第7話

母親とおじいちゃん、おばあちゃんと僕4人で話をすることになった。


産まれてからずっと、最近で言えば、薬科大学生になったとき、薬剤師になったとき、プレゼントをあげたとき、全て楽しい時間だったが、それから家族と過ごす楽しい時間は訪れなくなった。


母親からの話とは、離婚した父親と偶然、街中であったようだ。


母親と離婚してから、再婚し、子供ができたが離婚し、再再婚し、離婚したようである。


お金も辛そうなので、人生で最後にできることとして、一緒に暮らして欲しい、とのことだった。


とにかく、一度愛した人だから、愛着がわいたようである。


「俺は絶対反対だ」

「私も反対だ」


僕抜きで、さんざん話し合った様子が伺えた。


とにかくおじいちゃん、おばあちゃんは反対としか口にしなかった。


「広治の意見も聞きたいの」


いきなり言われても困る。


離婚し僕のために生きてきてくれた母親の幸せを望みたいけど正直、今のこの4人で楽しい環境は失いたくない。


父親とは言え、会ったことがない人と一緒に暮らすのは辛いのはわかっている。


僕はこの事を伝え


「そもそも何で離婚したの?」


と聞いてみた。


小さい頃に僕に話した事があるようだが、小さい頃だから記憶がない。


もう一度お願いした。


「度重なる浮気と子育ても全然しなかったし、お宮参りでさえ、浮気相手といた」


おばあちゃんが怒りを我慢しながら話す姿を初めて見た。


とにかく、とんでもない奴だったようだ。


「俺はアツコが辛い姿を見たくないんだ。絶対、前と同じように辛いだけだ。とにかく反対だ。」


その日はそれで終わった。

話し合いのあとから、4人の雰囲気は変わった。


正式にいうと、母親と他の3人がどことなくギクシャクしていたのがわかったし、自分も仕事が忙しく、一緒にご飯を食べる時間が減ってしまったけど、一緒にご飯を食べるときは、以前のような明るい食卓ではなかった。

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