第39話

【この手紙を読んでいるということは私はこの世にいないのでしょう。あなたが、私の昔の彼氏にしたことは離婚する前に知っていました。あなたが昔、広治に嫌味のように亡くなった彼氏のことを話ししていたとき、私はあなたを殺したいと思いました。あなたは人の人生を壊したことを忘れてたしまうのですね。でも広治を犯罪者の息子にはできませんでした。私があなたにしたかった復讐は何一つできませんでした。無念のまま終わってしまうのです。悔しいですが。ただ、あなたがほしかったモノは渡せないようにしています。あなたの信頼や信用はこの地域ではないのです。この家でも暮らせないでしょう。そしてあなたが息子だと思っていた広治はあなたの子供ではなく、あなたが忘れている、あなたとあなたの友達が脅していた、私が一番愛していた人の息子です。】


【父親とされていた人へ あなたがなりたかったものになれるようにプレゼントを贈ります。あなたが主人公の物語です。】


実家は取り壊すことにした。


父親とされる人の手元に届くことのない、お母さんと僕からの手紙ともに実家は取り壊された。


僕は同じような境遇の人が逃げ出せるよう父親とされる人を主人公にした小説を投稿した。


ある意味、主人公になりたかった父親とされる人へのプレゼントとなる。


父親とされる人に嫌な思いをされ始めてから考えていたことだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る