第17話

4月1日、大雨の日に父親とされる人がやってきた。


やってきた、というよりは、父親とされる人と一緒に住み始めた。


僕は仕事だったので、お母さんがお出迎えし、二人で荷解きをして過ごしたようだ。


夜、帰宅すると


 「おかえり」


父親とされる人とお母さんがいて、これからこれが日常になってくと思いながら、ただいま、と言った。


「最初の日だから一緒に待っていてくれると嬉しかったけど、働いているから、しかたないよなぁ。4月1日だからなぁ」


父親とされる人に言われた。


「働いているからね…、さあ、ご飯にしよう。今日はお寿司とったよ」


 お母さんと僕はビール、父親とされる人はコーラで新しい門出を出発した。


 まだ3人で食事をすることにも慣れきっていないけど、3人で暮らすことになった。


 4月1日という新年度の忙しない雰囲気と3人で暮らす、という2つの新しいこと、のおかげか、そのせいか、僕はぐったりしてその夜は早く寝た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る