第117話 悪夢

 ――4年後。


「ルシウス、クレインが呼んでるわ」


 ルシウスを呼び止めたのは、シャオリア旅団長である。


「ああ」


 18歳となったルシウスの全身には、無数の傷跡があり、その後の生活を物語っていた。


 深い森の中の歩き、辿り着いた場所は木陰にある数個のテント。


 中央のテントの中には数名の人間とドワーフがいた。

 その中で特に忙しなく動く男に声を掛ける。


「カラン師団長。標的は?」


「まったく君は変わらないね。私はもう師団長ではないよ、ただのレジスタンスの一味。そして君が今リーダーだ」


「それは分かってます」


 あの日。

 後に落光戦役と呼ばれた戦いにより、王国は変わってしまった。


 4つの州のうち西部を除く3つの州は、わずか1週間で帝国により落ちた。


 帝国の属国となることを条件に、西部の四大貴族であるウェスタ=ウィンザー家が帝国と結託したのだ。


 だが、その当主ディオンもわずか2年で帝国に首をすげ替えられ、失脚したアデライードも自身が見捨てた西部の貴族の関係者にあっけなく暗殺された。


 アデライードに賛同した西部の貴族も、苛烈な帝国の実力主義についていけず、大半が精髄送り。地位や権力によりもたらされる利益が、自身の能力によるものと勘違いしていたのだろう。


 今となっては、ただ戦帝に踊らされただけの愚者たちである。


 カランの話では、おそらく南部も同調していたが、最後の最後で裏切られた可能性が高いらしい。


 家族も、友人も、知人も、故郷も、全て奪われたのはルシウスだけではない。

 この場にいる全ての人間がそうだ。


 地図を広げて食い入るように見ているのはオルレアンス家のクレインである。

 あの日、帝国軍が流れ込んできたその日、父ラートスが身代わりとなることで生き延びることができた。


 だが妻ファグラは、帝国により捕らえられてしまったと以前、涙ながらに話していた。


「ルシウスさん、暗号の解読が完了しました。北部から連れ去られた女たちがいる繁殖場は第43繁殖場です」


「やっとだな」


 指を差した場所は帝都から離れた山や森が多く忍びやす場所だ。


 そこへ母も妹も連れて行かれたはず。


 当初はゲリラ的に帝国軍への攻撃を繰り返していたが、それもすぐに諦めた。仲間が減りすぎてしまったのだ。


 元々、戦力差がありすぎる。結果生き残ったのは一部の先鋭のみであった。

 いつしか帝国から王国を奪還することは諦め、最近の目的は、獣兵の繁殖用に連れ去られた仲間の救出である。


 食い入るように皆が地図を見ていると、テントの扉が開く。

 いきなり駆け込んできたのは幼馴染のポールだ。


「ルシウス兄! 大変だよ」


 奇跡的に王都を生き延びた双子の片割れはもういない。兄キールは2年前に帝国兵に捕まりかけたルシウスを逃がすため、身代わりとなって死んでしまった。


 その日から、弟のポールはルシウスに兄を重ね初め、ルシウス兄と呼び始めたのだ。

 何度もやめろと言ったのだが、かたくなにポールは止めなかった。



「何かあったのか?」


 ポールが真っ青な顔となる。


「パ、パンドラニア連邦が……テュポーン級を完成させたらしい」


 クレインとルシウスが目を合わせる。


「ヘカトンケイル級、ティタン級に続いて、英雄王ゼノンが繰ったというテュポーンまで完成させるとは。ついに支族間の秘技を開示し合ったんだ」


「国が1つにならざるを得なかったほどに、帝国の圧が強かったんだろう。王国では全くそれができなかったのに、さすが大国。共和国も国境を徹底的に封鎖を続けてる」


 ルシウスは自嘲気味に笑って、地図を見る。


「今から救出に向かう」


「今から!?」


 カラン師団長が驚きの声を上げた。


「パンドラニアが本気を出したのであれば、戦帝や三将達を始めとした本隊が向かったはず。1人くらいは王都防衛に残しているだろうが、繁殖場は帝都から離れた場所。なら、今が好機だ」


 皆、同意するように頷く。


「10分後に出発。時間との勝負だ」


「う、うん」

「わかったわ」

「了解」


 ルシウスは作戦本部と名付けられたテントを出て、すぐ横にある小さなテントへと入る。


「ルシウス?」


 入るなり、声をかけてきたのローレン。

 両目を眼帯で覆っている。


 あの日、帝国兵に目を潰され完全に視力を失ってしまった。


「ああ、ローレン。今からちょっと遠くへ行ってくる」


「……そうですか」


 寂しそうな声を上げたローレンのお腹は大きい。


 その後の逃亡生活の中で、ルシウスは常に自分とともに生きてくれたローレンと結婚した。

 結婚式は廃村の広場でもようした些細なものであったが、ローレンは嬉しそうに笑ってくれたことを今でも覚えている。


 そして、北部の盟主の一人娘オリビアは、あの日以降消息をつかめていない。おそらく最後まで戦い、戦死したのだろう。



「ルシウスさん、早く帰ってきて下さいね。この子と私のためにも」


「ああ、約束する。どんなことがあっても戻って来る。君と俺達の子の元へ」


 ルシウスはローレンと唇を重ねた。




 そして2日後。

 ルシウスは、20名程度の潜入部隊とともに帝国内にいた。


「あれか」


 木々の間から見えるのは、帝国ならではのコンクリートのようなもので作られた巨大な建造物である。

 横に並んだシャオリアは緊張した面持ちだ。


「やっぱり警備は少ないわね」


 今いるのは実行部隊である4名だけ。

 ルシウス、シャオリア、クレイン、カランの4人が目配せし合う。


「行こう」


 ルシウスたち4人は、夕闇に紛れて建物へ忍び寄る。

 道中、数人の警備をたた斬りながら、建物へと侵入した。


「……酷い」


 そこは人道から外れすぎた場所であった。

 ガラスケースに入れられた無数の女たちは、服すら着せられておらず、液体の中を揺蕩っている。


 それが高い天井まで続く棚に並べて置かれている。

 まるで何かの倉庫の荷物のように。


「……進もう」


 ルシウス達が物陰に隠れながら内部を探索し、光るモニターを発見した。

 おそらく操作端末だろう。

 近づこうとした時、研究員と思われる者たちが現れる。


「347番から492番までは廃棄だ」


「またか」


「仕方ないだろう。ゴブリンならともかくトロールのような大型種を生産するとどうしても消耗が早い」


「とはいっても前線の需要はまかない切れないな」


「泣き言を言わない。どうやったら陛下の役に立てるのかを考えるんだ」


「そうだな」


 ルシウスは拳を握り、歯を食いしばる。


「落ち着いてください」


 クレインが肩に手を置いた。


「ああ、すまない」


 研究員達が去るとクレインが飛び出し、操作端末へと触れる。


「わかるか?」


「おそらく。大半は遺物を再利用しているものですから」


 しばらく操作を続けていたクレインが硬直する。


「居……ました……第8区画です……」


 言い終わると同時に、クレインの瞳から涙がこぼれ落ちた。


「ファグラは手遅……れでした……うっ」


 ルシウスは涙を流しながら、うなだれる友を抱きしめる。


「すまない。俺が遅かったからだ」


 クレインは涙を流しながら、首を振るばかりだ。

 だが、いつまでもそうしていられない。


「……いくぞ」


 クレインに肩を貸し、ルシウス達は素早く階段を登り、第8区画へと足を踏み入れた。内部の構造はどこも同じようなものばかり。



 ――どこだ


 ラベルが貼られているだけで名前はない。

 帝国にしてみれば、もはや人ではないのだろう。


 見つけたいという感情と、これから目の当たりにするであろう凄惨な光景を見たくないという思いが同時に積もっていく。


 そんな時、赤い髪がガラスの中で揺れていた。


「……イーリス……」


 かつて希望をいだいていた瞳は虚ろで、意識はない。


 ルシウスはすぐさま宝剣でガラスを斬る。

 体液が漏れ出る最中、繋がれたチューブを力任せに引きちぎった。


「イーリス! イーリス! 俺だ、兄のルシウスだ! わかるか!?」


 イーリスの瞳は、何も無い虚空ばかりを見つめている。


 4年、それは長すぎる時間だった。

 長く続く苦行に耐えかねて心が壊れたのだろう。


 そしてイーリスを抱えながら、周囲を見る。

 すると見慣れた人たちが目に飛び込んだ。


 変わり果てた母と侍女マティルダだ。

 よく笑う母の見る影もない。優しかったマティルダも。


「あっ……あああっ」


 声を押し殺しながら叫ぶルシウス。


 奪われた。


 もし帝国がこなければ、西部が裏切らなければ。


 何より。



 ――自分がもっと強ければ



 笑っていたはずだ。


 今このときも。


 ルシウスは地面を思い切り叩き続ける。

 血が手ににじんでも叩き続ける。


 それ以外のどうしようもない感情を吐き出せなかった。


「行きましょう」


 血だらけになった手をシャオリアが優しく止めた。


「……ああ」


 ここにいるすべての人間を救い出したい


 だが、治療方法もわからない。

 あくまで今回はである。

 率先してリーダーの関係者が選ばれたに過ぎない。



 正気を失った3人を背負いルシウス、シャオリア、クレイン、カランは建物を抜ける。


 辺りは完全に夜となっており、月明かりに照らされていた。


「外で待つ潜入部隊との合流を急ごう」


 入口を出て、すぐさま闇夜に紛れ、森の奥へと入った4人。

 正確には7人は、木々へ身を隠すように奥へと向かう。


「おかしい。ここで偵察隊が待機しているはずだったのに」


「私が先に様子を見に行こう」


 4人のうち、唯一誰も背負っていないカランが1人森の中へと入っていく。


 カランが夜の闇に消えいていって30分ほど経その時。

 突然森に叫び声が響いた。


「ダメだッ! ルシウス! こっちに来るな!」


 響いたのカランの声だ。


 ルシウスはイーリスを背負ったまま森を駆ける。

 方向は当然、カランの声がした方。

 20名近ほどの潜入部隊が待機しているはず草原ヘと急ぐ。


 飛び込むように茂みを押し退けた時、広がった光景。


 それは全滅した潜入部隊であった。


 テントから炎があがり、至る所に仲間が倒れている。

 その中の1人は幼馴染のポールも含まれていた。


 その中で、唯一カランだけが生きていた。


 だが、その胸には、深く剣が突きたてられており、既に手遅れであることは明らか。


 カランの前方、剣を手にしている男は、金色の瞳に金色の髪。

 絵画の英雄を体現したかのような男。



「戦帝……どうしてここに……」



 戦帝ベネディクトは血糊ちのりを払うように剣を振るうとカランが吹き飛ぶ。


 異様な剣だ。


 ツインブレードというのだろうか。

 人が扱えるとは思えぬほどの大剣で、柄側にも刃がついた両剣だ。



「ルシウス。君を迎えに来た」


 ルシウスは地に伏せるカランやポールにも目をやりながらも、シャオリアやクレインを隠すように戦帝と相対する。


「……罠だったのか。パンドラニア連邦がテュポーン級を製造したというのは」


「いや、本当だよ。だが、私は行ってない。帝国で君が来るのを待っていた」


「戦帝無しでもパンドラニアを落とせるとでも言うつもりか」


 ルシウスは魂が抜け落ちたイーリスを優しく地面へと置く。


「もとよりパンドラニアを落とすつもりなど無い。私の目標はテュポーン級を製造させることだったのだから」


「…………」


 蚩尤しゆうを顕現させると、同時に斬り掛かる。 


 戦帝は斬撃を

 かつて東部で戦ったときはかすりもしなかったが、今のルシウスの斬撃は戦帝も受けざるを得ない。


「剣術の腕を上げたね」


 4年間、耐えに耐えてきた。


 次は魔槍を作り出し、左手で払う。

 それも戦帝は両刃の反対側で受け止めた。


「槍術も大したものだ」


「お前は……お前は、何がしたいんだ!?」


 戦帝は笑みを浮かべたまま。


「もう間もなくわかる。この世のすべての人間は思い出すのだ。この仮初の世界の主が誰であったかを」


 ルシウスは言葉に惑わされぬように、右手をかざす。


「来いッ! アンドラス!」


 戦帝の背後から黒いわしが影から飛び出た。

 そのまま重力で戦帝を飲み込もうとした時、戦帝が剣で鷲を一刀両断。


「来い、アナラ!」


 ルシウスが叫ぶとルシウスの背後に魔法陣が描かれ、炎が吹き出した。

 その炎が辺りを埋め尽くす。


「術式も上手くなった。とても」


 炎の中から戦帝の声がする。




「だが、それだけだ」




 炎の中から放たれた斬撃が、右足の大腿だいたいを深く斬り裂いた。


 足がぐらつき、地面へと転がるルシウス。


 すぐさま見上げると、戦帝は既に次撃の動作に移っていた。


 ――避けられない


 咄嗟とっさに、剣で顔を覆った直後。


 肉を裂く音が聞こえ、血が舞う。


「シャオリア……旅団……長」


 ルシウスの身代わりとなったシャオリアの胸深くに戦帝の刃が埋まっている。

 もはや白妖ですら受けきれないほどの傷である。


「あなたが……希望……」


 笑みを浮かべたシャオリアは、そのまま生気を失った。


「炎と闇で、失った邪竜の代替にしたかったのだろうけど、苦し紛れに契約した1級の砲魔と詠霊など、無いも同じだ」


 戦帝が再び剣を構える。

 そのとき大声が鳴り響いた。


「逃げて下さい! ルシウスさんに死なれたら終わりだ!」


 クレインが投げた丸い魔力弾が爆ぜる。


「クレイン! ダメだ!」


 ルシウスの言葉に耳を貸さず、クレインは魔力弾を放り続ける。

 戦帝は全く表情を変えず、一瞬で駆け寄り、クレインを切り捨てた。


 地面へと倒れたクレインの口がパクパクと動いている。


「ここへ来る前、レジスタンスの本隊も全員排除したよ……生き残りは君だけだ」


 我が子を宿したローレンの顔が浮かぶ。


 ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ


 胸が痛い。

 鼓動が早くなりすぎた心臓が今にも根を上げそうなほど。


「おわぁ、おえっ、ぐっ」


 ルシウスは胃の中のものをすべてぶちまけた。

 口からよだれを垂れ流しながら、戦帝を睨みつける。


「戦帝! お前だけは絶対に許さないッ!」


「ああ、許してほしいなどと思ってない。どれほどの罪を背負おうと、どれだけ後世の人間に侮蔑されようが一行に構わない。すべては人の為だ」


「どこが人の為だ!! ふざけるなッッ!」


 ルシウスが動かぬ足を引きずりながら、剣を握り締める。



 その時、空が割れた。

 比喩ではない。


 文字通り、空に亀裂が入ったのだ。


 そして一部が剥がれ落ちる。


 それは巨大な岩だった。


「さて、この虚像に満ちた楽園の終焉しゅうえんだな」


 崩れ落ちて出来た穴。


「太……陽……」


 穴の先に太陽が見える。

 今は夜だと言うのに。


 太陽が急に閉ざされ、暗闇が再び世界を覆う。

 崩れ落ちた空、いや天の亀裂を、巨大な赤い何かが通り過ぎているのだ。


 ――あの赤いのは……何だ


 通り過ぎた後、一瞬だけ陽の光が降り注ぎ、また閉ざされた。


 そこには。


 巨大な瞳が世界を覗き込んでいた。

 まるで水槽の中を観察する子どものように好奇心と嗜虐しぎゃく心に満ちた目だ。


 今まで感じたこともないほどの魔力の圧を感じる。

 邪竜や蚩尤の魔力とは、比べようもないほど冷たく、熱く、強烈な魔力。



「あれ……は」



「世界のあるじのご登場だ」


 戦帝がルシウスを瞥見べっけんする。


「あの日、君に可能性を見た。私を超え、更に高みへと上り詰め、世界の主を打ち倒す可能性を。だが――」


 戦帝が剣をルシウスへ向ける。


「正直、失望したよ。君は見えるものだけに執着し、世界に目を向けない。ゆえに取り残される」


 ルシウスは何が何だか全くわからない。


「それでも君が逸材であることには代わりはない。あらゆる精神的な痛みに耐える逸材。四重唱の特級魔術師となった君の精髄をもって、私は世界の主に立ち向かう」


 ルシウスと戦帝の目が合う。



「だから、死んでくれ」



 ルシウスの心臓に戦帝の刃が突き立てられた。


 全てが暗闇に閉ざされる。



 ――どうして、こうなった



 周りの人間に幸せになって欲しかった。

 そして、自身も幸せになりたかった。



 名を呼ばれ、誰かに必要とされる。


 そんなささやかな幸せを持てる人生を送りたかっただけ。


 前世を振り切るために。



 だが。


 今生の最期に待っていたのは、誰一人救えなかった現実。



 ――俺が……弱すぎたからだ



 力は求めたはずだ。自分なりに。

 何度も死線を乗り越え、訓練も続けてきた。



 だが、戦帝が見ているものと次元からして違った。

 村の外れに出没する魔物を倒す力と、世界を飲み込むような化け物を討伐する力では比べようがない。



 策略、戦略、戦術、個人技。

 すべてが太刀打ちできなかった。


 もし来世があるのなら。


 ――力が……欲しい


 どれほど自分を犠牲にしても。

 失った全てを取り戻せる力が。



 ――力が欲しいッッ!!



 突如、ルシウスの真っ暗だった視界を赤い光が覆い尽くした。

 そして失ったはずの肉体が、神経を通じて、激しい鼓動を脳全体へ送りつける。



「はぁ はぁ はぁ はぁ はぁ 」


 全身から汗が吹き出す。


「どうしたのですか? いきなり?」


 懐かしい声に振り返ると、背後にはメラニアとキルギスの民がいた。

 死したはずの少女がなぜ、と疑問が過る。


 辺りはマグマが熱した大地。


「ここは……塔……?」


 ひどく懐かしい。邪竜の封印を解くために何度か訪れたが、警備の厳しさに近寄れなかった場所だ。

 その背後からは騎士たちが追い立てる気配を感じる。

 この状況は知っていた。忘れるわけがない。



 ――4年前に……戻った……のか?



 それとも今まで見たものが幻だったのだろうか。


「いや……そんなはずは……ない」


 はっきりと覚えている。

 苦しかった記憶も、嬉しかった記憶も全て。


 父ローベルの死も。

 救出した母エミリーたちの虚ろな瞳も。

 ローレンと重ねた唇の感触も。


 そして、お腹に宿った我が子の胎動も。



 すべて思い出せる。



「主……戻った」


 傀儡のソルがルシウスを擦る。


『1度目で戻るとは、想定外』


 赤い光に目がちらつき、前を向くと妖精王が笑っている。


 間違いない。

 あの悪夢は目の前の赤い妖精が見せたもの。


 12枚の羽を持つ輝く存在。


「お前、何者だ。妖精王ではないのか」




『我はすべての砲魔の頂点にあるもの。妖精族の王であり、あらゆる砲魔種族の君主でもある』




 ===============

 お読みいただき、ありがとうございます。


 辛い話だと思いますので、始めは箇条書きや日記帳で書いていたのですが、やはり臨場感に欠けるため、ルシウス視点で書き直しました。

 何より、世界観に触れる話でもあります。


 あとは、ずっと俺のターン

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