実体を持たない。
抱きしめたところで触れるわけではなく、素通りするだけだ。
それでも暖かい。
「……いや、久しぶりだったので」
「そうかい? この前あったばかりじゃないかい?」
カラン師団長にとっては、王都の騎士団本部で会ったのは、つい数週間前である。
「地下に繋がれている、あの人の件は任せてください」
カラン師団長は目を見開く。
そして、小さく笑みを作った。
「……ああ、お願いするよ」
たちの列をかき分けて現れたのは、白いレースの着いた鎧を身にまとった美しい少女。
ここタクト領の領主オリビアである。
「ルシウス、なんでここに」
「やあ、オリビア」
「やあって……」
「少し顔を見に来ただけ。みんなの」
「呆れるわ。ルシウスは王の
嬉しそうに小さくため息を着いたオリビア。
「これから出兵するんでしょ?」
「そうよ。今はその壮行会で――」
ルシウスは言葉の途中で、オリビアを抱きしめた。
「ル、ルシウスッ!?」
慌てふためくオリビア。
「絶対に無理はしないで。もし無理だと思ったら迷わず、俺を呼んで欲しい。どんなことがあっても、必ず駆けつけるから」
「う、うん」
落ち着きを取り戻した、オリビアは耳まで真赤にして、小さく
一連を見せつけられていた騎士たちがざわつき始め、
「静かにしないさいッ! ったく、これから戦いに行くのよッ!」
シャオリアの怒声が響く。
「シャオリア旅団長、どうしたんだい? 少し気が立ってるようじゃないか。 まさか失恋でもしたのかい?」
「カラン師団長ッ!」
カランを睨みつけるシャオリア。
「はは、冗談冗談」
騎士たちの笑い声が響く中、ルシウスはオリビアから手をはなした。
「じゃ、戻る」
「え? もう!?」
「ドッペルゲンガーはあまり長い時間維持できないから」
「そう。ルシウス、戦いが終わったら、王都に行くわ」
「待ってる」
写し身を維持してくれている存在へ、術を解くように働きかけるとふっと体が消え、同時に意識も消える。
目が覚めると、再び王城だった。
「あと1つだけお願いします」
「ええ、もちろんです」
再びルシウスの意識を飛ばしてもらう。
また空へと舞い上がり、高速で王国の上を飛翔し始めた。
西部を超えた頃、眼下には自分の領であるオーリデルヴとその唯一の街であるブルギアが見える。
領の面々とは一昨日も逓信の術式で会話したばかりだ。
都市ブルギアの背後に続く広大な森、シルバーウッド。
父ローベルが収める領地である。
そのままシルバーウッドの森を超えていくと、小さな村が見えてきた。
――着いた
生まれ故郷のシルバーハート村だ。
実家である屋敷の裏庭へと飛び降りたルシウス。
まだ幼い頃、この裏庭で父と剣術の稽古に明け暮れていたことが懐かしい。
「ルシウス様、どうしてここに」
声に振り向くと、洗濯物を干していた侍女マティルダが驚いた表情を浮かべていた。
「ただいま、マティルダさん。少し休みが取れたので――」
そのまま駆け足で近寄ってくる侍女マティルダが言葉を被せる。
「王都での戦いについては、奥様からお手紙で聞きました。お怪我などはありませんか!?」
マティルダが、ルシウスの
「実体……ではない……のですね」
「ええ、ドッペルゲンガーによる写し身ですから」
残念がるマティルダの右手から魔力がこぼれ出る。
「あら、ティンク?」
「ティンクも元気してた?」
ティンクとはマティルダが契約している妖精である。
右手から現れた妖精はルシウスの周りを何度か飛んだ後、右手へと口づけをした。
まるで好意と敬意を表すように。
――妖精王を感じ取ってるんだ
式は肉体に宿る。
写し身では妖精王こと、サマエルはいないのだが、それでも魔力の
「マティルダさん、父さんは?」
「旦那様は村はずれの広場に行っております」
「村外れか、それなら会いに行ってきます」
一言だけ残して、ルシウスは再び空へと上がり、周囲を見回した。
――あれか
村はずれの広場には、村の魔術師たちと、馬にまたがった父がいた。
今から父たちも出兵するのだろう。
すぐさま近寄り舞い降りたルシウスに、村人達が一斉に声をかけてくる。
「あれ!? ルシウス様!」
「ホントだ! 坊っちゃん、元気してたか」
「すごい出世したらしいわね」
嬉しそうに笑う村人たちを、かき分けて白髪交じりの男が現れた。
父ローベルだ。
「ルシウスじゃねえか、写し身でどうした?」
「少し時間が出来たから、会いに来た」
「ははっ、それは幸先いいな。総司令がヒマしてるってことは戦いも余裕だろう」
わざと大げさに笑う父ローベル。村人の不安を
「今から州都に向かうの?」
「そうだな。まずはシュトラウス卿の指揮下に入る。最前線に行くかどうかは州都についてからだろうな――って、おい」
ローベルの左手から光の粒子が飛び出て、今度はヒッポグリフのフォトンが出てきた。
ルシウスへと頬をこすりつけるフォトン。
無論、実体がないため、触ることは不可能なのだが。
「フォトンも久しぶり」
「勝手に出てきやがって。魔力がガッツリ減ったぞ。ったく」
仕方なさそうに笑うローベル。
「ねえ、父さん。まだ時間あるなら、後ろに乗っけてよ、昔みたいに」
「後ろ? だってお前、飛べるじゃねえか」
「いいから」
「仕方ないな。乗れ」
ローベルがフォトンへまたがり、あごをクイッとする。
ルシウスは水蒸気のような体を、ローベルの後ろへと体を預けた。
すぐさまフォトンが舞い上がる。
眼前に広がるのは、写し身となってつい先程まで空を飛んでいた時と同じ光景だ。
それなのに、どこが安心感がある。
眼の前ある背中のせいだろうか。
「……ルシウス。なんか、嫌なことがあったのか」
十分な高度まで上がると、ローベルが直球で尋ねてくる。
「……うん。すごく嫌な経験をしたんだ。それがずっと頭に張り付いてる」
精神世界ですべてを失った。そのことがずっと頭から離れない。
「そうか。それは辛かったな」
ローベルは、それ以上何も聞きはしない。
ただ寄り添い、空へ連れて行ってくれる。昔からそうだ。
「いつでも帰ってきていいんだぞ。村の奴らも、きっと喜ぶ」
どれほどそうしたいことだろう。
だが、まだ止まるわけにはいかない。
「……ねえ、父さん」
「ん? 何だ?」
「もし父さんが大切なモノを全部失うかもって時、どうする? それでも全てを守ろうって思う?」
「やれるだけやるさ。無理なら死ぬだけだ」
ローベルは
「死ぬ……だけ」
「だが、それは俺の答え。お前はダメだ」
「なんで、俺はダメなの?」
「見えるか、ルシウス。シルバーハート領とシルバーウッドの森が。そして、その先にはお前の領オーリデルヴがある」
「うん」
「俺はここを守ると決めて、できるだけのことは全部やった。そして今はルシウスお前がいる。だから死んでいい。万が一のときは、お前がこの領を、家族を守ってくれる」
「父さん」
「だからな。お前はまだ絶対に死ぬな。愛する人と家族を作り、次へ繋げたって心から言えるまでな。貴族は民の剣であり盾だ。一人の命じゃない」
「……わかった」
「俺はお前より魔力も多くないし、式も特級には及ばない。頭もお前より悪い。だがな、ちゃんと次へ繋いだぞ。それだけは誇れる。誰が何と言ってもな」
父ローベルがニカッと笑う。
「ほどほどに一発かましてこい」
ルシウスもその笑みに釣られて笑ってしまう。
「父さん、そろそろ帰るよ」
「そうか。俺もこの戦いが落ち着いたら王都に行くから、そこでまた、な」
「うん、またね」
ヒッポグリフにまたがった写し身が霧散し、目が醒める。
王城の一室でむくりと起き上がったルシウス。
――ほどほどに、か
ルシウスは自分の
「よし! 行こうか、共和国へ」
眼の前に見える領も、そして、この国のすべてを守ろう。
そして、必ず戻る。
そう決めたルシウスであった。
=============
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
レビューにて、久々の家族との再開について書いて欲しい(意訳)とあったので、閑話を書いてみました。
王国を出た後、ルシウス以外はしばらく顔を出せなくなる、という事情もありますが。
さて来週から
第7章 共和国編 4体の神
をまったり投稿していきます。
原稿を書き終えるまでは、数日置きの投稿となりますので、ご容赦ください。
書き終えたら毎日投稿します。
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