24話 さ、佐伯のスリーサイズ??
謎すぎる"あーん"の後、俺たちの間に会話は無くなっていた。
俺は難しい感情に浸りながら、肉の乗ってない焦げた網に燃え盛るその火を見つめていた。
佐伯のやつ……急に食べなくなったな。
俺の方から箸変えろって言った方がいいか?
こんな事した手前、こいつも引くに引けないのかもしれない。
「佐伯、新しい箸ならここに——」
「たっだいまー」
町張と玉里の2人が戻って来た。
2人が帰って来た事で、さっきの件に触れられ無くなり、俺の提案はかき消される。
「町張さん、お肉をじゃんじゃん焼いて頂戴」
「了解っ。まかせてー」
佐伯はさっきまでの事が無かったかのように、いや、さっきよりも少し機嫌良さそうに町張に話しかけていた。
そして佐伯は、俺の方を見ながら、平気な顔して近くにあったサンチュを口にした。
『あなたに食べさせた箸って事をこの私が気にするとでも思った?』
……とでも言いたげなその挑発的な顔に、無駄に気にしすぎていた自分が恥ずかしくなる。
佐伯め……言動だけでは飽き足らず、心理的にも俺を追い詰めようとしてるのか。
「それにしても佐伯さんって、結構食べるんだね?」
「当たり前じゃない。せっかくの食べ放題なのだから食べないと損よ」
あんな金持ちが住むようなマンションに住んでるから、佐伯はお嬢様気質かと思ってたが、意外と庶民的な思考してるんだな……。
「佐伯ちゃんは食べても太らない体質でいいなぁ」
「そんな事ないわ。体重も平均くらいだし」
「でもでもー! 腰回りとかモデルさんみたいに細いし、背も高めだしー! それに、脂肪が付いても、お胸とか必要なとこに栄養行ってるみたいだから、マジで羨ましー」
何か、急にガールズトーク始まったな。
俺は疎外感を覚えながらも、ドリンクを口に……。
「ね、佐伯ちゃん! おっぱいのサイズ教えて?」
「ぶっ」
俺は口に含んだ飲み物が吹き出すのを必死に抑える。
それと同時に、ハート穴メイド服から佐伯の胸が露出した、あの写真が脳内にフラッシュバックする。
「ちょ、ちょっと道藤さん! なんて事聞いてるの! 大狼もいるんだよ⁈」
「いーじゃん別に、古徳くんも知りたいよねー? 佐伯ちゃんのスリーサイズっ」
「な、何言ってんだ玉里……てかちゃっかり胸どころかスリーサイズに変えてるし」
その時、佐伯はまたしても何か物申したいような薄目で俺の方を睨みつける。
仮にも「知りたい」とか言ったら……●されるだろう。
『この変態。クールなフリして頭の中は私の体を舐めるように見ていたなんて。最低ね』
とまあ、どう言う反応をされるか容易に想像できる。
「俺はそんなの、興味ないに決まっ」
そう言った瞬間、目の前の席の佐伯が、俺の足を踏みつけた。
「いっ……」
「どしたの古徳くん険しい顔して? あ、本当は知りたいとかぁ?」
「ちょっ大狼! ダメだから! そんなの不純だから!」
ニタニタ笑う玉里と赤面する町張。
そしてなぜかキレ気味に舌打ちをする佐伯。
ここは地獄か?
「ちょっと、頭冷やしてくる」
と言って俺は席を外し、一度トイレへ向かう。
その道中でスマホにlimeの通知が入……って、このパターン、絶対佐伯だろ。
『さえき:嘘をつくからこうなるのよ。正直になりなさい』
正直に言ったんだが⁈
―――――――――――――
【あとがき】
佐伯の3サイズとか、作者が一番知りたい。
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