第6話 似た者同士
オディロン様にも婚約相手が居たけれど、破談になった。その経緯について、話を聞くことに。
どうやら彼は、訓練に夢中になって婚約相手のことを疎かにしてしまった。それで寂しさを紛らわせるために、婚約相手だった女性が隠れて浮気していた。例の件で、その事が発覚して破談になったそうだ。
「私が、もう少し彼女のことに気を配っていたのならばこんな事にはならなかった、かもしれない」
婚約が破談になった経緯について語るオディロン様は、反省している様子だった。
オディロン様の話を聞いた私は、それでもやっぱり浮気していた婚約相手の女性が悪いだろうと思った。寂しさを紛らわせるために浮気をする、という考え方が私には理解できない。
そして私も、彼と同じように王妃教育が大変だったので、婚約相手との触れ合いが不足していたと、今になって思う。交流が足りていなかったのだろう。
そんなところが、彼は私と似ていると感じた。
「この反省を活かして、今度は相手を疎かにしないよう気をつけたい。君にも、協力してもらえると助かるのだが」
「もちろん、協力します。これからは、積極的に関わっていきましょう。私たちは、結婚して夫婦になるのですから」
「そうだな。これから、よろしく頼むよエレオノール」
「はい。よろしくお願いします、オディロン様」
お互いに見つめ合って、笑い合う。私たちの間に、確かな絆が生まれたような気がした瞬間だった。
私たちは、なるべく会って同じ時間を過ごすようにする。2人が仲良くなるための努力をしていく。
そういったことを、最初から決めておくことにした。こうして私とオディロン様の関係は始まった。とても良いスタートを切れたと思う。
婚約者として定期的に会い、仲を深めていく。一緒に食事をしたり、ダンスをしたり、乗馬をしたり、様々な事を彼と一緒に経験した。
オディロン様と過ごす時間は、とても楽しかった。彼も楽しんでくれているようで、良かったと思う。
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