第28話
人と接する時や、何か決め事をするとき、一歩下がりながら、常に確認をしてきた僕が、あらゆることを先に決めて、譲らない行動をしている。
今年一番の冷え込みを記録し、雨が降ったら間違いなく雪に変わる12月の初めの土曜日の昼、僕はおじいちゃん、おばあちゃんの家にいた。
内緒でお母さんも呼び出しておいた。父親とされる人以外の家族が集まった。
「1月の初めから職場の寮に入るよ。もう決めてきた。保証人が必要なんだ。誰か記入してほしい。」
「なんで相談もなしに決めるの」
お母さんだけでなく、おじいちゃん、おばあちゃんも一言言ってほしかったことを言っていた。
「信頼してないわけでもないけど、こうでもしないと、父親とされる人と離れられないと思ったんだ。隠しているのが本当に辛かった」
僕は二人っきりの時、罵倒、説教を、受けていた事、それ以外と時はメッセージアプリで説教を受けていた事を伝えた。
この前、蜂旗ミートでハッチのお父さんから言われた事、父親とされる人が周りから避けられている事を伝えた。
「こうなるとは思っていた。だから一緒に住むのはやめておけって言ったんだ。」
おじいちゃん、おばあちゃん、お母さんは喧嘩を始めた。
「お母さんは優しいからしょうがないよ。お母さんは二人っきりの生活、大丈夫なの?」
「私は、自分で決めてしまったことだから責任をとるよ。本当に、みんなには迷惑をかけて申し訳ないと思ってたよ」
お母さんは泣きながら謝った。
泣きながら、ただ謝るお母さんを僕もおじいちゃんもおばあちゃんも見ることしかできなかった。
被害者と加害者があるならばお母さんも被害者なのだ。
「ふざけるな。俺は親だぞ。親にも秘密にしてるってどうかしている。お前の育て方が悪いからだぞ。昔だっだらお前らを殴っているが、もう殴る意味もない」
「そもそも、お前はおかしいと思ってたんだ。礼儀正しい奴は何かおかしいんだ。お前はサイコパスじゃないかと思っていたんだ」
「俺とお前が初めてあった年始、俺はお前から、年始の挨拶が来ると思っていてんだ。それが来なかった。常識がない。普通は俺にメールでも、なんでも、挨拶が来るはずだろう。数日後には会うから、ではない。お世話になった人に挨拶するのは普通のことだ」
「アツコ、お前もこいつもB型だ。この家ではA型は俺だけだ。A型は繊細で生きづらい。これだからB型は馬鹿にされるんだ。お前らを見てるとわかる」
「俺はSNSというのか、スマートフォンのニュースにメールアドレスと同じ名前で投稿している。俺の意見にいいね、がたくさんつく。俺の意見は普通の意見だ。世の中とズレているのはお前らだ。」
「それに勉強ばかりしている奴らは頭が硬い。引きこもりのでパソコンとお友達のオタクみたいな気持ち悪い奴らばかりだな。お前らもパソコンで悪口を言っているんだろう。」
その夜、父親とされる人には散々怒鳴り散らされ、罵倒された。
散々罵倒されたおかげで、出ていくことが決まってよかった、と思った。
それから一ヶ月、ほぼほぼ、一緒にご飯を食べることなく、年末年始も夜勤を入れてもらい、逃げるように僕は実家を出ていった。
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